大相撲:琴光喜と2親方懲戒処分に 賭博問題で特別委見解

2010年6月27日 17時49分 更新:6月28日 1時47分

大関・琴光喜関
大関・琴光喜関

 大相撲の賭博問題で、日本相撲協会の外部有識者による特別調査委員会(座長=伊藤滋・早大特命教授)は27日、東京・両国国技館で第2回会合を開き、野球賭博に関与した大関・琴光喜関、大嶽親方(元関脇・貴闘力)、時津風親方(元前頭・時津海)の懲戒処分や、琴光喜関を含む力士15人と床山1人、武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)ら理事4人を含む親方12人の謹慎処分などを、28日に開かれる日本相撲協会の臨時理事会で勧告することを決めた。大嶽親方には解雇以上の厳しい処分を求めている。また、関係者への取材で、謹慎処分を勧告される15力士が、大関を経験した雅山関(武蔵川部屋)らであると判明した。

 ◇15力士、親方12人を謹慎

 特別調査委は、力士らと暴力団との間に直接の関係はなかったと発表した。名古屋場所(7月11日初日・愛知県体育館)については、これらの条件を受け入れた上で開催を認めるとした。場所開催の場合は、武蔵川理事長の代行を置くことが求められる。文部科学省幹部は毎日新聞の取材に「環境整備の観点から大事な提言ではないかと思う」と話している。

 大嶽親方に重い処分を求める理由について伊藤座長は「突出して重い。(頻度、金額など)全部ですね」と述べた。懲戒処分を求める3人は、週刊新潮で報道された際、協会の調査などに関与を否定する虚偽の報告をしていたという。

 名古屋場所中を謹慎させる力士の内訳は、出場辞退を申し出た琴光喜関を含む幕内8人▽十両5人▽幕下以下2人。阿武松部屋の幕内、十両、幕下の各1人が含まれている。賭博関与者が多く出た阿武松部屋は部屋自体を謹慎とした。

 特別調査委は26日までに、36人から事情を聴き、うち27人が野球賭博に関与していたと発表。7月2日を期限に全協会員約1000人を対象にした調査を実施し、「初日までに白黒をはっきりさせる」としている。【武藤佳正】

 ◇処分を勧告された主な親方・力士◇

 <懲戒処分>

大嶽親方(元関脇・貴闘力)

時津風親方(元前頭・時津海)

琴光喜(大関)

 ※大嶽親方は解雇以上の処分勧告

 <謹慎の親方>

武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)

出羽海理事(元関脇・鷲羽山)

九重理事(元横綱・千代の富士)

陸奥理事(元大関・霧島)

八角親方(元横綱・北勝海)

尾車親方(元大関・琴風)

佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)

境川親方(元小結・両国)

春日野親方(元関脇・栃乃和歌)

木瀬親方(元前頭・肥後ノ海)

宮城野親方(元十両・金親)

阿武松親方(元関脇・益荒雄)

 <謹慎の力士>

豊ノ島(前頭)=時津風部屋

雅山(前頭)=武蔵川部屋

豊響(前頭)=境川部屋

豪栄道(前頭)=境川部屋

隠岐の海(前頭)=八角部屋

嘉風(前頭)=尾車部屋

若荒雄(前頭)=阿武松部屋

千代白鵬(十両)=九重部屋

大道(十両)=阿武松部屋

春日錦(十両)=春日野部屋

清瀬海(十両)=木瀬部屋

普天王(十両)=出羽海部屋

古市(幕下)=阿武松部屋

光法(幕下)=宮城野部屋

 ※地位と所属は夏場所の番付による。清瀬海は現在、北の湖部屋所属

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