09年度税収:1.8兆円増 4年ぶり見込み額上回る

2010年6月27日 10時48分 更新:6月28日 12時1分

 国の09年度一般会計税収が、昨年12月の補正予算時点で見積もった額(36兆8610億円)を約1.8兆円上回り、38.7兆円前後となることが26日、分かった。税収が見込み額を上回るのは4年ぶり。景気の持ち直しに伴う企業業績の回復が主因だが、08年度の税収実績(44兆2673億円)は大幅に下回っており、国の財政が依然厳しい状況にあることは変わりがない。

 09年度は当初予算時に46兆1030億円の税収を見込んでいたが、08年秋のリーマン・ショック以降の急激な景気の落ち込みで企業業績が大幅に悪化する見通しになったため、昨年12月に9兆円を超える下方修正に追い込まれた。

 しかし、その後はアジア向けを中心とする輸出の増加や、エコポイントなどの政策効果で景気は回復基調を徐々に強めており、企業業績も改善。法人企業統計によると、10年1~3月期の企業は11四半期ぶりに増収増益となった。この結果、法人税や消費税収が、昨年12月時点の見込み額を上回った。

 近く09年度一般会計決算が公表されるが、税収の上ぶれなどによる剰余金が発生した場合は、10年度の歳入に繰り入れられる。また、10年度当初予算は税収見積もりを37兆3960億円としているが、09年度の上方修正によって、上ぶれする公算が大きくなった。

 ただし、09年度は金融危機に対応した約14兆円の補正予算などで、同年12月の2次補正後の国債発行額は53.5兆円に上り、税収を大幅に上回っている。10年度も国債発行額が44.3兆円と、税収見積もりとの差は大きく、税収上ぶれによる財政の改善効果は限られそうだ。【久田宏】

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