老齢加算訴訟:北九州市が上告 高裁の「違法」判決に不服

2010年6月25日 15時29分 更新:6月25日 15時49分

 生活保護の老齢加算廃止・減額は「生活保護法に反し違法」と北九州市の処分を取り消した福岡高裁判決について、同市は25日、判決を不服として上告した。福岡高裁以外の訴訟では異なる判決が出ており、国と協議のうえ上級審の判断を仰ぐことにしたという。

 原告は同市の74~92歳の男女39人。「憲法が保障する生存権を侵害している」として国の決定を受けた市の処分の取り消しを求めていた。1審・福岡地裁は原告側の訴えを棄却したが、高裁判決は「高齢者の最低生活水準の維持や激変緩和措置が十分に検討されていない」と指摘。社会通念に照らし著しく妥当性を欠き、裁量権の逸脱または乱用に当たるとして1審判決を取り消した。

 老齢加算の廃止・減額を巡る訴訟は全国8地裁に提訴され、1審は福岡、東京、京都、広島の4地裁、2審は東京高裁で原告側の訴えが退けられていた。

 上告について原告側弁護団長の高木健康弁護士は「原告は苦しい生活を強いられている。高裁判決は極めて正当な判断をしており納得できない」と話した。【高橋克哉】

top
文字サイズ変更
この記事を印刷

PR情報

アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド