2010年6月25日 11時19分 更新:6月25日 11時51分
【ソウル西脇真一】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は25日、朝鮮戦争(1950~53年)の開戦60年記念行事で演説し、韓国海軍哨戒艦天安(チョンアン)沈没事件と関連付けて、「北朝鮮は率直に謝罪し、責任をとらなければならない。これ以上の挑発はやめ、朝鮮半島の安定と平和を回復させ、共同繁栄を模索しなければならない」と訴えた。
ソウルの競技場で行われた記念行事には、実際に参戦した国内外の元兵士、参戦国の外交団ら約5000人が出席。李大統領が北朝鮮を非難すると出席者から拍手が起きた。
李大統領は「われわれは朝鮮半島を超え、世界の経済と安保の規則をつくる国になろうと力を振り絞っている。韓国を侵略した勢力は後退したが、韓国は世界の前面に立つようになった」と、北朝鮮と対比させた。
また「朝鮮戦争は冷戦の本格的な開幕を知らせる最初の信号弾となった」と述べ、休戦状態のまま現在も続く南北分断の現状を憂えた。
北朝鮮は朝鮮戦争の休戦状態をめぐって米国に平和保障体制の構築を再三、要求。6カ国協議の再開条件として、経済制裁の解除のほか平和協定締結に向けた協議も加えている。
朝鮮戦争は米ソ冷戦を背景に50年6月25日、ぼっ発。国連安全保障理事会は北朝鮮の軍事制裁を決議。米韓を中心とする国連軍が北朝鮮軍を追撃したが、中国義勇軍の介入で戦線は北緯38度線付近でこう着状態になった。
53年7月27日、国連(米)中朝3者が休戦協定に調印したが、韓国は休戦に反対して加わらなかった。国際法的には朝鮮半島は今も休戦状態が続いている。