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ゴミの山、寄り添い倒れていた姉弟 大阪・2児置き去り(3/4ページ)

2010年8月22日3時5分

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 だが、「ママ友」だったという主婦(22)は「子どもをほったらかしても平気で、冬ごろには夜遊びが多くなり、ママ友間でも『最近、早苗は遊びすぎや』という話も出た」と証言する。

 昨年5月に離婚。自身の交友関係が原因だった。離婚届は父親と一緒に出した。父親によると「自分の責任やから、子どものために頑張っていく」と話した。離婚前、知人には「母親である以上、強くないと」と語っていた。

 名古屋市内のキャバクラで働き始めた。子どもは店の託児所に預けた。同僚だった女性(20)は言う。「仕事と子育てを両立させている『良いママ代表』みたいな感じだった」。下村容疑者は周囲に「子どもにいらつくことはない。何やっても可愛い」と話した。休日にはレンタカーで子どもを動物園に連れて行くこともあった。だが、生計と育児のすべてが自分一人にのしかかっていた。

 「兆候」は昨年8月にあった。愛知県警がマンションの通路で泣いていた桜子ちゃんを一時保護した。下村容疑者は「コンビニに出かけている間に子どもが家を出た」と説明。育児放棄を疑った県警は児童相談所に通報した。相談所は下村容疑者が電話で「生活に困っていない」と話したため、働きかけを中止した。

 今年1月、大阪の父方の祖父母宅に数日間身を寄せた後、マンションに移った。勤め先の風俗店に託児所はなかった。下村容疑者は当時の心境について「子どもなんていなければいいのにと思った」と大阪府警に供述している。

 この少し前、「子どもがインフルエンザかもしれない。面倒を見てほしい」と父親に電話している。父親が「仕事もあるし……」と言うと、その後「何とかなった」と連絡があった。東京の高等専修学校の教諭は「東京に出てこい、と言ったが、『迷惑はかけられない』と。甘えられない性格で、弱い自分を見せたくなかったのだろう」。

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