[海保ヘリ墜落]6管本部長が謝罪 デモ飛行隠ぺい
2010年08月22日02時01分 / 提供:毎日新聞
香川県多度津町・佐柳島(さなぎじま)沖の瀬戸内海で、第6管区海上保安本部広島航空基地(広島県)のヘリコプター「あきづる」が墜落し、5人が死亡した事故で、林敏博・6管本部長は21日記者会見し、デモンストレーション飛行の合間の事故だったと公表しなかったことについて、自身の判断だったと認めた。「組織的隠ぺいとの疑義を持たれるのはやむを得ない。申し訳ない」と謝罪したが、自身の進退については、辞意を否定した。
林本部長によると、同本部は18日夜、事故状況の公表について幹部会議を開き、デモ飛行については、「事故現場と離れており、触れる必要はない」との意見で一致。幹部から改めて確認を受けたが、「それで結構です」と答えたという。翌19日午前、林本部長は記者会見をしたが、デモ飛行に触れず、同日夜になって総務課長が初めて公表した。
林本部長は21日、組織的隠ぺいの意図については一貫して否定した。前原誠司国土交通相から広報態勢を批判され、「責任を痛感している。今後、事故の解明を進めていく」と話した。「職を辞す考えがないのか」という質問には、しばらく間をおいて「はい」と答えた。
また、あきづるの最後の交信時間を訂正するなど説明が二転三転したことについて、「情報公開の姿勢に問題があった。(広報について)部内の常識と世間の常識で違うものがあったのかもしれない。反省している」と述べた。
一方、国交省の航空事故調査官は21日、飛行計画や事前準備には問題はないとの見解を示した。ただ、送電線の両端の鉄塔の障害灯について、「フラッシュ光が見えたかどうかを検証する必要がある」と指摘した。事故原因解明には約1年かかるという。【矢追健介、中里顕、星大樹】
◇「気が緩んだ?」パイロット指摘
第6管区海上保安本部は墜落事故とデモ飛行の因果関係を否定するが、民間会社のパイロットからは疑問視する声も出ている。
パトロール中のヘリは通常高度300〜600メートルで飛行するが、「あきづる」は海面から50〜105メートルの高さに張られた送電線に前脚部を引っかけ、海に落ちた。
国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官によると、通常速度のまま減速せずに送電線に接触したとみられる。送電線に気付かないまま接触した可能性がある。
墜落したのは2回目のデモ飛行の海域まで約17キロの地点だったことや廃船調査の場合は目視で確認できるまで降下することもあり、海保関係者は「デモ飛行に備えて低空飛行していたとは考えられない。廃船調査などのため高度を下げていたと見るのが自然」と話す。
こうした見方に対し、飛行経歴25年で瀬戸内海の飛行経験も豊富な民間会社のパイロットは「送電線の存在を失念していたとしか思えない」と指摘する。「墜落現場では、送電線の両端の鉄塔が島の木立に隠れて見えにくいが、島と島の間に送電線があるのはパイロットにとって常識。飛行ルートの最後にデモ飛行が入り、気が緩んだのでは」と話す。また、「本来業務ではない2回のデモ飛行の間の事実上の時間調整中とも言え、海保が公表を伏せたのは後ろめたさがあったからではないか」と推測する。
林本部長によると、同本部は18日夜、事故状況の公表について幹部会議を開き、デモ飛行については、「事故現場と離れており、触れる必要はない」との意見で一致。幹部から改めて確認を受けたが、「それで結構です」と答えたという。翌19日午前、林本部長は記者会見をしたが、デモ飛行に触れず、同日夜になって総務課長が初めて公表した。
林本部長は21日、組織的隠ぺいの意図については一貫して否定した。前原誠司国土交通相から広報態勢を批判され、「責任を痛感している。今後、事故の解明を進めていく」と話した。「職を辞す考えがないのか」という質問には、しばらく間をおいて「はい」と答えた。
また、あきづるの最後の交信時間を訂正するなど説明が二転三転したことについて、「情報公開の姿勢に問題があった。(広報について)部内の常識と世間の常識で違うものがあったのかもしれない。反省している」と述べた。
一方、国交省の航空事故調査官は21日、飛行計画や事前準備には問題はないとの見解を示した。ただ、送電線の両端の鉄塔の障害灯について、「フラッシュ光が見えたかどうかを検証する必要がある」と指摘した。事故原因解明には約1年かかるという。【矢追健介、中里顕、星大樹】
◇「気が緩んだ?」パイロット指摘
第6管区海上保安本部は墜落事故とデモ飛行の因果関係を否定するが、民間会社のパイロットからは疑問視する声も出ている。
パトロール中のヘリは通常高度300〜600メートルで飛行するが、「あきづる」は海面から50〜105メートルの高さに張られた送電線に前脚部を引っかけ、海に落ちた。
国土交通省運輸安全委員会の航空事故調査官によると、通常速度のまま減速せずに送電線に接触したとみられる。送電線に気付かないまま接触した可能性がある。
墜落したのは2回目のデモ飛行の海域まで約17キロの地点だったことや廃船調査の場合は目視で確認できるまで降下することもあり、海保関係者は「デモ飛行に備えて低空飛行していたとは考えられない。廃船調査などのため高度を下げていたと見るのが自然」と話す。
こうした見方に対し、飛行経歴25年で瀬戸内海の飛行経験も豊富な民間会社のパイロットは「送電線の存在を失念していたとしか思えない」と指摘する。「墜落現場では、送電線の両端の鉄塔が島の木立に隠れて見えにくいが、島と島の間に送電線があるのはパイロットにとって常識。飛行ルートの最後にデモ飛行が入り、気が緩んだのでは」と話す。また、「本来業務ではない2回のデモ飛行の間の事実上の時間調整中とも言え、海保が公表を伏せたのは後ろめたさがあったからではないか」と推測する。
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