長崎市職員が市の水産施設の部品交換工事代金と偽り、管理委託先から現金約230万円をだまし取っていた問題で、市は16日、水産振興課の中町源幸(もとゆき)技師(38)を同日付で懲戒免職にしたと発表した。同課長と同課振興係長も管理監督責任を問い、文書訓告とした。
三藤義文・総務部長は会見で「市職員の身分を利用し、不正に現金を受領した。極めて悪質であるまじき行為」と処分理由を説明。しかし、「管理委託先が告訴しない意思を示し、市に告発を見送るよう嘆願書も出た。新たな不法行為も確認されず、被害弁償も済んでいる」とし、刑事告発については見送る考えを示した。
市によると、中町・元技師は昨年10月、市が漁獲拡大目的で長崎市の橘湾に整備した網場(あば)湾海洋牧場の音響給餌ブイの部品交換と偽り、牧場の管理業務を委託している「同牧場管理運営協議会」に架空請求書を持ち込んで、現金をだまし取ったという。
〔長崎版〕
毎日新聞 2010年8月17日 地方版