受験に不利な韓国史、9割が未履修(下)
入試制度改編で韓国史教育が危機に
高校の教育課程での「国史無知」現象は、そのまま大学教育の現場に影響している。ソウルのある私立大歴史学科のB教授は、「ここ5、6年、新入生の歴史の知識はかなり低い水準に陥っている。安重根(アン・ジュングン)と安昌浩(アン・チャンホ)を区別できない学生や、キム・ユシンと李舜臣(イ・スンシン)のどちらが古代の人物なのかも知らない学生が多い」と語った。
ソウルのある有力大学のC教授は、「歴史学科の新入生なら、少なくとも英祖・正祖が18世紀の国王だという知識くらいは踏まえた上で、ようやく大学で何かを学べるのではないか」とため息をついた。古朝鮮-三国時代-統一新羅(渤海との「南北国時代」)-高麗-朝鮮と続く王朝史の基本的な流れすら知らない学生も多いという。地方のある大学のD教授は、「今は教科書ではなく、史実とはまるでかけ離れたテレビの“でたらめな歴史ドラマ”が、韓国国民を教育している」と愚痴をこぼした。
韓哲昊(ハン・チョルホ)韓国近現代史学会会長(東国大教授)は、「このまま行けば、東北工程(高句麗・渤海の歴史を中国の歴史に編入しようとする企図)や独島(日本名:竹島)問題がなぜ起こったのかという歴史すら分からなくなる。歴史教育をもっと強化しなければならないのに、“知らなくてもいい”と放棄しようというのか」と語った。
一部の学者らは、李性憲(イ・ソンホン)議員(ハンナラ党)らが先月発議した「高等教育法一部改正案」と歩調をそろえ、歴史教育の見直しと強化に乗り出そうという動きを見せている。改正案では、34条7項で「大学は、修能を入学選考資料として活用する場合、韓国史科目を含めなければならない」と定めているが、修能改編案の「社会探究1科目選択」とは、両立し得ない条項だ。
兪碩在(ユ・ソクジェ)記者