哨戒艦沈没:次期警察庁長官が遺族に謝罪
「思慮に欠ける発言」
遺族「これ以上、問題視しない」
沈没した韓国海軍哨戒艦「天安」の遺族を「動物」に例えた発言で物議を醸した趙顕五(チョ・ヒョンオ)次期警察庁長は20日、ソウル地方警察庁を訪れた遺族に謝罪した。「天安」遺族協議会のイ・インオク代表は「短い時間での話し合いですべてを受け入れることはできないが、軍人の家族という名誉のため、今回の件についてこれ以上は言及しないことにした」と述べた。
趙次期庁長は京畿地方警察庁長だった今年3月、警察機動隊員300人の前で、「『天安』の遺族は動物のように泣き叫んだ」と述べていたことが分かり、問題になっていた。
遺族17人は同日午後3時5分ごろ、ソウル地方警察庁15階の会議室で、趙次期庁長と約1時間50分にわたり面会した。趙次期庁長はエレベーターの前に待機、遺族一人一人と握手やあいさつを交わして出迎え、沈痛な面持ちで謝罪した。
趙次期庁長は「『天安』で犠牲になった勇士遺族への謝罪」として、「思慮に欠ける発言で遺族の皆さんの気持ちを深く傷付けたことに対し、心から謝罪申し上げる。問題になった表現に、遺族の皆さんの悲痛な心情をさげすむ意図は全くなく、『天安』犠牲勇士に対する国民的な追悼の気持ちが格調高く続いて欲しいという希望を強調したものだった」と説明した。また、「今後は公職者として言動の一つ一つにより慎重を期し、節度を持つ」とも述べた。そして、「もし機会が与えられ、庁長に就任できたなら、ご遺族の方々と十分に話し合い、適切な手続きを経て(顕忠院=沈没事件の犠牲者が眠る国立墓地を)訪問する」と言った。
イ・ジョングク遺族協議会メディア担当代表は「趙次期庁長の顕忠院墓参を前提に謝罪を受け入れる。遺族それぞれの思いは違うが、公式的には(次期庁長就任)辞退を要求したり、言及したりはしないことに決めた」と話している。
キム・サンミン記者
パク・ジンヨン記者