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抜てき!貴審判部長「公明正大目指す」

 新職務への意気込みを語る貴乃花審判部長(左端)(撮影・園田高夫)
 新職務への意気込みを語る貴乃花審判部長(左端)(撮影・園田高夫)

 「日本相撲協会臨時理事会・評議員会」(20日、両国国技館)

 日本相撲協会は20日、両国国技館で臨時理事会と評議員会を開き、放駒理事長(元大関魁傑)体制における新しい職務分担を決めた。相撲教習所長を務めていた貴乃花理事(38)=元横綱貴乃花=が、史上2番目の若さで審判部長に抜てきされた。放駒理事長は就任当初、大きな人事異動をしない方針を打ち出していたが、二所ノ関理事(元関脇金剛)を広報部長、村山弘義外部理事(元東京高検検事長)を新設した副理事長とするなど、大ナタをふるった。

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 新人事の中でも注目度は随一だ。貴乃花審判部長が所信表明をした。「今後は番付編成、勝負判定を含めて公明正大を目指していきたいと思います。お客さまが、より観戦を楽しんでいただけるような、的確な判定を志したいと思います」。表情は崩さず、一気に思いを吐きだした。

 12日に38歳になったばかりで、審判部長のポストができた1968年以降、35歳11カ月の出羽海親方(元横綱佐田の山)に次ぐ若さとなった。放駒理事長は「若いからいろいろ経験してもらいたい。審判部が一番いいのではないか。(抜てきと)取ってもらって構わない」と期待を寄せた。

 今回の人事は、健康面の問題を抱える武蔵川前理事長(元横綱三重ノ海)の処遇がきっかけとなった。伊勢ノ海親方(元関脇藤ノ川)を副所長に据え、バックアップ態勢を整えた上で教習所長へと異動。押し出された形の貴乃花親方は、08年2月から09年1月に副部長の経験がある審判部が適任と判断された。

 副部長時代の08年春場所では、手つき不十分の朝青龍を「これ以上ひどくなれば、部長から話が出る」とけん制したこともある。「私自身も土俵に立ってきた元力士ですので、集中力を高めて審判席に座りたいと思います」。美しい土俵と白熱した相撲の実現へ、早くも気合は十分だ。

(2010年8月20日)
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