<セガ復活の足音 その2>
札幌からやってきた女神、
彼女の名は「初音ミク」
海外だけではなく、国内でも"強いセガ"復活の兆しが見えている。セガに起きていることを確認するためには、秋葉原のゲームセンターに行くのが一番早い。どこの店舗も不況のあおりを受けているなかで、ひときわ人気を集める筐体(ゲームセンターにあるマシンのこと)がある。セガの「初音ミク Project DIVA Arcade(はつねみく プロジェクト ディーヴァ アーケード)」だ。
「初音ミク Project DIVA Arcade」は前述したとおり、セガのアミューズメント事業の業績を牽引するヒット筐体の一つ。そして、初音ミクとは、札幌のサウンド素材メーカー「クリプトン・フューチャー・メディア」(札幌市中央区、伊藤博之社長)から発売された、ヤマハの音声合成ソフト「ボーカロイド」用の人気キャラクターのこと。ユーザーは、このソフトを使って、初音ミクに好きな歌を歌わせることができる。
ちなみに、ソフトの発売から3年が経とうとしているが、その人気はいっこうに衰える気配がない。
同社の山下滋取締役(国内リージョン統括)も「『初音ミク Project DIVA Arcade』はプレイを待つお客さまの列が常に絶えないほどの大変な人気になっている。本当に、彼女の活躍にはありがたい思いでいっぱいです」と、札幌からやってきた女神の活躍を笑顔で語る。
筐体だけではない。
家庭用ゲーム機ソフト「初音ミク Project DIVA2」(プレイステーション・ポータブル用)も発売初週で20万本を突破、ゲームセンターの初音ミクをあしらったUFOキャッチャー用プライズ景品群も「非常に出来のよいプライズでファンの皆様にも好評。たいへん好調に売上が推移している」(山下取締役)という。
現在のセガはまさに「神様、仏様、初音ミク様」という状況のようだ。
また、セガが手がける他社IP系ソフトとしては他に、9月30日発売予定の「けいおん」がある。
こちらも、大人気テレビアニメ初ゲーム化ということで、順調に受注数が伸びているようだ。今年のセガは他社IP人気が牽引するのかもしれない。