最近、私はセガに行きたいといってくださる学生の皆さんのお話を伺う機会も多いのですが、皆さん『セガは好きなことをやらせてくれるから』とおっしゃいます。たしかにセガは皆さんもご承知の通り、開発者マインドを大切にする会社です。今後もその姿勢は変わりませんが、今後、開発者は開発マインドだけではなく、ビジネスマインドも意識しながら、開発にあたって欲しいと思っています」。
開発マインドとビジネスマインドの両方が組み合わさった好例として、山下取締役が挙げるのが、同社開発トップの名越稔洋R&Dクリエイティブオフィサーが手がける「龍が如く」シリーズだという。
「『龍が如く』はたくさんのファンの皆様に愛されており、9月22日発売予定のPSP用新作『クロヒョウ 龍が如く新章』もおかげさまで順調に予約が入っています。名越の熱い思いが伝わる力作に仕上がっているので、ファンの皆様にはぜひご期待いただければと思います」。
従来のセガといえば、いいモノを作るためには採算度外視も辞さないなど、利益とコストのバランスの悪さで有名だった。だが、最近のセガは、企業として当たり前のコスト管理をすることで、復調しつつあることが山下取締役の言葉から伺える。つまり、セガは、できない子、ダメな子ではなく、本当に文字通り"やればできる子"なのだろう。
里見会長がいう「エンタテインメントという名の文化がもたらす感動」を、コストとのバランスをとりながらどれだけの世界中の人々に届け続けることができるか。"強いセガ"復活へ向け、社員のより一層の意識改革が迫られている。