大手スーパーのイトーヨーカ堂が中国から輸入したうなぎについて、元社員らが輸入元の表示を偽って転売したとして逮捕された事件で、流通にかかわった2つの会社の間でイトーヨーカ堂の名前を出さないようにすることなどを約束した文書がイトーヨーカ堂の本社から見つかっていたことが警察への取材でわかりました。警察は一連の取り引きがどのように把握されていたのか調べることにしています。
この事件は平成15年から17年にイトーヨーカ堂が中国から輸入したうなぎの一部について、東京・三鷹市の「高山シーフード」が東京の「日洋」を通じて買い取ったあと、みずからが輸入元と表示を偽った段ボール箱に詰め替えて転売し、流通させた疑いが持たれているものです。警察は18日、イトーヨーカ堂の食品海外部マネージャーだった石原荘太郎容疑者(58)と、高山シーフードの社長、高山智廣容疑者(54)ら6人を食品衛生法違反の疑いで逮捕しました。警察によりますと、高山シーフードと日洋の間では、▽イトーヨーカ堂の名前を出さないことや、▽箱を詰め替えることなどを約束した文書が交わされていたということで、この文書が去年12月にイトーヨーカ堂の本社から見つかっていたことが警察への取材でわかりました。これは、このうなぎが転売された先の横浜市の業者が賞味期限を改ざんした疑いがあるとして摘発された事件の関連先としてイトーヨーカ堂の本社を警察が捜索した際に見つかったということです。警察は、一連の取り引きについてイトーヨーカ堂がどのように把握していたのか調べることにしています。イトーヨーカ堂は、これまでのNHKの取材に対し、「会社として段ボールの詰め替えは指示していないし、法律に違反する行為は一切行っていない」などとしています。