やあ。
俺は猫だ。
どこにでもいる何の変哲もない三毛猫だ。
オスの三毛猫というのは遺伝上は不可能であり、その時点で何の変哲もないというのは嘘になるが・・・
すまん。
少し冗談が過ぎた。
ちゃんとした人間だ。
ただほとんどの時間を変身魔法で猫になってるからそういっただけだ。
ほとんどの時間を猫の姿をしているのにはちゃんと理由がある。
ただその姿でいるのが好きだからというのもあるがそれよりももっと大きな理由がある。
それを話すにはまず俺の体質を話しておかなければいけない。
俺は不老だ。
これは何の冗談でもなくまぎれもない事実だ。
何千年もの昔に存在したアルハザードという国・・・いや世界というべきか。
その世界で研究されていた技術の中に不老がある。
俺はその研究の唯一の成功例というわけだ。
俺はアルハザードで体をいじられ実験される毎日だったがあるときベルカという国との戦争でアルハザードが滅びて助け出された。
だから俺はベルカに恩義を感じ、ベルカ式の魔法を使いベルカのために尽くしてきた。
少し話がそれたな。
ここですこし勘違いをしているやつがいるかもしれないのでいっておく。
俺は不老と言っても不死ではない。
だから俺は怪我をすれば血が出るし死ぬときはちゃんと死ぬ。
だがその不老が問題なのだ。
その不老のシステムでは常に魔力を消費する。
その量は使い魔を使役するのとは違い自然回復量をも上回る。
それも俺の魔力を一週間で空っぽにしてしまうという速度だ。
俺の魔力量は不老により何千年も生きているため通常時で500万を超える。
この数値を見て一週間で空っぽにしてしまうという速度が尋常でもないというのが理解いただけただろうか。
しかしその速度も猫に変身すると減る。
それも自然回復量のほうが上回るほどに。
なぜ猫になるとこんなに減るのかは不老の仕組みがあまり理解できていないために謎が多い。
しかも犬や鳥ではだめだった。
これは俺自身の永遠の謎だな。
これで常時猫でいる理由は理解いただけたかと思う。
言い忘れていたが俺の名前は島田闘也。
ベルカにいたころは「トーヤ」とだけ名乗っていればそれで済んだので自分のファミリーネームは忘れてしまった。
しかしこの世界――第97管理外世界にいるときにはファミリーネームが必要になってくるので滞在先の日本という国のなかから適当に選んで決めた。
年齢は不老により永遠の9歳。
つまりはエターナル正太郎もしくは合法ショタだ。
使用する魔法は先ほど話したように古代ベルカ式。
よくこのチート魔力量からとても強いと勘違いされるがそれは違う。
魔力量が増えるにつれて逆に魔法の使用効率が低下しているのだ。
今では最低限の魔力弾1発生成するのに大型砲撃数発分もの魔力を消費する。
そこから実用段階まで威力を上げようものならさらに消費する。
まあベルカ式ならばほとんど支障ないのだが。
得物は長剣と短剣の中ほどの長さのナイフの二刀流。
少し長めのダガーナイフを想像してもらえればいいだろう。
それを使ったヒットアンドアウェーの戦法が俺の戦闘スタイルだ。
まあ戦闘などここ地球では関係ないことではある。
容姿は身長135cm体重40kg後ろに肩甲骨ほどまでに伸ばした黒髪に女の子以上に女の子らしい顔つき。
俗に言う男の娘だ。
猫以外の姿で人前に出るのはまずないので間違われたことはない。
家族は使い魔と書いて嫁が1人と娘が1人。
使い魔の名前はリニス。
ベースは猫。
ミッドチルダの南のほうでよく見かけていたのを覚えている。
べっ別にたまたま行った先でリニスの猫モードを見て一目惚れをして通ってたわけじゃないんだからね。
リニスは主人との契約が終わって後は消えるのを待つだけというところをフェイトという子供の成長を見守るという条件で再契約したのだ。
契約するまでは家事はわざわざ人の姿に戻ってやっていたのだが今ではリニスがやってくれるので助かる。
しかし自分で言うのもなんだが使い魔が人の姿で家事をして、その主人が猫の姿でごろごろしているというのはなんともシュールな光景だ。
リニスは俺の嫁である。
といってもこちらが勝手に妄想しているだけでリニスはそれを知らない。
でもいずれかは告白をしたいと思っている。
愛の前に種族や立場の違いなど関係ないのだ。
ひとつだけ行っておくが人の姿にほれたわけではない。
俺は猫の姿も含めてリニスにほれたのである。
どちらかといえば猫の姿のほうがいいっていうのは秘密である。
1人娘の名前はアリシア。
娘といっても別にリニスとやったわけではない。
リニスと契約するよりも前に小規模次元振を伴なった爆発があったので見に行ったら偶然瀕死のアリシアを見つけてしまったのだ。
アリシアの状態はとてもひどく現在のミッドの技術では助からない状態だった。
しかし仮にも自分はアルハザードの遺産でありその当時の今よりも高度な文明の技術を持っている。
家につれて帰り専用の装置を使って治療すれば時間は掛かるものの治すこと自体は造作もないことだ。
そしてそんな状況において自分の良心が許すはずもなくつれて帰って治療をしたわけだ。
目覚めたのはリニスと契約をしてすぐ後のことだ。
そのときのリニスの驚き様はいろいろとすごかった。
ちゃんと説明したら納得してくれたのだが「あなたの行動で何が起きても驚きません。」とまで言われてしまった。
しかしその連れ帰るときに問題があった。
自分の存在が公になるのはまずいのだ。
だがそのときの爆発は魔力的なものでアリシアの肉体が消滅するとは考えられない。
そこで今のミッドの技術では見破れないほどのコピー人形を作りおいておいたので問題はないはずだ。
目覚めてから家に帰そうにも以前家があった場所にはすでに家はなくうちで預かっているのだ。
アリシアは少々活発が過ぎるが手のかからないいい子だ。
相手をしているこちらも楽しくなってくる。
これが親心というものなのか。
見つからなければいずれは養子にでもと思っている。
最後はアリシアに判断をゆだねることにはなるだろうが。
いま――2005年の春をその三人で過ごしている。
家は海鳴のはずれのほうに大きなビルとして立っている。
外から見ればどこかの事務ビルと見間違えそうな見掛けをしているが立派な自宅だ。
ビルは地上10階地下2階建てである。
地下2階を模擬戦のための施設、地下1階を魔法関連の研究施設としている。
人間探究心は大切で週に3日はわけのわからない研究をしているが、模擬戦用の施設なんて本当に必要だったのか設計した自分でも疑問である。
1階は駐車場でさまざまな用途の車が5台は止まっておりそれでもまだ5台の空きスペースがある。
2階は多目的ルームで映画を見たりカラオケなども出来るようになっている・・・いまだに一度も活用はされていないが。
3階を一般居住スペースとなっており家にいるときの大半をここですごす。
4階は丸々厨房で無駄なスペースとなっている。
リニスや時たま俺しか立たないのに一流レストラン並みの設備なんていらない気がする。
5階は各人の個人部屋があり一クラス分の子供を招いてもいいようになってるこれまた無駄な設備。
6~9階はすべて倉庫であり入ってるものは全体の20%ほどしかないとやはりこれも無駄な設備。
10階は個人用のヘリが入っている。
出動したのはまだ1、2回ほどしかないが・・・
あらためて自宅を見直すとほとんどの設備が無駄だな。
ちなみにエレベーターもちゃんとついている。
それも地下2階から10階に上がるのに2秒ほどしかかからない高速なやつを。
これだけの豪勢な暮らしを出来るのには理由がある。
じつは管理局すら見つけていない世界を俺は知っている。
その世界の地球ほどの大きさの惑星の地殻部分の約10%が金銀白金で出来ており、50%が地球やミッドチルダで言う希少金属なのだ。
ほかにもいろいろあるがそれを売ることでこれだけの財を成しているのだ。
正直あと200~300年は遊んで暮らしていける。
そんな平穏のなかで暮らしていてあの日あんな出来事になるなんて・・・
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オリ主紹介でした
次回からはちゃんと会話文が入った普通になると思います
正直なところ思いつきでやったためオリ主の設定だけ出来ていてどう話しに絡めて行くかとかまったく考えてありません。
本当に続くのかなこれ・・・