福井大医学部の地域医療推進講座は、県内で働く医師を増やすため、研修医の受け入れ病院に「出前講座」を始めた。小浜市の公立小浜病院では18日、研修医を含む医師や看護師ら約80人が受講した。
研修医の教育の質を高めるのが目的で、内容は受け入れ先の病院が要望する。月1~2回で、同病院ほか福井市の福井赤十字、済生会▽敦賀市の敦賀病院の計4病院である。
この日、小浜病院では総合医療の第一人者として知られる寺沢秀一教授が、豊富な臨床経験をもとに救命救急での心得を説いた。食中毒で受診した家族の中に、子宮外妊娠の患者がいた事例などを挙げ、「先入観は救急の最大の敵。必ず丁寧に話を聞くこと」などと具体的な内容だった。
寺沢教授は「講座によって病院同士のつながりも良くなる可能性があるし、県単位で協力して研修医を育てた方が地域の医師は増えるはず」と話した。
小浜病院での出前講座は院外からも参加できる。次回は9月15日午後5時半から、寺沢教授の救命救急の講義がある。問い合わせは同病院研修管理委員会事務局(0770・52・0990)。【高橋隆輔】
毎日新聞 2010年8月21日 地方版