口蹄疫:民間牛の処分求め「是正指示」…農相、14日にも

2010年7月13日 21時3分 更新:7月14日 1時30分

東国原英夫・宮崎県知事との会談後、記者会見する山田正彦農相=農水省で2010年7月13日、武市公孝撮影
東国原英夫・宮崎県知事との会談後、記者会見する山田正彦農相=農水省で2010年7月13日、武市公孝撮影

 宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、殺処分前提のワクチン接種を実施した地域内で接種を拒否した高鍋町の農家の種牛6頭について、山田正彦農相は13日、県に対し地方自治法に基づく「是正指示」を出して殺処分を求めることを決めた。山田農相はこの日、農林水産省で東国原英夫知事と会談し殺処分を求めたが知事は種牛を県が無償で譲り受けた上での助命を要望。指示に知事が従わない場合、農水省は代執行の手続きに入る。

 ◇県拒否なら代執行

 是正指示は14日にも出す。総務省によると、国が地方自治体に対して地方自治法に基づく是正指示をするのは初めて。

 東国原知事は6月、口蹄疫対策特別措置法に基づき、この農家に対し種牛の殺処分を勧告。しかし、農家は「種牛は公共性がある」などとして県に無償譲渡した上での助命を知事に求め、県も助命を求めるようになった。

 農家は県が高鍋町などの県央部に設定した移動・搬出制限区域内にある。国は「県が制限区域を指定したため、国が県に代わって区域内の家畜の強制殺処分はできない」として、地方自治法に基づく是正指示を出すことを決めた。

 問題の種牛が殺処分・埋却されれば、移動・搬出制限区域は16日に解除の予定だが、農水省は種牛が生きていれば解除を認めない方針。しかし、東国原知事は協議後の会見で、県の独断で解除する可能性にも言及した。その場合、農水省は制限を解除しないよう県に指示を出すという。

 会見で東国原知事は「国は頭が堅い」と農水省を批判。助命を求める理由として▽種牛6頭は目視検査で感染が認められない▽農家の周囲に家畜がいない▽県の種牛が5頭しか残っていない▽県がワクチン接種農家に実施した調査で助命を求める意見が多かった--などを挙げ「残すべきだ」と述べた。一方、山田農相は会見で「例外を認めるわけにはいかない。(認めれば)国家的危機管理ができなくなる」と述べた。【佐藤浩】

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