2010年7月13日 2時30分
政府・与党は12日、11年度予算の概算要求の基本方針で、社会保障などを除く政策的経費について各省庁に一律で要求額の削減を求める方向で調整に入った。削減額は前年度予算の1割程度を軸に検討しており、削減によって確保した財源を成長戦略に沿った新規事業や、社会保障の自然増加分の吸収に充て、財政規律と成長戦略の両立を図る。
削減の対象となるのは、社会保障費と地方交付税を除いた政策的経費で、10年度予算では約26兆円。うち、経済危機対応・地域活性化予備費(1兆円)を除いた約25兆円分について、概算要求段階で1割程度のカットを求める。
この結果、浮いた2兆円強で社会保障費の自然増加分(1.3兆円)を賄うほか、残りの1兆数千億円を医療や介護、環境などの成長分野の重点予算枠として活用する。さらに、目標削減額を上回った場合には、優先的に成長枠の予算を配分するインセンティブを付ける考えだ。
10年度予算では、概算要求基準(シーリング)を廃止したことで要求額が95兆円まで拡大、歳出膨張の一因になった。11年度予算は国債費を除く歳出を10年度の水準(約71兆円)以下に抑えることを決めている。【谷川貴史、坂井隆之】