社会
民族文化尊重し定着 在日コリアンデイサービス
「ハナの会」で食事前の体操をするデイサービスの利用者ら=神戸市長田区若松町 |
在日韓国・朝鮮人らを対象にした神戸市長田区のデイサービスセンター「ハナの会」が今年、開所から5年を迎えた。故郷の文化を尊重した居場所として定着する一方、深刻な高齢化への対応が課題に。運営するNPO法人神戸定住外国人支援センターは「違う国で生きてきた少数者の存在を認める社会であるべきだ」と指摘する。日本が朝鮮半島を植民地とし、在日社会ができる要因となった韓国併合から22日で100年となる。(石沢菜々子)
デイサービスは、1999年から続いていた在日の高齢者と若者が交流する食事会を発展させ、2005年に始まった。今年6月からは平日に加えて土曜も開設し、1日約20人が利用する。
慣れ親しんだ味や文化に安心感を求める人が多く、民族料理の提供や舞踊のレクリエーションがある。利用の大半は女性。貧困や男尊女卑の考えから未就学の女性がおり、識字の時間も設けている。
利用者は市内の広範囲に及ぶが、同センターが採算を考えずに送迎している。国民年金法に82年まで国籍条項があった影響などで、無年金状態の独居者が多い。介護保険を利用した場合の1割負担も生活に響くという。
在日社会の高齢化も進む。同センターは昨年から居宅介護支援事業と訪問介護事業も始め、在宅での生活を支援する。それでも、認知症などで一人暮らしが難しい高齢者が出ている。
「差別を受けることなく、最後まで安心して暮らせるグループホームの必要性も感じている」と同センターの金宣吉(キムソンギル)代表。在日100年の歴史を踏まえ「今も自分たちで居場所をつくるしかない。多文化共生社会を実現するには、さまざまな文化を尊重する感性が必要だ」と日本社会のあり方を問いかける。
(2010/08/20 16:03)
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