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熱くないアイロン 九電が2年後にも発売 IHの原理

2010年8月21日8時0分

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写真:熱くないアイロンの試作機。下のアイロン台が発熱する=18日、福岡市南区の九州電力総合研究所熱くないアイロンの試作機。下のアイロン台が発熱する=18日、福岡市南区の九州電力総合研究所

 九州電力が、熱くならないアイロンを開発した。調理器具の「IHヒーター」の原理で、本体ではなくアイロン台に発熱させる。機械メーカーと提携して量産し、2012年度にも発売する。本体と台とのセットで1万円以下に抑えるという。

 コイルを内蔵したアイロン本体に電気を通して、電流の渦を発生させる。この渦を使って、ステンレス素材にカバーをかけたアイロン台に発熱させる仕組みだ。鍋ややかんのように熱くなるアイロン台の熱で衣類などのしわを伸ばす。本体は高熱を帯びない。

 福岡市内の保育所から「子どもがやけどしないアイロンは無いものか」という相談が顧客窓口にあり、九州電力総合研究所が開発に着手。IHヒーターの仕組みを応用し、アイロンに最適な熱の管理や素材選びで実験を重ねた。

 完成に近づいた試作機では、アイロン台が約3秒で120度の熱さになるため予熱は不要。本体の電源を切れば、内蔵した冷却ファンが作動して台は約6秒で60度以下になる。子どもがやけどするリスクを小さくできるという。消費電力も、従来品が約1千ワットなのに対して300ワット程度ですむ設計だという。

 霧吹きの機能を加えるなどスチームアイロンの役目も果たす工夫をほどこし、小型化を進めて商品化する。福岡市内の無線機器メーカーと、量産化と低価格化の検討中だ。総合研究所の大熊康彦研究員は「小さな子どもがいる家庭でも安心して使ってもらえる商品をつくりたい」と話す。(大畑滋生)

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