男子100メートル背泳ぎ決勝で2位に入り、声援に応える古賀淳也=アーバイン(共同)
「競泳パンパシフィック選手権第1日」(18日、アーバイン)
男子100メートル背泳ぎで昨年の世界選手権を制した古賀淳也(23)=スウィン埼玉=が53秒63で銀メダルを獲得した。入江陵介(イトマンSS)は4位で、五輪2連覇のアーロン・ピアソル(米国)が53秒31で優勝した。女子100メートル背泳ぎは寺川綾(25)=ミズノ=が59秒59の自己最高記録で2位に食い込んだ。男子200メートルバタフライで北京五輪銅メダルの松田丈志(東海SC)が1分54秒81で3位となり、同五輪8冠のマイケル・フェルプス(米国)が1分54秒11で金メダルを奪った。
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記録は物足りない。だが、世界王者としての気概を感じさせたレースだった。男子100メートル背泳ぎで銀メダルに輝いた古賀は「タイムうんぬんよりも結果が出てよかった」と笑顔を見せた。
第7コースからのスタートだったが、ひるむことなく積極果敢に飛び出した。抜群の反応からのドルフィンキックで加速した。前半50メートルを「思い通り」の25秒99で2番手で折り返した。残り25メートル付近から少し泳ぎが崩れたものの、五輪王者ピアソルに次いでゴール板をたたいた。
大会前の米アリゾナ州での高地合宿で腰を痛め、風邪もひいた。優勝した昨年の世界選手権よりも3キロ重い75キロで臨んだが「腕と胸回りの筋肉が増えたし、デブの方がスプリントがいい時がある」と持ち前のプラス思考を働かせた。実際「調子が階段を上るように上がっていった」という。根っからの勝負師が戦前不利の下馬評を覆した。
(2010年8月19日)