ひったくり高校生３００万円使い切れず

　大阪府警少年課は２０日、現金約３００万円入りのかばんをひったくったとして、窃盗容疑で大阪府吹田市在住の私立高１年の男子生徒（１５）＝別の窃盗容疑で逮捕＝を再逮捕、同市在住で同級生の男子生徒（１６）を新たに逮捕した。２人は容疑を認め「（多額の現金に）びっくりした。金は折半した」と供述。ともに奪った金を使い切れず、一方は友人に分け与え、もう一方は怖くなって自宅ベランダで紙幣を燃やしていた。

　少年課によると、逮捕容疑は５月１８日午前５時ごろ、吹田市朝日町の路上で、飲食店手伝いの女性（６４）の自転車の前かごから手提げかばんを盗んだ疑い。自転車を２人乗りして接近し、女性を転倒させ、かばんだけを盗んで逃げた。女性に大きなけがはなかったが、かばんの中には店の売上金や生活費など約３００万円が入っていた。かばんは同市内の用水路に捨てられており、「おそらく少年らが取り忘れた」（同課）現金２３万円が残っていた。

　少年２人は手にした現金を約１３５万円ずつ折半。使い道について１５歳の生徒は「携帯電話、ゲーム機やソフトを買った。遊びに行くときにはタクシーを使い、約６０万円は友達にあげた」と大盤振る舞いしていたと供述。一方、１６歳の生徒は「約２０万円は使ったが、残りは怖くなって自宅のベランダで燃やした」としている。

　２人は犯行当時、夜通し遊んだ後で、動機については「パチンコ代が欲しかったから」と供述。“小遣い稼ぎ”の感覚で犯行に及んだとみられるが、ひったくったかばんの中に予想をはるかに上回る現金が入っていたため、ともに「びっくりした」と本音を漏らしているという。荒っぽい手口とは裏腹、使い切れないほどの大金を手にして急におじけづいたようだ。

　１５歳の少年は今年６月にも、早朝の吹田市内で原付バイクを２人乗りし、自転車に乗った男性会社員（７０）の後ろかごから約１万６０００円相当のデジタルカメラが入ったかばんをひったくり、吹田市在住の府立高１年の男子生徒（１５）とともに窃盗容疑で逮捕されている。

（2010年8月21日06時02分  スポーツ報知）

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