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「葬式代なかった」母親の骨を砕いて持ち運ぶ
部屋から三石菊江さんとみられる白骨化した遺体が見つかったアパート
Photo By 共同 |
高齢者の所在確認のあり方が全国的に問題となる中、東京都大田区羽田のアパートで、生きていれば104歳となる女性とみられる白骨化した遺体が見つかった。細かく砕かれた骨だけの状態で、リュックサックに入れられていた。長男(64)は「母親は約9年前に死んだ」と説明。6年前に大田区に引っ越した際に「持ち運びしやすいように砕いた」と話しているという。
大田区職員は12日に、生きていれば104歳となる三石菊江さんの所在確認をしようとアパートを訪問。長男は当初「母親は元妻がいる新潟県に行っている」としていた。しかし、調査の結果、三石さんが新潟にいなかったことを伝えると、長男は19日に区役所を訪れ「母親は既に死亡していて骨を持っている」と話したため発覚した。
同日、大田区から届けを受けた警視庁蒲田署員が調べたところ、部屋の端の衣装ケースの裏に隠すように置かれていた赤色系のリュックサックの中から、ビニール袋に入った白骨化した遺体を見つけた。
以前は文京区大塚で土地を借り2人で暮らしていたという長男。同署に対し、「2001年6月12日、帰宅したら95歳の母親が布団の中で死んでいた。においがし始めたので布団にくるんで押し入れに入れた」「04年5月、大田区に引っ越す数日前、ミイラ化したので風呂場できれいに洗った。持ち運びしやすいように骨を細かく砕き、引っ越しのときリュックに入れて持ってきた」と説明している。捜査関係者は「頭がい骨とあごの部分はしっかり残っていた。そこまでは、砕けなかったのではないか」と話した。
長男は死亡届を出さなかった理由について「葬式代がなかった」とし、「借地代が払えなくなった」ことから、三石さんの分とともに大田区に転入届を提出したという。
三石さんには04年4月まで、文京区から老齢福祉年金が支払われており、長男は不正受給を認めている。総額で計117万円にのぼるとみられる。また、大田区が100歳以上の人に支給する長寿者祝い金は07年から09年までの3年間で計15万円受け取っていたが、同区での老齢福祉年金受給の申請は提出していなかった。現在無職で、生活保護を受給している。
蒲田署が司法解剖した結果、死因は不明で死後数年以上が経過。同署はDNA鑑定をして身元の特定を急ぐとともに、年金を不正受給していた詐欺の疑いでも捜査する。
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