記事入力 : 2010/08/20 11:18:03
国璽めぐる「金の印鑑ロビー疑惑」、泥仕合の様相に
新国璽(こくじ=国家の象徴として用いる印)製作の際に失われた純金が、金の印鑑として政界関係者に渡ったという疑惑が浮上し、「金の印鑑ロビー事件」の波紋が大きくなる様相を呈している。金の印鑑が渡された人物としては、2007年当時の与党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員ら政治家二人と、当時の崔良植(チェ・ヤンシク)行政自治部(現・行政安全部)第1次官ら官僚二人が挙がっている。
行政安全部は19日、「新国璽製作で浮上した各種疑惑を一掃するため、警察に捜査を依頼し、金の印鑑を受け取ったという官僚を含むすべての関係者について、監査を行いたい」としている。
これまで国璽製作に参加したイ・チャンス氏(46)らは、「07年に第4代国璽製作団長を務めたミン・ホンギュ氏(56)が国璽を製作し、残った金約200匁を着服、このうちの一部で金の印鑑を製作し、政界関係者に渡した」と主張した。ミン氏はこれに対して、「わたしを陥れようとするためのシナリオで、事実無根」と反論した。
現・慶州市長の崔元次官はこれについて、「国璽が製作された後に印鑑を受け取った。だが、50万ウォン(約3万6000円)ほど謝礼を渡しており、金の印鑑であるかどうかが分からないため、成分分析を依頼したい」と語った。鄭議員は「印鑑は受け取ったが、材質が金だということはまったく知らなかった」と述べた。
行政安全部監査官室の関係者は、「もし、業務上関連のある公務員が見返りとして200万ウォン(約14万6000円)相当の金の印鑑を受け取ったことが判明すれば、罷免、解任など重い懲戒処分となる」と説明した。
今回の疑惑により、国璽製作と管理を担当した行政安全部は、誠実に役割を果たせなかったとして、非難を免れ得なくなりそうだ。
キム・ソンモ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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