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反戦手記を合唱組曲に 写真家・後藤さん、名取で9月披露
| 合唱組曲「おじいちゃんから孫たちへ」の練習に熱が入るメンバー=仙台市荒町市民センター |
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仙台市青葉区の写真家後藤東陽さん(85)が戦争体験をつづった手記が合唱組曲になり、名取市で9月に開かれる「第54回国鉄のうたごえ祭典inみやぎ」で披露される。宮城のうたごえ協議会所属の合唱団などが現在、本番に向けて練習に打ち込む。祭典の実行委員会は、より広がりのある催しにしようと歌い手を募っている。
手記は、後藤さんが代表を務める「みやぎ憲法九条の会」発行の冊子「語りつぐ『私の戦時体験』仙台空襲」に掲載されている。「おじいちゃんから孫たちへ」と題した組曲は4曲構成。岩沼市の作曲家小林康浩さん(42)が曲を付け、語りも含めて演奏約20分間の混声合唱曲にアレンジした。 後藤さんは小学校を卒業してすぐ旧国鉄で働き始め、19歳で軍に召集されて仙台空襲に遭った。1曲目は後藤さんが元兵隊から聞かされた日本軍による中国人への蛮行を歌う。3曲目の「兵隊になったおかげで」は、救護に奔走する医師と看護師の姿を目の当たりにし、軍の命令にそむいて市民の避難誘導に当たった経験を描く。 終曲は「今も私が願うのは、戦争を忘れずに命を何より大切に生きてゆくための平和な世界」と力強く結んでいる。 後藤さんは「戦争を美化する風潮に危機感を覚える。手記が合唱曲に生まれ変わったことで、平和へのメッセージが広く伝わるといい」と語る。小林さんは「言葉の意味を大切に作曲した。当日の大合唱が楽しみだ」と期待を膨らませている。 うたごえ祭典の実行委員会は約200人による合唱を目指し、終曲の歌い手を募集している。25日午後7時から、太白区文化センターで合同練習を行う。 全国の鉄道員が集まる祭典は9月4、5の両日、名取市文化会館で開催。組曲は5日午後1時半開始の大音楽会で披露される。入場料1000円(中学生以下無料)。連絡先は実行委員会022(261)5280。
2010年08月20日金曜日
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