【瀋陽=西村大輔】中国遼寧省撫順で北朝鮮軍の戦闘機が墜落した事故で、中国の新華社通信は19日、関係当局の調査の結果、戦闘機が何らかの故障のために方向を失い、過って中国領空内に侵入して墜落したことが判明したと報じた。北朝鮮側は、今回の事故について中国側に遺憾の意を表明したという。
関係筋によると、機体は同日午前中までに中国当局によって分解され、搬送されたもようだ。戦闘機は17日午後にトウモロコシ畑に墜落。その直後から、軍や警察当局が警備態勢を敷き、関係者以外の出入りを禁じている。18日に中国空軍関係者ら多数が現場に到着。徹夜で現場検証や解体を続けたらしい。中国当局が事故原因を詳しく把握するには機体の詳しい分析が不可欠だが、軍事機密にかかわるため北朝鮮側が難色を示しているとの情報もある。中国外務省に北朝鮮大使らが訪れるなど、今後の事故処理をめぐり協議しているもようだ。