前原国交相「金融当局は強いメッセージを」

　円高で景気が腰折れする懸念が出ていることに関連して、２０日の閣議後の記者会見で閣僚から日本銀行の対応の遅れを批判する声が相次いだ。

　来週には菅首相と日銀の白川方明総裁の会談が予定されており、追加の金融緩和などへの市場の期待がさらに高まりそうだ。

　玄葉公務員改革相（民主党政調会長）は、「（景気回復の遅れは）基本は円高の問題だ。原因はＦＲＢ（米連邦準備制度理事会）と日本銀行の姿勢の違いだ」と述べ、日銀が追加の金融緩和策に踏み切らなかったことが円高の要因との認識を示した。ただ、日銀が取るべき具体策については「様々な手段がありうる」と明言を避けた。

　一方、前原国土交通相も「緊急経済対策の前に、財務省と（日銀など）金融当局が行き過ぎた円高に強いメッセージを発するべきだ。各国と連携して、具体的な財政金融政策をとることが大事」と述べた。前原国交相の発言は、円売り・ドル買いの市場介入を通じて、政府・日銀が円高是正へ強い姿勢を示す必要があるとの認識を示したものだ。

　ＦＲＢは１０日、買い入れた住宅ローン担保証券（ＭＢＳ）や政府機関債の償還資金を米国債に再投資する追加の金融緩和策を決めた。このため、菅首相と白川総裁の会談に向けて、市場関係者の間には、日銀が追加の金融緩和策に踏み切るとの観測が出ている。