2009年11月17日

最近よく見るコピペを嗤う


 まず、事情を知らない方は、このあたりを一読すべし。

「はてなブックマーク-コミケット77にコミック表現規制派の大規模偵察の可能性があります!」
 http://b.hatena.ne.jp/entry/blog.goo.ne.jp/kotoba_mamoru/e/035204a29f287c99702af442d345e347

 はてブでは、リンク先に対する批判的なコメントもあって、多少はホッとしたけど、これは酷い。

2、成人向け表記や修正は安全性を最重視すべき。 → 気持ちはわかりますが、最低でも印刷所の指示は守りましょう。
印刷所の指示に頼るの?
なにか事が起こった時には、印刷所に責任を転嫁する気なの?
まず、なぜ成人向け表記や修正が必要なのか、なにより「表現には責任が伴う」ことを、根本から理解することが必要なんじゃないのか。


3、そして、明らかにオタクではない人間に要注意!
場に不相応な、インテリそうな中年男性やオバサンの集団などが、無闇に写真を撮っている、ノート・手帳などに記入している等、怪しい人物を見かけたら、不審者として近くのスタッフに通報を。
くれぐれも慌てず冷静に対処しましょう。

これは、呆れる。そもそも「来る者は拒まず」のコミケの理念を全く理解していない。幼稚な排外主義そのものである。
70歳近いサークル参加者がいるのは、よく知られているし、報道などで興味を持ってやってくる人の数も増加している。そうした人たちを
「明らかにオタクではない」として、白い目で見ろというわけだ。

 なにより、興味深いのは、このコピペをこれまで「規制反対派」と称してきた人々が、率先して伝播させていることである。そもそも、
この文章を誰が起草したのか調べてみたが、どうも「2ちゃんねる」が発信源のようだ。

2ちゃんねるに貼られる

「規制反対派」を称する人々がML・mixiなどにコピペ

それを見た人が、さらにコピペ

・・・というわけで、現在もコピペする人は拡大している。

 このコピペを拡大させたことで、これまで「規制反対派」を自称してきた人々は、同人誌印刷所の事情はおろかコミケの基本的な理念(というかお約束)すらも、理解していないことを世間に晒してしまった。どちらかというと、コミケに来てはいけないのは「規制反対派」の側だったわけだ。

 そして、無知を晒すと共に、自分たちの意見にそぐわない者は排除しろ、警戒しろ、怪しいヤツをあぶり出せと「規制反対派」を自称しながら、思考は自分たちが批判する「規制派」と同一だったことも、晒してしまった。

 こういうことを記すと「規制反対派」は大いに否定するだろう。なぜなら、彼らは、そうしたことを思考する回路がないのだ。
 『マンガ論争勃発2』において記したように、彼らが興味を持つのは「学習」ではなく「運動」だけ。こうした指摘には、「俺たちの“祭り”を邪魔するな!」と考えるだろう。

 はてブに「インテリそうな中年男性が、保坂前議員だった場合はどうするのかね?」という絶妙なツッコミがあったけど、多分、警戒されるだろうね。なにせ、保坂さんを先頭に「お供の人」が大名行列、ホントに単に後をゾロゾロついてくるだけ。なぜか、保坂さんがやってくる一時間ほど前に聞きつけて駆けつけた私と永山さんが「絵になる写真が撮れねえから、あそこのレイヤーと話してよ、保坂さん」とか、やっておりました。(この問題は、今度、保坂さんに会ったときに聞こう) 

 というわけで、このコピペを流布させることで、自殺行へ旅立った「規制反対派」の今後には、目が離せない。

(昼間たかし)