日本医療の視察のため中国河南省洛陽市の病院長ら6人が18日、県内3病院を訪問し、最新の医療機器や患者向けサービスを見学した。
視察団が訪れたのは、県精神科医療センター▽岡山旭東病院▽川崎医科大付属病院。このうち岡山旭東病院では、病院の理念や経営状況、患者向けコンサートなど病院内の環境について説明を受けた後、院内を見学。担当者ががん検診を行うPET(ポジトロン断層法)センターや、集中治療室、屋上庭園などを案内した。
視察を企画・調整したNPO法人「岡山市日中友好協会」(北区)の松井三平事務局長によると、近年中国では医療への関心が高く、日本の先進医療が注目されているといい、今回の訪日は洛陽市側の要請で実施した。
視察団は5月にも県内を訪れており、さらに年内もう一度来日する予定。日本側からも年内に訪中予定がある。松井事務局長は「国内の医療機関が別の病院を紹介するように、中国の病院が日本の病院を紹介し、日本人患者が中国で漢方治療などを受ける交流ができれば」と話す。
洛陽市衛生局の李仙科長(51)は「中国は経済成長で生活水準が向上し、医療に求める質が高まっている。視察では日本の医療の専門性の高さが印象に残った」と話した。【石川勝義】
毎日新聞 2010年8月19日 地方版