4回目です。



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ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 2−3話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 2−2話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 2−1話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−5話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−4話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−3話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−2話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−1話

ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 イントロダクション






 

「……アルエットさん?」
「うん、わたしよ。ごめんなさい、キュロット君。
 そういうわけなの……。驚いたでしょう?」
「そ……それじゃあやっぱり今の話は本当……。でもどうして?
 あのダークアルエットはいつ現れたんです? なんでご主人様だなんて?」
「ごめんなさい。今は答えられないの」

納得のいかないキュロットはアルエットに疑問をぶつけるが、彼女の口は重い。

「そんなことより今は楽しみましょう? さあ、さっきの続きを……。
 んふぅ……んちゅ……あぁん……ちゅるっ……」

そしてそれ以上の詰問を封じるように、棒立ちのキュロットにしなだれかかると、
下から伸び上がるように唇を重ね、生ぬるい舌をねじ入れていく。

「あ……あるえっと……んぐっ……ちゅっ……」

アルエットの舌がキュロットの舌を絡め取ると、そのまま歯茎をなぞり、頬肉を押し、
口中をたっぷり舐め回すと、今度はアルエットの口腔内へと迎え入れていく。
舌先に意識を集中していると、
めまぐるしく引き回される感覚にたちまち夢見心地になってしまう。
鼻息のみの呼吸は自然と荒々しくなり、
二人は野性に返ったかのように昂ぶっていった。

「ぷはっ……ふぅ……ふぅ……。なんて素敵なキス」
「はぁ……はぁ……アルエット……さん……」

長く激しいキスから解放されたキュロットの表情はすっかり惚けていた。
とろんと濁った瞳に先程の意志の強さは見られない。

(ふふふ……、長いキスで呼吸を止めれば意識は朦朧としてくる。
 ご主人様の教えてくれた通りね)

素早くキュロットの状態を見て取ったアルエットは、より激しく体を押しつけると、
吐息をにじませた甘い声で、さらなる誘いをかけていく。

「ねぇ、キュロット君? つたないわたしだけど精一杯ご奉仕しますから、
 今はわたしに身を任せてくれませんか?」
「……ごっ、ご奉仕!? そ……そんな……アルエットさんがボクに……。
 ぼ……ボクの方こそこういうこと全然経験無くて……慣れてないんですけど……。
 その……、おっ、お願いしますっ!」
「ふふ、ありがとう。どうか緊張しないで。じゃあ下履きを脱がせてしまいますね」
「はっ……そんないきなり……」

力が入らず棒立ち状態のキュロットから
素早くズボンとパンツを引きはがしたアルエットは、
さらけ出されたペニスをまじまじと観察している。

「ずいぶんと可愛らしいオチンチンね。毛も少なくてきれいだわ。
 もっと怖いものかと思っていたけど……」
(プリエ様の逞しいペニスに比べると、同じものとは思えないぐらい小さくて貧相ね。
 なんだか物足りない……)
「あ……あの……ボクの……ちいさい……んでしょうか?」

アルエットのあからさまに微妙な表情にいたたまれなくなり、
キュロットは恥ずかしさをこらえて評価を尋ねてみた。

「あ……ごめんなさい。つい見入ってしまって……。
 いえ、わたしも男の人の性器を見るのははじめてだし……、
 大きいとか小さいとかよくわからないのだけれど……。
 でもこれって……大きく……なるのよね?」
「は……はい」
「どうやったら大きくなるの?」
「そ……それは触ったりして、興奮すると……」
「触ったり……。こうかしら?」
「ふひっ!」

縮こまったペニスを二つの睾丸ごと鷲掴みにされて、キュロットは悲鳴を上げた。

「まあ、嫌だわ。キュロット君ったら変な声上げて……。
 それにしても汗でベチョベチョね。蒸れて湯気が立ってる」
「う……うう……」

アルエットは口では嫌がりながらも、握りこんだ棒と玉から手を離さず、
やわやわとこね合わせるように弄び続ける。
その扱いは熟練の娼婦のように巧みなものであったが、
実は彼女の淫らな行動はすべてダークアルエットの命令に管理されていた。

『……まずは相手の恥部を探し、晒け出すことで羞恥心を煽るのです。
 言葉でいじめながらしっかりと性感を刺激する。
 被虐と快楽をしっかりと関連付けて教え込むことで、
 マゾヒズムを目覚めさせることが出来ます……』

完全に闇の意志の支配下にあるアルエットは優秀で忠実な生徒だった。
脳裏に流れ込むダークアルエットの指示を正確に実行し、
与えられた課題をクリアしていく。

『……徹底的に相手を見下し、立場の違いを教え込みなさい。
 キツい口調で威圧し、軽蔑の視線で自信を奪うのです。
 罵倒を楽しみなさい。弱者を虐待する愉悦を覚えなさい……』

「それにしてもすごい臭いね。汗になにか生臭い変な臭いが混じっているわ。
 顔を近づけていると鼻が曲がってしまいそう。
 キュロット君、ここ、ちゃんと洗ってないの?」

アルエットの悪態は止まらない。嘲る口調はさらに陰湿に変化し、
その顔にはキュロットがそれまで見たことがないような酷薄な笑みが浮かんでいる。
そして罵られているキュロットにもかすかな興奮が宿りはじめていた。
憧れの女性に蔑まれているのに、不思議と嫌な気持ちはしない。
それどころか惨めな思いになればなるほど胸の動悸が高まり、
劣等感が高まれば高まるほど反抗心が薄れていく。

「そ……それは……。ボク、ずっとベッドに寝たきりだったから……。
一日に一回は神父様がお湯を絞ってくれた布巾で拭いていたんですけど……」
「外だけ拭いていてもダメなんですよ。こうやって包皮を剥いて……」
「痛ッた!」
「ほら、皮の隙間に真っ黄色な恥垢がびっちりとこびりついています。
 フフ、汚いわねえ。ぺろっ……れるるっ」
「そ……そんな……! アルエットさん、汚いです」
「何を言ってるんです? あなたが不潔にしていたんでしょう?
 それにほら、言葉では格好付けていても、ひと舐めしただけなのに、
 もりもり芯が膨らんできたわ」
「は……ああっ! だって……」
「だってじゃないでしょ?
 キュロット君がこんなに卑しくていやらしい人だなんて思いませんでしたよ」

度重なる軽蔑の言葉を受けて、キュロットは明らかに狼狽していた。
目に涙をにじませながらなんとか機嫌を伺おうとする彼に、
もはやアルエットの豹変ぶりを疑う余裕はない。

「ご……ごめんなさい。でもアルエットさんの口を汚しちゃうから……」
「あら、お口でされるのはいやでしたか?
 せっかく勇気を出して舐めてあげたのに……」
「え?」

かかったとばかりに嫌味たっぷりの冷笑を浮かべるアルエット。

「仕方ありませんね。口が嫌なら手でしごいてあげます。
 それぐらいなら許してくれるでしょう?」
「え……う……は、はい……」

アルエットの言葉は一応提案の形を取ってはいるが、
その口調はほとんど強要に近いもので、有無を言わせぬ迫力がある。
すっかり萎縮してしまった今のキュロットに反論など出来ようはずもない。
ただ怯えながら言いなりになるだけである。

「なんですか。不満そうな顔をして。やっぱり口のほうが良かったとでも言いたいのですか?」
「そ……そういうわけじゃ……」
「わたしだって男性の汚らわしい性器などに口を付けたくありません。
 キュロット君だからこそ勇気を出して舐めてあげたのに……。不愉快ですねえ」

忌々しそうな顔をしたアルエットは、八つ当たりのように半勃ちのペニスを握り込む。

「……はぐっ、そんな強……く……」
「でも確かに……、わざわざ口に含まなくとも手コキで十分だったようですね。
 サオはガチガチだし、睾丸も上がってきて……。
 はやくもイきそうになっているじゃありませんか」
「まっ、待って! そんなに早……くっ……しごかない……で……
 んむ!?……むぅうう!?」

及び腰のキュロットを奮い立たせるように、
アルエットは手コキを続けながらも唇を合わせてくる。
ねっとりと絡みつくディープキスは恐怖に緊張したキュロットの心を解きほぐし、
そのまま無防備な夢見心地にいざなってゆく。
至近距離で薫るアルエットの甘い香水が、
まるでフェロモンのようにキュロットの興奮を高めていった。

「……ン……ンフ……ちゅぷ……んじゅ……んむん……」

(ボクの顔にアルエットさんの荒い鼻息が吹きかかってくる。上気した顔。
 火照った肌。意地悪なことを言ってるけど、アルエットさんもボクと同じだ。
 ボクと同じように興奮してるんだ……)

「ぷはっ……ふぅう。
 ふふふ、手淫にもこうやって同時にキスを楽しめるというメリットがあるんですよ。
 どうです? わたしの唾液の味は?
 キュロット君の恥垢の臭くて苦くて塩辛い味が残っていたでしょう?
 あなたはこんなものを人に呑ませて興奮していたのよ?
 まったく失望しましたよ。キュロット君がこんな変態だったなんて……」
「ぼ……ボクはそんなこと思っては……」
「口答えはしないでください!」
「は、はいぃ!」

アルエットの恫喝に反射的に身がすくむ。
キュロットはよく知っている。彼女は怒らせると怖いのだ。
ラ・ピュセルの見習い時代、あの傍若無人なプリエでさえ、
怒ったアルエットの前では大人しく縮こまっていた。

「キュロット君、ごちゃごちゃ言われるとますますやる気が無くなってしまうわ。
 ほら、オチンチン、気持ちいいんでしょう? イかせて欲しいんでしょう? 
 卑しい自分を認めて肉欲に没頭してごらんなさい?」
「あぐっ、あうう……っ、うっ、うああああああ!」

残像すら見えそうな速度で上下に振られる手の動き。
それでいて微妙に緩急を付けた力加減に、
キュロットはなすすべもなく追い詰められてゆく。

「ふ……ふふっ、先走りが垂れてヌルヌルしてきましたよ?
 ほら、聞こえるでしょう? にちゃにちゃと鳴るこのはしたない水音」

先走りで濡れた握りは不規則に滑って予測の付かない快感を生み出し、
粘液の心地よい感触が必死に我慢する気持ちを溶かしていく。

「だっ、ダメっ! アルエットさん、出るっ! 出ちゃいます! うわああああん!」

びゅるるるっ、ぶびゅるるるるるる〜〜〜〜〜!

小さなペニスに収まりきらない熱い衝動が音を立てて一気に爆ぜた。
重く生暖かい精液が断続的に撒き散らされる。

「うわあ、汚い。こんなに粘ついた汁を漏らすなんて。 
 キュロット君のお腹の上はともかく、
 わたしの手までどろどろになっちゃったじゃないですか。
 一体どうしてくれるんです?」

ガクガクと体を震わせて苦しげに脱力するキュロットの目の前に、
ザーメンがたっぷりとへばりついたアルエットの手の甲が差し出される。

「はっ、はっ、うう……ご……ごめんなさ……うぷっ!? な……何を……?」
「何をって、手が汚れたからキュロット君の顔で拭わせてもらってるんじゃないですか」
「やめっ、やめてくださ……ぶあっ! やめて……きたない……」
「あはははは、汚いですって?
 このべとべとはキュロット君自身が出したものなんですよ?」
「う……ぐす……」
「あれ、泣いているんですか? キュロット君」
「……あ……あなたは……本当にアルエットさんなんですか?
 どうしてこんな意地悪ばかり……」
「ふ……ふふふ……、泣きました。キュロット君が泣いています。
 わたしが泣かせてあげたんです。
 ふふふ……、本当、ご主人様の言ったとおり……。みじめで……可愛いわあ」
「あ……アルエット……さん?」
「ふふふ、さっきご主人様……ダークアルエットが言っていたでしょう?
 わたしは勉強中なんですよ。男の子をいじめて屈服させる方法をね」
「い……いじめて屈服?」
「言霊や魔法であなたの心を支配するのは簡単なんですけどね。
 ご主人様は脅迫と快楽で被虐心を擦り込みながら、
 あなたを服従させてみなさいって……。
 キュロット君、体を動かせない無力感はどうですか?
 わたしに罵られて悔しいですか?
 わたしは人を貶める楽しさというものが段々わかってきましたよ?」
「アルエットさん、そんなの間違っています! しっかりしてください!
 どうしちゃったんですか。
 どうしてダークアルエットの言いなりになってるんですか!」
「どうして……? 言いなり……?」

キュロットの必死の訴えが届いたのか、アルエットから嗜虐的な表情が消えた。

「そうです。闇の心なんかに負けないで下さい。
 アルエットさんの心はアルエットさんのものです!」
「わたしの心は……わたしの……もの?」

呆然と表情を失ったアルエットは、まるで自分の心を探るように、
キュロットの言葉を確かめている。


「ふふ……ふふふ……」
「アルエット……さん……?」

しかしその顔に再び浮かんだ表情は、
先程にも増して侮蔑の意志が込められた嘲笑。

「ふふふ、くだらない。
 キュロット君があまりにくだらないことを言うもんで、一瞬惚けてしまいました」
「そ……そんな……」
「教えてあげますよ、キュロット君。
 奴隷が主人の命令を聞くのに"どうして?"なんて疑問を挟むことはありません。
 なぜなら奴隷に"思考"なんて許されていないからです。
 何も考えずに与えられた命令に忠実に従う。
 それが奴隷の仕事であり、喜びなのです。
 わたしの心はわたしのものではありません。わたしの心はご主人様の所有物。
 わたしはもう自分では何も考えません。かわりにご主人様が考えて下さるからです。
 ご主人様の意志がわたしの意志。ご主人様の選択がわたしの選択。
 ご主人様の命令こそがわたしの目的」
「……う……ううう……」

アルエットに植え付けられた隷従心は、キュロットの想像を遥かに超えていた。
 自らが奴隷であることを誇る言葉は力強く、まったく綻びが見られない。
 キュロットには彼女の心を取り戻す糸口すら見いだせなかった。

「キュロット君には素質があるのよ?
 あなたもわたしのようにきっと忠実な奴隷になれる」

絶望に打ちひしがれるキュロットを慰めるかのように、アルエットが優しく声をかける。
しかしその内容は到底受け入れられるものではない。

「奴隷の素質って……。そんなものあるわけないでしょう」
「いいえ、あるのよ」
「くっ……」
「キュロット君、あなたは女神ポワトゥリーヌ様のお導きを疑ったことなどないでしょう?
 聖女会のお仕事を拒否したことなどないでしょう?
 あなたは……、いや、すべてのラ・ピュセルは、
 無自覚に光の女神の奴隷として躾けられている……」
「な……何を言ってるんです。聖女のあなたがそんな女神様を冒涜するような……」
「ふふ……問答はここまで。最初に言ったでしょう?
 奴隷は何も考える必要はないんです。
 キュロット君もそういう存在になるんだから、
 これ以上無駄な知恵を付ける必要はありません」

アルエットはゆっくりとキュロットの背後に回った。

「ここからは……体に理解してもらいましょう」