2回目です。
まだわからないのですが、たぶん全部で5回だと思います。
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ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 2−1話
ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−5話
ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−4話
ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−3話
ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−2話
ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 1−1話
ラ・ピュセル†ラグナロック 二次創作小説 イントロダクション
コンコン
「キュロット君、失礼しますね」
ベッドの中でまどろんでいたキュロットの耳に、
控えめなノックの音と共に懐かしい声が届いた。
慌てて体を起こしたキュロットのもとに静かに歩み寄った訪問者は、
以前と何も変わらない穏やかな笑みを浮かべ、小さく頭を下げた。
「キュロット君、お久しぶり……」
「アルエットさん……」
「二か月ぶりくらいかしら」
「そうですね。ちょうどそのくらいぶりです」
「まだベッドから起き上がることは出来ないの?」
「いえ、大丈夫。ちゃんと起きれますよ。
ただ、ずっと寝たきりだったので、まだ体がうまく動かせなくて……」
「そう……。やっぱりキュロット君のケガが一番酷かったのね。
わたしたちをかばってくれたのですね。ありがとう」
「そ……そんな……。ボクはただ夢中で……」
「いいえ、本当にありがとう。ずっとキュロット君にお礼を言いたかったの」
「あ……アルエットさ……んむっ!?」
「……んふ……んむん……ちゅぷっ……」
(き……キス!? アルエットさんのし……舌が……)
突然吸い付いてきたアルエットの唇にキュロットは戸惑った。
憧れの女性と遂に口づけを交わした喜びと興奮よりも、
彼女らしからぬ大胆な行動に対する驚きのほうが遥かに大きい。
誰より清楚で貞淑だと思っていたアルエットが見せた、
まるで娼婦のように情熱的なアプローチは、
キュロットを一瞬で思考停止状態に追い込んだ。
「っ、ぷはっ! ま……待って、アルエットさん、突然何を……」
「だめ。お願い、キュロット君。逃げないで。これはお礼なんだから……」
まるで酒に酔ったような甘えた声。
ねっとりと絡みつくような気怠げな流し目。
彼女はこんな女性だったろうか?
「う……アルエットさん、どうしたんですか。こんなこ……と……」
うめくように問いかけるキュロットの体を、
アルエットはますます強く抱き締めて体を密着させる。
「好きなの……」
「えっ!」
「ずっと好きだったの。キュロット君のことが……。でもあなたに言えなかった。
わたしは光の聖女として、長くは生きられない運命だったから……」
「アルエット……さん?」
「キュロット君はどう? わたしのこと好き?
ずっとわたしのこと見てくれていたでしょう?
わたし、いつもあなたの視線を感じてドキドキしていたのよ?」
突然の告白。
蛇のように蠱惑的な問いかけに、キュロットの心はたちまち絡め取られる。
頭が桃色の興奮にかき乱されて、うまく考えがまとまらない。
(アルエットさんもボクのことが好きだった? ボクに見られてドキドキしていた?)
まるで現実味のない夢のような状況。
しかし夢だからこそ思い切って流れに身を任せたくなる。
女のアルエットにここまで言わせて、
男の自分が奮い立たないわけにはいかないのだ。
「あ……あっ、アルエットさん! ぼ……ボクは! ボクもアルエットが好きです!
ずっと好きでした! ずっと見ていました! ずっと憧れていたんです!」
「フフ……、ありがとう、キュロット君。わたしたち両想いなのですね。
嬉しいわ……。さあ、今度はキュロット君のほうからキスして」
「はぁっ、はっ、あ……アルエットさんっ……ん……む……うむ……」
少年の必死の告白をどこかさらりと流すアルエット。
大人の余裕に呑まれたキュロットは、
彼女の言いなりになってがむしゃらに唇を重ねていく。
「ふぅ。キュロット君、キス……上手なのね。くらくらしちゃったわ。
もしかしてほかの女の子にもいっぱいしちゃってる?」
「そ……そんなこと! ボク、今のキスが初めてです!
そ……それはほっぺやおでこへのは何度かした……というか、
してもらったことあるけど……。お……おとなのキスは……」
「よかった。キュロット君の初めてのキスの相手に選んでもらえて……。
キュロット君、これからもずっとわたしだけを好きでいてくれますか?」
「も……もちろんです。ぼ……ボクはアルエットさんだけを……」
「キュロット君、わたしのこと、守ってくれるって言ってくれましたよね?
あの言葉……、わたし、本当に嬉しかった……」
「ご……ごめんなさい。あの時は夢中で……。
せ……聖女様を守るなんて生意気だったかもしれませんけど……。
でも、でもボクにとってはアルエットさんは聖女様だけど、
一人の女の人でもあって……、
いろんな辛いことから少しでも守ってあげたいって……」
「謝らないで。キュロット君はわたしの立派なナイト様よ。
優しいあなたの存在が、わたしにとって誰よりも頼もしいの。
これからもわたしを守ってくれますか? わたしの味方でいてくれますか?」
「も、もちろんです! 今はまだ頼りないけど、もっと強くなって……」
「うふふ、きっとよ。約束しましたからね。それじゃ……」
(か……感激……。ボクが……アルエットさんのナイトに……。え? 魔力?)
アルエットに頼られて有頂天となっているキュロット。
気づいたときには、既に彼の体は聖女の強大な魔力に取り込まれていた。
「クールダウン!」
「こ……これは衰弱魔法!? か……からだの力が……。
アルエットさん……何を……」
節々の関節や筋肉が悲鳴を上げ、みるみる体の力が抜けていく。
自分の体が重すぎて支えられない。
キュロットはそのままへなへなとうずくまるように、ベッドに倒れ込んでしまった。
「ごめんなさい……。もともと弱っていた体に衰弱魔法はさぞや堪えるでしょうね」
困惑するキュロットを見て、アルエットは申し訳なさそうに顔を背ける。
「ど……どうしたんです? 何で…こんなことを……」
「本当にごめんなさい……。
でもわたし……、ご主人様の命令には逆らえないんです」
「ご……ごしゅじんさま? ご主人様って一体? 誰? 誰なんですか!
アルエットさんのご主人様って!」
「そ……それは……」
「な……なんで? なんでアルエットさんの体から闇の魔力が!」
矢継ぎ早に浴びせられるキュロットの詰問に答えを詰まらせるアルエット。
その体に徐々に禍々しい魔力が満ちていく。
そして陽炎のように立ちのぼる漆黒の瘴気。
(ありえない……。そんな馬鹿なことありえるはずがない……。
アルエットさんは『光の聖女』なんだ……)
突然の展開にどん底へ叩き落されましたね。
アルエット様の申し訳無さそうな態度がこの後いきなり急変して、
行為も激しい責めに転じたりしたら物凄く興奮しますねw
続きを楽しみにしてます♪