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- 修業年限:2年(昼間)
- 定員:35名(年齢、性別不問)
- 出願資格:高卒以上
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人は与えられた生命をすこやかに、そしてのびのびと生きることへの要求とプライドを持っています。その願望や誇りは、自己決定の尊重がなされて初めて実現され、まもられていくものです。介護福祉はこのことを基本におきながら、信頼のおける関係を創りあげることで成立します。
介護とは、人々の快適な生活の実現を支援することです。 |
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■介護福祉士科カリキュラム
- 三つの教育領域
介護の仕事では、技能や知識とともに相手を受け入れ共感できる感性と豊かな心が求められます。「人間と社会」、「介護」、「こころとからだのしくみ」の領域から社会や福祉施設が求めている高度な専門知識を習得します。
- 体験実習と展開実習
実習は学習の中で大切な体験です。本校では実習(見学実習から展開実習まで計472時間)ごとに事例ゼミを行い、全員発表を通して一人ひとりの体験がすべての学生に定着するように努めています。
- 豊かな教育内容
専門教育の他に多様な科目を準備しています。民俗芸能の授業では安来節家元四代目渡部お糸先生を講師に地域文化の学習をします。介護福祉研究法では、各自が疑問を抱いたテーマに沿って探求していきます。
- 地域福祉の人材育成
地域社会に役立つ仕事として介護福祉を実践するためには、やさしさや善意だけではなく、地域文化に根ざした福祉を学ぶことが欠かせません。「コミュニティーソーシャルワーク論」をはじめ、「介護の基本」その他の授業の中で地域福祉の担い手を育てます。
■介護福祉士科2010年度時間割(1年次前期)
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1限
(9:00〜10:30) |
2限
(10:40〜12:10) |
3限
(13:00〜14:30) |
4限
(14:40〜16:10) |
| 月 |
介護の基本I |
人間関係とコミュニケーション |
こころとからだのしくみIII |
介護の基本II |
| 火 |
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保健体育・美術 |
介護過程の基礎I |
介護総合演習I |
| 水 |
こころとからだのしくみII |
障害の理解I
(障害者福祉論) |
こころとからだのしくみI
(心理学) |
レクリエーション概論 |
| 木 |
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人権の尊重 |
人間の価値 |
家政学概論 |
| 金 |
生活支援技術I |
社会と社会福祉 |
クラス会議(1年) |
■介護福祉士科講師
介護福祉士科専任教員

西 高広
校長/介護福祉研究法、障害の理解I |

堅田 知佐
介護福祉士科長、進路指導主任/生活と社会福祉、社会保障制度のしくみ、コミュニティーソーシャルワーク論、介護福祉研究法、介護の基本II、介護過程の基礎I、ケアマネージメント論、介護過程事例演習、介護実習I・II |

森脇 賢子
教務主任/介護福祉研究法、生活支援技術I・II、介護過程事例演習、介護実習I・II、発達と老化の理解II、こころとからだのしくみII・III |

佐々木 広樹
2年生担任/介護福祉研究法、介護の基本I・III・IV、レクリエーション概論、コミュニケーション技術各論I、生活支援技術I・II、介護過程の基礎II、介護過程事例演習、介護実習I・II、介護総合演習I・II・III・IV |

寺本 直美
補助教員/介護福祉研究法、生活支援技術I・II、介護過程事例演習、介護実習I・II、介護総合演習I・II・III・IV |
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介護福祉士科非常勤講師
| 山本 俊磨 |
島根大学名誉教授/発達と老化の理解I、こころとからだのしくみI |
| 生和 忠昭 |
保健体育 |
| 磯部美津子 |
島根県立大学短期大学部松江キャンパス総合文化学科教授/家政学概論 |
| 加藤 友彦 |
造形作家/美術 |
| 木村 昌実 |
島根リハビリテーション学院教員/リハビリテーション論 |
| 土江 由美 |
管理栄養士/家政学I(栄養・調理) |
| 岸本しのぶ |
島根大学他講師/家政学II(被服・住居) |
| 吉岡 伸一 |
鳥取大学医学部保健学科教授/精神保健 |
| 川次啓一郎 |
ライトハウスライブラリー/コミュニケーション技術各論II(視覚) |
| 大瀧 浩司 |
島根県ろうあ連盟理事/コミュニケーション技術各論III(聴覚) |
| 松本 和美 |
手話通訳士/コミュニケーション技術各論III(聴覚) |
| 福村志保美 |
看護師/生活支援技術I・II |
| 植松 健一 |
島根大学准教授/人権の尊重 |
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島根大学法文学部教授/人間の価値 |
| 片平 誓子 |
社会科学修士/人間関係とコミュニケーション |
| 薮内 和子 |
安来節四代目渡部お糸/民俗芸能 |
| 林原 豊 |
グループホーム仁風荘施設長/認知症の理解I・II |
| 田中 由美 |
看護師/障害の理解II |

【ルポ】介護福祉の現場から/通所介護施設 デイサービスしののめ
利用者の気持ちを常に自分と置きかえながらサポートする仕事
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プロフィール
田邊 亮社長
介護福祉士
島根総合福祉専門学校第4期卒業生
平成17年「デイサービスしののめ」創設
平成19年「デイサービスかじかの郷」創設 |
「デイサービスしののめ」(広瀬町東比田)は、平成17年4月に設立。本校介護福祉士科の第4期卒業生が、同窓生や地域とのネットワークを活かし、手作りの民間施設として起業しました。短期・長期入所や突発的なニーズに柔軟に対応する『小規模多機能施設』では、地域密着の家庭的なサービス提供を実践。現在11名のスタッフが、24時間体制で常時約20名のお客様を介護しています。
常にお客様の立場に立ったサービス提供を
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プロフィール
佐々木雅美さん
介護福祉士
島根総合福祉専門学校第7期卒業生
平成17年入社 |
卒業と同時に「しののめ」が開所し、私も「しののめ」1年生として入社しました。動機としては、一からお客様・スタッフ・地域の皆様方と共に作り上げていきたいと思ったからです。入社当時は、どうして良いのか分からないことも多く、不安なことが多かったように思いますが、今は少しずつではありますが、自信が持てるようになってきました。
「しののめ」の建物は以前保育所として使われていたものです。それを設立準備スタッフの手作りにてリフォームしました。室内においても利用されるお客様が和やかに心地よく過ごして頂けるように…といった思いで、昔ながらのタンス・陶芸品などを置かして頂いたり、ご近所の卒園生たちが遊びにきてくれたりなど、少しでも自宅に近い親しみやすい空間に出来てきたのかなと思っています。
勤務は交代制で、食事作りもあります。料理作りが得意なお客様に教えて頂くこともありながら、多い時では20人分の食事を用意させて頂くこともあります。
学生時代に行った実習先の職員さんを見て、「絶対あんな対応はしないのに」と思っていました。けれど仕事中、何度も同じことをやりそうになってしまいました。介護の仕事は精神的にも疲れ、現実は甘くないなと実感しています。ここ「しののめ」では、もし自分がお客様の立場だったら…と常に自分に問いかけると共に、スタッフの間でもお互い声をかけあい、常に初心の気持ちを忘れずに素晴らしいサービスを提供することを私の目標としています。
実習報告
そこで生活されている利用者のみなさんが、一番の教科書でした。
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平成16年
介護福祉士科卒業
長谷川佳子さん
介護福祉士 |
2ヵ年のうち、全部で3段階の現場実習を経験しました。第1段階は1年生の7月期で、実習先は米子市内の特別養護老人ホーム。コミュニケーション重視を目標に10日間を過ごしましたが、すごく緊張したのを覚えています。現場の雰囲気にとけこむのに精一杯で、利用者の方たちの名前を覚えきれなかったほどでした。
第2段階は、2年生になってから。約1ヶ月間の日程で、隠岐の島町の老人保健施設にクラスメートと2人で行きました。この時は、ケアプランを作成するうえで、利用者の課題をみつけるというのがテーマです。担当介護士の指導のもと、1人の利用者(70代女性)に接しながら、介護福祉士の実際の仕事や施設内のスタッフの連携についても学びました。2〜3週間が経った頃、自分なりに考えた課題と施設側のケアプランをすり合わせましたが、おおむね合格点をいただけたのがうれしかったですね。利用者との関わり方では、直接の会話だけでなく、ちょっと距離をおいて観察することも大切だと教わりました。
第3段階のテーマは、実際に利用者のケアプランを作成し、そのプランを実施すること。
米子市内の老人保健施設に約1ヶ月間通い、60代女性の利用者を担当させていただきました。前半の2週間で本人・家族と接し、スタッフとのすり合わせやケース記録からケアプランを作成するのですが、それにはその方自身を深く知ることが大切だと痛感しました。
今ふりかえると、利用者の方たちの笑顔に支えられましたし、何よりも利用者の存在が“一番の教科書”だったと感じています。
◆介護福祉士科 独自事業「茶話訪問事業」
介護福祉士科では、広瀬町の独居のお年寄りの自宅を訪問して話をする「茶話訪問事業」を行っています。詳しくはこちら。
■介護福祉士科実習施設一覧 下記と合わせて100施設で実習を行っています。
【見学実習】
- 特別養護老人ホーム
しらさぎ苑(安来市)/尼子苑(広瀬町)/伯寿の郷(安来市)/やすぎの郷(安来市)
【体験実習】
- 養護老人ホーム
玉峰苑(奥出雲町)/かんなび園(斐川町)
- 障害者福祉サービス事業所 障害者支援施設(知的障害者更生施設)
ピーター・パン(松江市)/しののめ寮(松江市)/持田寮(松江市)/櫻苑(安来市)/まがたま荘(松江市)
- 認知症高齢者グループホーム
グループホームアンジュ(松江市)/グループホームあとむ苑(松江市)/グループホーム大森の家(松江市)/グループホームあしたか(東出雲町)/グループホームかがやきの園(松江市)/グループホームきららの家(松江市)/グループホーム「なごみ」(安来市)/グループホームやすらぎの家(隠岐の島町)/グループホーム仁風荘1番館(米子市)/ばんだの里 指定認知症対応型共同生活介護事業所(大山町)
- ケアハウス
ケアハウスなんぶ幸朋苑(米子市)/ケアハウスさかい幸朋苑(境港市)
- 小規模多機能型施設
すずかけの樹(松江市)
- 介護付き有料老人ホーム
あおぞら八重垣(松江市)
- デイサービスセンター
デイサービスしののめ(安来市)/デイサービスかじかの郷(安来市)/あいかの里介護福祉サービスセンター通所介護事業部(松江市)/光洋の里生活支援事業さざなみ(境港市)
- 訪問介護事業所
東寿苑ヘルパーステーション(東出雲町)/訪問介護事業所よなご幸朋苑(米子市)/訪問介護事業所なんぶ幸朋苑(米子市)/安来市社会福祉協議会訪問介護事業所(安来市)/JAやすぎヘルパーステーション(安来市)/エプロンの会(安来市)/太陽ヘルパーステーション(安来市)/いきいきの郷はくた訪問介護事業所(安来市)/しらさぎ苑ヘルパーステーション(安来市)/ヘルパーステーションやすぎ(安来市)/津田訪問介護センター(松江市)/
仁多ヘルパーステーション(奥出雲町)
【展開実習】
- 特別養護老人ホーム
東寿苑(東出雲町)/よなご幸朋苑(米子市)/しらさぎ苑(安来市)/長命園(松江市)/ゆうらく(南部町)/あかねの郷(日南町)/ゆめハウス(松江市)/ひまわり園(出雲市)/ゆうなぎ苑(松江市)/なんぶ幸朋苑(米子市)/静和園(隠岐の島町)/愛寿園(飯南町)/簸の上園(雲南市)/うぐいす苑(松江市)/コーポ上口(松江市)/尼子苑(安来市)/さくら苑(雲南市)/梅里苑(雲南市)/和光苑(西ノ島町)/皆生みどり苑(米子市)/津田の里(松江市)/やくも光陽の里(松江市)/やすぎの郷(安来市)/伯寿の郷(安来市)/あいサンホーム(奥出雲町)/清流園(出雲市)/博愛苑(米子市)/さかい幸朋苑(境港市)/ことぶき(伯耆町)
- 介護老人保健施設
ライフケア回春苑(松江市)/コスモス苑(安来市)/もちだの郷(松江市)/福寿苑(松江市)/ケアセンター千鳥(東出雲町)/奥出雲町介護老人保健施設(東出雲町)/ともいきの郷(隠岐の島町)/あわしま(米子市)/ゆうとぴあ(米子市)/なんぶ幸朋苑(米子市)/昌寿苑(安来市)/仁風荘(米子市)/さかい幸朋苑(境港市)/小谷苑(大山町)
- 身体障害者療護施設
シリウス苑(松江市)/出雲サンホーム(出雲市)/光洋の里(境港市)
- 重症心身障害児施設
松江病院(松江市)

介護福祉士科2年生
(島根県松江市出身)
小林 和輝 |
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在校生からのメッセージ |
対象者それぞれに合った
介護技術・知識を身に付けたい
一度は県外の大学(経済学部)に進学しましたが、介護福祉士になりたくて2年で中退。本校に入学しました。自宅で90歳の祖母を母が介護する姿を見ていますし、介護は大変な仕事だけど、誰かがやらなければならない。それなら、自分がやろうと考えました。クラスには社会経験のある学生も多く、資格取得に意欲的で、自分も刺激を受けています。
1年を振り返り、授業や実習から学ぶべき課題がみつかりました。たとえば、高齢者の方は、それまでの人生経験や知識を積み上げて今の身体の状態がある。一方、障がいを持つ子どもたちは、個々の状態によって発達する途上にある。対象となる人それぞれに向き合う介助・介護の方法を見つけることが大切だと実感しています。2年生になったら今以上に知識と技術を身に付けることができるようがんばりたいと思います。 |

介護福祉士科2年生
(島根県松江市出身)
石倉ひかる |
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在校生からのメッセージ |
将来は地元で高齢者の
みなさんの役に立ちたいです
介護の仕事に就きたいと思ったのは、小学5年の頃。祖母がひいおばあちゃんを介護する様子を間近に見ていたし、近所のお年寄りの方にとても可愛がっていただいていた。そんな日常の中で、いつか仕事を通してお年寄りに自分の元気を伝えられたらと考えるようになりましたね。
私たちのクラスは、半数以上が私より年上で社会人の方も多いのですが、とても賑(にぎ)やかで和気あいあい。入学当初は友だちができるかどうか不安でしたが、最初の研修(一泊二日)で一気にうちとけ、毎日学校に行くのが楽しみになりました。将来は、まず大きな老人施設で介護の仕事経験を積みたい。そして、その後は自分の育った地域のお年寄りのために、その経験を生かしたいと考えています。 |

介護福祉士科
科長
堅田 知佐 |
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教員からのメッセージ |
いっしょに夢や希望を語り合いましょう!
少子高齢化社会である現在、介護福祉士に対する社会的認知度や期待はますます高まっています。今後も介護に携わる人たちが増加していくことが予測される中、本校では、利用者の立場にしっかりと立ち、利用者の生活を支えることのできる介護福祉士の養成を目指しています。
学校での学習はもちろんのこと、学外での実習やボランティア、また地域の方々との交流を通して、人と関わることの魅力を感じてほしいと思います。そして、2年間で、皆さんなりの「介護の魅力」を見つけてほしいと思っています。
2年間の主役は皆さん自身です。たくさんのことを考え、想い、悩み、楽しんでください。私たちはそんな皆さんをしっかりと支えていきたいと思います。 |
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