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<非出会い系サイト>犯罪被害児は601人 今年上半期

8月19日11時14分配信 毎日新聞

<非出会い系サイト>犯罪被害児は601人 今年上半期
非出会い系サイトを利用して犯罪被害に遭った児童の数(警察庁まとめ)
 今年上半期(1〜6月)に、「ソーシャル・ネットワーキング・サービス」(SNS)などの非出会い系サイトを利用して犯罪被害に遭った子供(18歳未満)は601人で、昨年同期を56人(10.3%)上回ったことが警察庁のまとめで分かった。非出会い系サイトが子供をターゲットにした犯罪の温床となる傾向が強まっており、警察庁はサイト事業者に対し、監視体制を強化するよう要請している。

 被害児童のうち577人は女子で、男子は24人。罪種別では、子供とのみだらな行為を禁じる青少年保護育成条例違反が378人と最も多く、児童買春の107人が続く。

 強姦(ごうかん)(5人)や略取誘拐(1人)など凶悪事件もあった。年齢別では16歳が154人で最多。14歳以下は184人で全体の3割を占めた。被害はほとんどが携帯電話でサイトを利用したケースだ。

 一方、出会い系サイトを利用して犯罪被害に遭った児童は141人で、昨年同期より124人(46.8%)減少した。出会い系サイト規制法が03年に制定され、08年の改正で事業者の届け出制を導入。規制の強化やフィルタリングの普及を背景に、出会い系サイトに関する子供の被害は06年をピークとして減少傾向が続いている。

 対照的に非出会い系に関係する被害児童は08年から増え続けている。今年上半期には、被害児童が昨年同期から115人増え、171人に達したサイトもあった。警察庁はサイト事業者に対し、犯罪防止のための自主的な取り組みとしてサイト内の掲示板やメールの監視を強化するよう要請している。【鮎川耕史】

 ◇利用者年齢確認 新たな方法必要

 非出会い系サイトには主に、SNSサイトとプロフィル(プロフ)サイトがある。SNSは、利用者同士でやりとりする「ミニメール」や、顔写真やキャラクターを張り付ける「プロフィル」など各種のコミュニケーション機能を提供。「性別」や「年齢」などから利用者を検索できる機能もある。

 捜査関係者によると、SNSを悪用して子供を誘い出す手口の一例はこうだ。まず、利用者検索機能で目当ての年ごろの子供を検索し、プロフィル機能で居住地域や通学先などの「属性」を閲覧する。目を付けた子供にミニメールを送信。返信がくればメールのやりとりを続け、「ドライブに行こう」などと持ちかける。

 携帯電話で最大規模の利用者をもつSNSは、ゲームサイトの事業者が運営しており、アクセスするための画面はゲームなどと同じだ。捜査関係者は「多くの保護者は子供がSNSを利用していることに気づかず、ゲームで遊んでいるだけだと認識している。大人がまず実態を知ることが必要だ」と指摘する。

 一方、プロフサイトは、プロフィルの交換を主な目的とし、ミニメール機能はない。しかし、外部リンクを張り付けることで他のサイトに誘導すれば、メールのやりとりを始めることができるという「抜け道」がある。

 犯罪防止を目的に、主なSNSには大人による子供の検索を制限するシステムなどが導入されている。だが、オンラインで利用者情報を登録するため、利用者が年齢を偽った場合、それをチェックすることは難しい。このため確実な年齢認証の導入が課題になっている。

 検討されている方策の一つが、携帯電話事業者が持つ年齢情報を活用する仕組みだ。携帯電話事業者の情報をSNSの運営に活用するには利用者への配慮が必要だが、総務省の有識者研究会の提言も「青少年保護のために民間が協調することは望ましい」と評価している。【鮎川耕史】

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最終更新:8月19日12時58分

毎日新聞

 

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