わずか8歳の女児が自ら命を絶つ。痛ましい事態に、周囲も学校関係者もショックを隠せない。
高槻署によると、女児が自殺したのは17日。午後6時20分ごろ、帰宅した母親(27)がベランダの物干しざおにタオルを掛けて首をつっている女児を発見、連絡を受けた父親(29)が約5分後に110番した。署員らが駆けつけたが間もなく死亡が確認された。18日に行われた司法解剖の結果、死因は窒息死で死亡推定時刻は17日午後3時ごろだった。
母親が帰宅した際、玄関ドアは施錠されており、女児の着衣に乱れもないことから、府警では自殺とみている。遺書のようなものは見つかっていない。
高槻市教育委員会などによると、女児は今年1月25日に京都府向日市から引っ越してきた。2月1日に女児の道具箱に女児の名前と「しね」と書かれているのが見つかったとして、母親が「いじめではないか」と学校に指摘。15日には教科書とドリル計12冊にも同様の落書きがあると、母親から連絡があった。
学校も、児童らからの聞き取りや、落書きの筆跡を調べるなど調査したが、誰が書いたか特定できなかった。女児は落書きが見つかって以降、計10日間欠席したが、落書きはこの時だけで、3年生になった4月以降の欠席は1日だけだった。
18日に会見した、女児が通う小学校の女性校長(60)は、「調査の結果、同級生に同じ筆跡はなく、女児本人のものに近かった。すべて同じ筆跡だが特定はできなかった」と説明。「亡くなったことは残念だが、夏休み前の母子面談でも学校生活の不安は聞いておらず、落書きと(自殺に)関連があるとは考えていない」と話した。
女児はおとなしい性格で、休み時間にはよく友達と折り紙や絵を描いて遊んでいたという。転校してきたころは、クラスで悪口を言われたりして泣かされることも。ある男子児童は、女児が「学校がいやだ」と言っていたという。
女児は両親と弟(5)、妹(4)の5人暮らし。17日は夏休み中で母親が朝に外出した後は1人で自宅にいた。