防衛省は、来年度予算の概算要求をめぐって政府が一律削減の方針を決めたことを受け、在日アメリカ軍駐留経費の日本側負担、いわゆる「思いやり予算」など、削減が困難な予算項目については概算要求には盛り込まず、「特別枠」として要望する方針を固めました。
来年度予算の概算要求をめぐって政府は、各省庁に対し、歳出を今年度予算に比べて10%削減するよう求めるとともに、1兆円を超える規模の「特別枠」を設け、具体的な配分は、公開で実施する「政策コンテスト」を経て決めるとしています。これを受けて防衛省は、北澤防衛大臣ら幹部が協議した結果、いわゆる「思いやり予算」と、艦船や航空機などの燃料費、それにすでに複数年度での支払いが決まっているミサイル防衛など装備品の購入費の一部の削減が困難な予算項目については、概算要求には盛り込まず、「特別枠」として要望する方針を固めました。防衛省としては、削減困難な予算項目をあえて特別枠で要求することで、結果的に今年度並の予算額を確保したいというねらいがあるものとみられますが、特別枠は、菅総理大臣が政権公約や成長戦略の実現などのために設けたもので、今回の防衛省の対応は議論を呼ぶことが予想されます。