記事入力 : 2010/08/18 10:42:05
「日本が韓国を丸ごとのみ込もうとしている」(上)
高宗、併合直前にロシア皇帝にあて懇切な手紙
「日本が今や、韓国を丸ごとのみ込むときが近づいている。日本は、いくらもいない親日背信者らを買収し、韓国の対日併合を請願するようそそのかしている」
1907年7月のハーグ密使事件で退位した高宗は1910年6月、ロシア皇帝ニコライ2世に送った親書で、日本による併合を目前にした悲痛な現実を打ち明けた。また高宗は、「最近流布しているうわさによると、ロシアと日本の間に協定が結ばれる予定で、その条項の一つは、ロシアが併合に同意するというもの。わたしは、このうわさを信じることができず…陛下は同意なさらないと信じている」と訴えた。ロシアは韓国、日本はモンゴルを、それぞれ相手の勢力圏と認めることで合意する第2次日露協約(1910年7月4日)を結ばないよう、要請しているわけだ。
■「併合請願に加担するくらいなら、いっそ死にたい」と叫んだ純宗
中国・上海駐在ロシア商務官ゴイエルの6月22日付報告書は、高宗が日本による併合の動きをかたくなに拒否し、ウラジオストク亡命を計画していることを示している。これまで、高宗が海外亡命を進めていた事実は知られていたが、ウラジオストクという具体的な場所や亡命の方法など、実行計画が明らかになったのは初めてだ。
またゴイエルは、上海を訪れた西北学会の指導者・李甲(イ・ガプ)の伝言を引用し、「数週間前に日本人たちが、一進会の対日併合請願に加担するよう、現皇帝(純宗)の説得を試みたが、皇帝は痛哭(つうこく)し、そんな措置に署名するならむしろ自ら命を絶つ方がましだ、と叫んだ」と伝えた。ロシアの外交文書から、純宗と高宗が、どちらも日本による併合に抵抗していた事実が明らかになったわけだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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