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大活躍しているニコライ・モロゾフについては、もはや詳しく説明するまでもないだろう。
コーチとしては荒川静香、高橋大輔、安藤美姫、織田信成、村主章枝。振付師としてはさらに多く、本田武史、竹内洋輔、恩田美栄、浅田舞…。日本選手たちと縁が深い人物であり、日本のファンは誰もがモロゾフの振り付け作品を思い描くことができる。現在のフィギュアスケート界で、最も注目されている振付師の一人だ。
もちろん、モロゾフが育てたのは日本人選手だけではない。タチアナ・タラソワとともに育てたアレクセイ・ヤグディンの「仮面の男」など、彼が滑った数々のモロゾフ作品は素晴らしかったし、ミシェル・クワンやサーシャ・コーエンら米国の一流選手たちも、自分の表現に行きづまった時、モロゾフの指導を受け、新しい道を見いだしている。
数ある彼の作品の中で私が最高だと思っているものは、荒川静香の2002―03年のSP「白鳥の湖」だ。この斬新な解釈の「白鳥」は、日本のクライズラー&カンパニーのCDを使っているのだが、彼は音楽にしてもダンスにしても、常に新しいものを勉強しているという。ふだんからCDショップに頻繁に顔を出し、音楽に詳しい店員と仲良くなるため、モロゾフが気に入りそうな新譜が出ると、わざわざ店が連絡をくれるという。そんな研究熱心な姿勢から生まれた作品が荒川の「白鳥」であり、またボンドの演奏するヤグディンの「ウィンター」。「ウインター」はタチアナ・タラソワの作品でもあるが、モロゾフのアイディアがなければ、この名プログラムは生まれなかったはずだ。
ニコライ・モロゾフは、勉強を重ね、真摯な努力を積み上げさえすれば、いいものが作れる振付師だと思う。しかしこの数年、彼の本領を発揮しきれていないことが気になっているのだが…。これは彼に限ったことではないが、振付師も一人でプログラムを作るよりも、優秀な制作パートナーがいたほうが、さらに良いものができることが多いようだ。モロゾフもタチアナ・タラソワと組んでいた時代、妻であったシェイリーン・ボーンと組んでいた時代に、より多く名プログラムを送り出している。
その点を考えると、現在振付師として最良のパートナーシップを持って活躍しているのがマリーナ・ズエワとイゴール・シュピルバンドだろう。彼らは先に述べたように、エレーナ・チャイコフスカヤの薫陶を受けたロシア人。現在は米国デトロイトのリンクを本拠地に2人でチームを組み、多数のアイスダンスカップルを育てている。(続く)
(2010年8月17日16時05分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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