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バンクーバーでは、五輪連覇を逃したプルシェンコだが、彼を追いかけるロシアの選手たちも、今、若手男子がどんどん4回転ジャンプに挑戦している。今年の世界ジュニア選手権でも、アルトゥール・ガチンスキー、アルトゥール・ドミトリエフといった選手が4回転に挑戦し、ドミトリエフはフリーで成功。ジュニアは多くの選手がトリプルアクセル(3回転半)までのジャンプでプログラムを完成させるなか、素晴らしい挑戦だ。
ちなみにこのロシアの若手2人は、プルシェンコを育てたアレクセイ・ミーシンコーチの門下生。ソチ五輪に向け、ロシアは世界を引っ張るようにして4回転で勝負をかけられる男子選手をたくさん育ててくるだろう。
そんな世界男子の流れのなか、彼らがスポーツに賭ける意気込みを評価するために、ルールの方も変わっていくべきではないかと思う。まずは、4回転の評価をもっと高くすること。また現在、3人のテクニカルスペシャリストの判断だけでジャンプの回転不足が判定されているシステムにも疑問がある。多少回転不足でも素晴らしい4回転には点数をあげたい、そうジャッジが思っても、現システムのままでは限界がある。
そうしたルールに対しても、今後4年間で見直しはされていくだろう。すでに来シーズンに向け、軽度の回転不足ジャンプには70%の点数を加算、転倒の減点幅の縮小、無難なダブルアクセル(2回転半)の得点減など、男子選手がより難しいジャンプを試みることを後押しする改正案が提出されている(ただこの案も、運用の際にはまださまざまな問題が発生しそうではあるが…)。
男子が4回転を跳ばずにチャンピオンになれる、そんな五輪は、おそらくバンクーバー大会が最後だ。ソチ大会に向けてはきっと、ソルトレークシティー大会やトリノ大会の時のように、4回転ありきの男子に戻っていく。
フィギュアスケートはやはりスポーツであり、スポーツである限り、技術は向上しなければならない。五輪種目である限り、人間の極限への挑戦は、いつの時代も必要だ。
フィギュアスケート男子の華は、4回転―。それが、理想ではないだろうか。(続く)
(2010年6月1日15時59分 スポーツ報知)
1946年7月4日、東京都生まれ。立大卒。選手時代はシングルとアイスダンスで活躍し、全日本選手権ダンス部門2連覇。現役引退後は日本スケート連盟で選手強化を手掛け、長野五輪からトリノ五輪までフィギュア強化部長を歴任。また、国際審判員とレフェリー資格を持ち、五輪をはじめ多くの国際試合でレフェリー&ジャッジも務める。
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