ウナギ偽装、転売先に禁止薬剤の説明なしイトーヨーカ堂(東京・千代田区)が中国から輸入したウナギかば焼きの輸入元改ざん問題は、神奈川県警が18日、関係者6人を食品衛生法違反容疑(虚偽表示)で逮捕して刑事事件に発展した。 転売されたかば焼きからは結果的に、使用が禁止されている合成抗菌剤「マラカイトグリーン」が検出された。しかし、関係者は、同社で輸入を担当した石原荘太郎容疑者(58)から、転売先の高山シーフード(東京・三鷹市)側に抗菌剤に関する説明はなかったと証言しており、食の安全がないがしろにされた可能性も出ている。 「ヨーカ堂さんが仕入れた商品をよそに売らないといけないのは、ただ事ではないと思った。でも、マラカイトグリーンの危険性は全く触れられなかった」。同容疑で逮捕された高山シーフード元社員、小池信行容疑者(47)は17日、読売新聞の取材に、転売交渉のやり取りをこう証言した。 イトーヨーカ堂によると、ウナギかば焼きは、中国から2003〜05年に同社が輸入。店頭販売を予定していた。当時は中国産ウナギから健康被害が疑われるマラカイトグリーンが相次いで検出され、消費者の買い控えが起きていた。 小池容疑者によると、食品業者の知人を通じ、石原容疑者らを紹介された。知人からは、「(イトーヨーカ堂で)商品がだいぶ残って困っている。協力してくれないか。商品に問題はないから」と説明を受けた。 イトーヨーカ堂によると、輸入したかば焼きは、中国での養殖池ごとに分けて自主検査を行った。一部でマラカイトグリーンが検出されたが、同社は検出が確認されなかった78トンを、取引関係のある日洋(東京都新宿区)を介して05〜06年、高山シーフードに転売したという。しかし、その後の横浜市の調査で、マラカイトグリーンが含まれる商品があった。 小池容疑者はイトーヨーカ堂側の対応について、「問題があったのなら(中国に)返品すればよかった。それをしなかったのはなぜなのか」と疑問を示した。 県警は、店頭販売にそぐわない商品を転売することで、石原容疑者らが仕入れの損失を回避する狙いもあったとみて捜査している。 ◇ イトーヨーカ堂の持ち株会社「セブン&アイ・ホールディングス」は18日、「イトーヨーカ堂社員が逮捕されたことは大変残念で、遺憾です。弊社では違法性はないものと信じておりますが、神奈川県警による捜査の行方を慎重に見守りたいと思います」とのコメントを出した。 (2010年8月18日16時26分 読売新聞)
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