1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:02:19.98 ID:rUXQ5N1BO
むかしむかしのお話です
むかしむかしのお話です
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:06:11.31 ID:rUXQ5N1BO
あるところに野望に満ちた男がいました。
( ^ω^)「どいつもコイツもブーン様の肥やしにしてやるお」
やがて野望は暴走し、
( ^ω^)「とりあえず黒魔術だお!」
( ^ω^)「ククク…世界を僕の物にしてやるお!」
禁忌にまで手は及びました。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:09:50.45 ID:rUXQ5N1BO
壷に幾つかの材料を入れていきます。
ヤモリのしっぽ、
蜘蛛の足、
満月の涙、
夜を溶かしたスープ、
置き去りにした悲しみの香辛料、
最後に男の生き血を少し、たらします
( ^ω^)「さあ!邪悪な魔女さん!僕に力を貸すお!」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:13:13.78 ID:kzEGPXlt0
おもしろそう
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:13:52.24 ID:rUXQ5N1BO
もくもく、もくもく
壷から煙が立ち込めます。
そして立つのは一人の女性。
ξつ△-)ξ「なによもう……」
男が呼び出した、魔女。
どんな願いも叶え、代償に、
来世を貰う。
そんな伝説の、魔女。
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:18:44.34 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚△゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
願いを叶えるということ。
それは呪縛、死して逃れられない地獄への道。
( ^ω^)「わかっているお!」
ξ゚△゚)ξ「……」
( ^ω^)「それでも僕はどんな奴よりも偉くなりたいんだお!」
そうして、
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:19:48.68 ID:rUXQ5N1BO
「わかったわ」
願いは始まりました。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:22:05.49 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)は最低な王様なようです
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:22:19.42 ID:Xu+QrxXMO
王様「の」ようです
じゃね?
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:26:13.80 ID:rUXQ5N1BO
(*゚ー゚)「……」
人々の足音に掻き消されそうな少女がいた。
純粋そうな瞳、しかしその実、何も見てはいない。
彼女には何も、ない。
(*゚ー゚)「今日はパン屋さんに行こう」
そこならば残飯を貰えるかもしれない。
もしも駄目なら?
その時はその時だ。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:29:33.79 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)「クックック…」
男は歓喜していた。
手に入れた。力を。
この世で今、なによりも頼りになる力。
財力を。
ξ゚△゚)ξ「三つまでなら聞くけど?」
( ^ω^)「どうしようも無いときに他はたのむお」
ξ゚△゚)ξ「ふうん」
( ^ω^)「お金があればなんだってできるお」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:30:35.34 ID:S/qdyvUNO
ふむふむ
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:34:01.90 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)「王様になるには使用人が必要だお」
金があれば、なんでも出来る。
食べ物が買える。
服が買える。
家が買える。
人が買える。
心だって、買える。
てくてくと町を歩いていく。
何を、買おうか。
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:40:24.92 ID:rUXQ5N1BO
(*゚ー゚)「どうかパンを頂けないでしょうか?」
(*゚ー゚)「どうにもお腹が空いて仕様が無いのです」
媚びを売るのは慣れている。
始めは四つの時、数では既に数え切れないくらいに売った。
(*゚ー゚)「お願いします」
それでも、
「家無しは店にはいるんじゃない!」
(*゚ー゚)「お願いします」
うまく行かないときは、
(*;ー;)「お願いします」
どうしようもなく惨めになる。
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:46:23.20 ID:rUXQ5N1BO
とぼとぼと帰路に立つ。
(*゚ー゚)「……」
ああ、死んでしまおうか。
それとも既に死んでいるような物か。
そんな少女にとって、
( ^ω^)「さあさあ!誰か僕に命を買われたい物はいないかお!」
目の前で人々に叫ぶ男は、
(*゚ー゚)「……」
救いのようにも見えた。
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:52:06.33 ID:rUXQ5N1BO
(*゚ー゚)「すみません」
( ^ω^)「なんだお?」
(*゚ー゚)「買われたらどうなってしまうのでしょう」
( ^ω^)「ふふふ…それはとてもひどいことになるんだお!」
(*゚ー゚)「ひどいこと?」
( ^ω^)「そうだおね、まず掃除や洗濯、食事の用意を全てさせるお!」
(*゚ー゚)「それから?」
( ^ω^)「以上!」
(*;ー;)「やります!嗚呼、神様ありがとう!」
(;^ω^)「え!?」
(*゚ー゚)
( ^ω^)
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:58:39.45 ID:rUXQ5N1BO
まずは一人目。
使用人の少女を男は買いました。
( ^ω^)「え…ありがとうって…え…」
(*゚ー゚)「さあ!何を致しましょうか!」
( ^ω^)「ええ……」
( ^ω^)(もっと買われるって嫌がることな気が……)
(*゚ー゚)「さあ!」
( ^ω^)「えっとじゃあとりあえず、」
(*゚ー゚)「はい!」
( ^ω^)「僕の住んでる小屋掃除で……」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:01:26.34 ID:oVKSn6YrO
まず家買えよwww
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:01:42.88 ID:rUXQ5N1BO
「小屋…ですか…?」
「お城が建設に時間がかかるなんて知らなかったんだお……」
「小屋ですね!掃除します!」
「君はなんでそんな元気なんだお……」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:07:38.23 ID:A55ZIUfWO
まずは一人目。
使用人の少女を男は買いました。
その様子を魔女は見ていました。
遠くからじっと見ていました。
ξ゚△゚)ξ「それであなたの願いは叶うのかしらね」
ξ゚△゚)ξ「時間は追ってくるわよ」
ξ゚△゚)ξ「逃げ切れるかしら」
ξ-△-)ξ「……まぁ、いいか」
「私には関係ないからね」
次の瞬間、彼女はそこには居ませんでした。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:10:04.88 ID:A55ZIUfWO
その1 使用人の話
おしまい
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:11:03.13 ID:9SXdKmkJO
つぎつぎ!
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:15:17.52 ID:A55ZIUfWO
お城が建った時まで時間は進みます。
( ^ω^)「クックック…ついに僕も一国一城の主だお……」
(*゚ー゚)(掃除が大変そう)
<ヽ`∀´>(お城で迷いそうニダ…)
( ^ω^)(迷ったらどうしよう……)
次は先程まで居なかった<ヽ`∀´>のお話です。
彼は男に雇われたコックでした。
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:16:45.20 ID:dcaDH/np0
ほうほう
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:21:44.72 ID:A55ZIUfWO
彼の一日は朝食の準備から始まります。
<ヽ`∀´>「朝ごはんはキムチと、」
<ヽ`∀´>「キムチと」
<ヽ`∀´>「キムチニダ!」
(*゚ー゚)「せめて卵ぐらい焼けるようになりましょうね…」
実は彼、全く料理が出来ません。
雇われるまではコソドロでした。
コックなんて縁のない仕事だったのです。
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:24:54.15 ID:A55ZIUfWO
少女を雇って少しした日の事です。
( ^ω^)「やはり王様にはコックが必要だお!」
(*゚ー゚)「包丁も無いのにですか?」
( ^ω^)
( ^ω^)「必要なんだお!」
男が目指すのは誰よりも上に立つ存在。
自分のイメージを崩すわけにはいきません。
男は町にコックを探しにいきました。
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:30:31.26 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……たったこれっぽっちニダ」
手の平に硬貨を乗せて数える男がいました。
何日も何ヶ月もその行為を繰り返しました。
何日も何ヶ月も何年も。
数える硬貨はそんな毎日を変えてはくれません。
<ヽ`∀´>「お腹すいたニダ…」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:34:22.50 ID:A55ZIUfWO
ふらふらといい匂いのする方へ歩きます。
何か買おう。
買って、それを食べて、考えよう。
こんな毎日はどうやったら変わるのか。
<ヽ`∀´>「……」
そんな時です。
<ヽ゚∀゚>「ニダッ!」
急に後ろから首を捕まれました。
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:34:47.10 ID:oVKSn6YrO
しぃが作ればいいんじゃ…
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:42:55.44 ID:A55ZIUfWO
( ・∀・) 「なあなあオッサン」
<ヽ;`∀´>「ああ…」
( ・∀・) 「泥棒は悪いことなんだよ?わかる?」
<ヽ;`∀´>「あ、ああ……」
( ・∀・) 「わかってるよ。わかってないからするんだ、そうだろ?」
首を掴んだのは盗んだお金の持ち主でした。
(#・∀・)「なんでこんなことするんかなあ!」
ばきり、顔に痛みが走りました。
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:46:44.22 ID:A55ZIUfWO
何度も殴られました。
何度も蹴られました。
男、ニダーは謝るばかりです。
(#・∀・)「謝るくらいならなんでやるんかなあ!」
<ヽ ∀ >「ごめんなさい、ごめんなさい」
悪い事なのは知っています。
人に迷惑がかかるのも知っています。
それでも彼にはそれしかなかったのです。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:52:29.10 ID:A55ZIUfWO
辞められるなら辞めています。
別の道があるならば、そちらへと。
でも、無い。
<ヽ-∀->「……」
他に道があったなら。
そんな事を思いながら道端にニダーは倒れていました。
こんな思いも一回や二回じゃありません。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:55:54.51 ID:9SXdKmkJO
むう…
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:59:01.01 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「コックはいないかおー」
男はコックを探します。
自分の、自分だけのイメージの王になるために。
人々に聞いて回ります。
( ^ω^)「コックにならないかお?」
しかし男の格好はみずぼらしくは無くても、極々普通。
そんな格好の男の誘いに乗るものは誰もいませんでした。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:03:05.34 ID:A55ZIUfWO
「コックはいませんかおー」
「どこかにコックはいませんかおー」
そんな声が聞こえます。
仕事の募集は稀にある事です。
だけれどニダーにそんな技術はありません。
<ヽ`∀´>「……」
目を覚ましても、そこでその声を聞くだけでした。
74 :ニダー終わったら一旦終わるよ:2010/07/05(月) 01:10:02.34 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……」
いつからそうして居たのでしょう。
小一時間たったころです。
(;^ω^)「全然見つからないお…」
ふらふらと歩く男が見えました。
<ヽ`∀´>(まだやってるニダ……)
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:16:18.64 ID:A55ZIUfWO
(;^ω^)「こんなことならしぃにコックも兼任で……」
(;^ω^)「いやっ!コックが作った物を使用人が運んで王様の場所まで持ってくるのが理想系だお!」
(;^ω^)「この町にコックはいないのかお……」
( ^ω^)
( ^ω^)「……閃いたお」
( ^ω^)「どなたか!どなたか!」
( ^ω^)「コックになりたい人はいませんかお!」
<ヽ;`∀´>「……」
そんな馬鹿な。
遠くで聞いていたニダーは呆れます。
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:23:04.84 ID:A55ZIUfWO
思わず近づいて聞きます。
<ヽ;`∀´>「ちょっといいニダか?」
( ^ω^)「なんだお?」
<ヽ;`∀´>「なんでそんなわけのわからない事を…」
( ^ω^)「わけがわからないなんて事はないお、最終的にコックが手に入ればいいんだお」
( ^ω^)「一刻も早く王様になるんだお!」
<ヽ;`∀´>(そのためコックは必要なのかニダ……)
( ^ω^)「何なら君でもいいお!」
<ヽ;`∀´>「えっ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:28:45.96 ID:A55ZIUfWO
(*゚ー゚)「あ、お帰りなさい」
( ^ω^)「しぃ!みてくれお!」
<ヽ;`∀´>「……」
(*゚ー゚)「コックさんですか?」
( ^ω^)「そう!コック(未来の)だお!」
<ヽ;`∀´>(大丈夫…ニダ…?)
不安に満ちた始まりでした。
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:30:44.25 ID:A55ZIUfWO
「得意料理はなんなんですか?」
「……キムチニダ」
「始めて聞く料理だお……」
「きっと凄い料理ですね……」
<ヽ;`∀´>(不安ニダ……)
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:32:17.85 ID:A55ZIUfWO
その2
コックの話 終わり
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 02:05:46.60 ID:8SoZX1o/0
この空気好き
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:31:23.76 ID:A55ZIUfWO
ちょきちょき、ちょき。
(私はハートの形に切ってほしい)
ぱちぱち、ぱちん
(僕は綺麗に切り揃えて欲しいんだ、そのままの姿がいいんだよ)
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:34:49.42 ID:A55ZIUfWO
「わかってる、わかってるよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(ありがとう)(こんな風になりたかったんだ!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:36:40.32 ID:A55ZIUfWO
僕は心を読めた。
人や、花や、木々の
どんな風に切れば木々が喜ぶかだって知っていた。
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:38:12.43 ID:A55ZIUfWO
嗚呼、だけど、
あなたの、あなたのためならば、
その3
庭師の話
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:42:51.72 ID:A55ZIUfWO
ショボンは心が読めました、
彼は庭師の息子に生まれ、
いつしか毎日仕事に励むようになりました。
(´・ω・`)「どうしたいのさ」
(星にしておくれよ、あの空に浮かぶ星に)
(´・ω・`)「わかったよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(わあ嬉しいな!ありがとうショボン!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:43:41.99 ID:9SXdKmkJO
ふむふむ
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:46:35.84 ID:A55ZIUfWO
植物の心を聞いて、切っていくと、
不思議と景色に彼等は溶け込んで、
世界を彩ってくれました。
「やあ!これは綺麗な庭だ!」
「きっと良い庭師がいるんだろうね!」
そんな声がよく聞こえてきました。
(*´・ω・`)(嬉しいな…)
ショボンもまんざらではありませんでした。
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:49:39.74 ID:A55ZIUfWO
ある日の事です。
ショボンはある良家の家に雇われました。
ショボンの腕を見込まれて、の事でした。
(;´・ω・`)(緊張するな……)
そこで彼は、
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:51:01.07 ID:apvleEQQ0
衣服を脱ぎ捨て産まれたままの姿になったのです。
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:52:35.87 ID:7pj10kEI0
>>137
おいこらww
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:56:27.69 ID:r/oQkczQ0
>>137
あまりにも不意打ちすぎてむしろ褒め称えたくなったwwwwwwww
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:53:45.23 ID:UeSLAfN70
何でだよwwwwwwwwwwwwって突っ込もうとしたらお前誰だよwwwwwwwwwwwww
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:53:53.62 ID:A55ZIUfWO
「紹介しておこうか、こちらが娘のクーだ」
川 ゚ -゚)「よろしく」
(*´・ω・`)「あ、よろしくお願いします」
(*´・ω・`)(綺麗な人だな)
始めての恋をしました。
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:57:07.94 ID:A55ZIUfWO
しかし所詮、彼は庭師。
身分違いの恋に夢見る事など彼には出来ませんでした。
(´・ω・`)「どうする?」
(私はシルエットが三角形になるようにしてほしいな!)
(´・ω・`)「はいはい」
ちょきちょき、ぱちん
いつものように庭の手入れをしていた日の事です。
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:02:22.96 ID:A55ZIUfWO
(綺麗な庭だな)
(;´・ω・`)(あ、)
声が、聞こえました。
それはこの家の、
川 ゚ -゚) 「……」
お嬢様の心の声でした。
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:06:22.24 ID:A55ZIUfWO
ショボンは恋い焦がれました。
嗚呼、どうしたらあの人に見てもらえるだろう。
嗚呼、どうしたらあの人の心に触れられるだろう。
毎日、そんな事ばかり考えていました。
ちょきちょき、ちょき……
(-@∀@)「どうしたショボン?元気ないぞ?」
(´・ω・`)「いや、ちょっと疲れただけだよ、大丈夫」
仲間の庭師にもそんな事を言われてしまいました。
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:10:37.96 ID:A55ZIUfWO
ある日、思いきってショボンはお嬢様に尋ねました。
午後の、彼女が庭でお茶をするときに勇気を出して。
(´・ω・`)「お嬢様」
川 ゚ -゚) 「ん?」
(´・ω・`)「お嬢様は、その、どのような庭がお好きですか?」
川 ゚ -゚) 「?」
川 ゚ -゚) 「私は今の庭が好きだぞ?」
(´・ω・`)「そうですか」
会話はそれだけ、ただそれだけでした。
でも、
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:13:53.86 ID:A55ZIUfWO
(この庭は好きだ)
(しいて言うなら、)
(私が好きな庭は……)
(こんな……)
(それで……)
その会話の中で、
お嬢様の心を覗きました。
どんな庭が好きなのか、
それをショボンは理解したのです。
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:17:47.33 ID:A55ZIUfWO
あなたが望むならそうしよう。
ちょきちょき、ちょき。
あなたがそれが好きならば、
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが少しでも喜んでくれるなら、
じゃきじゃき、じゃきん。
例えそれが報われない思いでも、
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:20:50.70 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
(待ってくれ!なんでそんな形に!)
じゃきじゃき、じゃきん。
(´・ω・`)「……」
(私はハートの形がいいの!どうして!?)
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが、あなたが望むなら。
ショボンは植物達の声を無視し続けました。
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:35:33.57 ID:A55ZIUfWO
ショボンは心を読まなくても優秀な技術を持っていました。
じゃきじゃき、じゃきん。
ぱちぱち、ぱちん。
(´・ω・`)(お嬢様の好みはこんな庭なんだな)
少し、心が痛みました。
植物達の声を無視して、勝手に切っていく事は、
まるで暴力を振るっているようでした。
164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:38:11.60 ID:A55ZIUfWO
やがて、
(頼むよ!どうして急に!)
彼には、
(聞いて……!いるん……!!)
ショボンには、
(……!……!!)
何も、
(…………)
何も、
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:40:24.23 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「静かだ……」
(´-ω-`)「とても、とても」
(´-ω-`)「押し潰されそうなくらい」
心の声が聞こえなくなりました。
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:42:08.91 ID:9SXdKmkJO
(´;ω;`)
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:44:38.44 ID:A55ZIUfWO
やがて時が経ち、
お嬢様が結婚することになりました。
(´-ω-`)「……」
わかっていました、報われない、
元から叶わぬ恋なのです。
でも、一つだけ、一つだけショボンは望んでいました。
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:49:13.01 ID:A55ZIUfWO
結婚式では雇われている者たちが皆でお嬢様に贈り物をするのです。
コックは料理を、
使用人たちは職人に美しいネックレスを頼んだそうです。
そして、
そして庭師は、
「ひとつ、何か植物のオブジェを作ろうじゃないか!」
これがショボンの目標でした。
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:53:34.86 ID:A55ZIUfWO
オブジェは庭師が全員で作ります。
ただ、それを先導するリーダーは一人です。
長い間仕えました。
長い間庭の手入れをしてきました。
長い間お嬢様の望む庭を作ってきました。
(´・ω・`)(リーダーは、僕だ……)
ショボンはそう信じていました。
それで、それで僕の恋は報われる。
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:59:14.79 ID:A55ZIUfWO
でも、
「オブジェを作る、リーダーは」
その願いは、
「アサピーだ」
(*-@∀@)「本当ですか!?」
「ああ、君だ」
(*-@∀@)「頑張ります!」
水泡に消えました。
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:01:47.09 ID:A55ZIUfWO
(;´・ω・`)「……え?」
誰よりもお嬢様の好みを理解した。
誰よりもお嬢様好みの庭にした。
ずっとずっと、
たくさんの声を無視してまで、
(;´・ω・`)「……」
ショボンは呆然と立ち尽くすだけでした。
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:03:27.80 ID:jVcJQ18OO
ショボン… 。・゚・(ノД`)・゚・。
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:04:10.02 ID:ZeD7i64n0
(´・ω・`)
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:06:57.45 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
夜に一人で庭の木々を見ていた時です。
とても懐かしい、彼等の声が聞こえてきました。
(アサピーは望んだように切ってくれたよ)
(私達の声は聞こえなかったけどね)
(彼は私達を見てくれていたよ)
いやだ、聞きたくない。
ショボンは耳を塞いでうずくまりました。
ずっと、ずっと。
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:12:04.35 ID:A55ZIUfWO
あなたのために切っていた。
あなたのために声を聞かなくなった。
あなたの望みを叶えたくて、
叶えたくて、
(´;ω;`)「……」
しくしくとショボンは泣くだけでした。
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:14:02.59 ID:9SXdKmkJO
おうふ
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:15:47.06 ID:A55ZIUfWO
結婚式の時です。
お嬢様と目が合いました。
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
とても透き通った目で、
ショボンには見つめる事など出来ず、
(;´・ω・`)「……」
思わず俯いてしまいました。
まるで、
まるでお嬢様の目が、
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:16:39.05 ID:A55ZIUfWO
「あの時の庭は素敵だったのに」
と、語りかけてくるようで、
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:22:05.31 ID:jVcJQ18OO
報われねえ…
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:25:04.84 ID:A55ZIUfWO
それからショボンは腑抜けてしまいました。
何をしてもぼんやりとして、
仕事にも身が入らなくなりました。
そして、
(´・ω・`)「さようなら……」
「さようなら」
ショボンは庭師を、
解雇されてしまったのです。
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:26:55.47 ID:ZeD7i64n0
(´;ω;`)
203 :すみませんなんか回線?が重いです:2010/07/05(月) 19:34:58.30 ID:A55ZIUfWO
小さい時から庭師の仕事だけを教えられてきました。
ただそれだけをやってきました。
それ以外の仕事なんて知りません。
色々な家の庭師になりました。
色々な家の要望に応えてきました。
「いまいちだなぁ……」
(´・ω・`)「……」
「他の人のがいいや」
いくら望みに応えても……いや、応えようとすればするほど、
ショボンからは魅力の無い物ばかり生まれました。
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:38:03.55 ID:A55ZIUfWO
いつしかショボンはふらふらと、
ふらふらとふらふらと、
あてもなく、旅をするようになりました。
目的も何も、何も残っていないのに。
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:41:18.41 ID:A55ZIUfWO
そんな毎日を何年も繰り返したある日の事です。
(;´・ω・`)「うわぁ……」
とても、とても汚いお城を見つけました。
城のあちらこちらにツタが張り、
木々は伸び放題。
ちっとも手入れがされていないようでした。
(;´・ω・`)「これはひどい」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:45:36.85 ID:A55ZIUfWO
(;´・ω・`)「……」
それは体に染み付いていたのかも知れません。
気がつけばショボンはハサミを手に持っていました。
伸び放題の木々をすこしづつ切り始めます。
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
(;´・ω・`)「……」
何も考えず、ただ思うがままに切って行きます。
ショボンはそれをとても懐かしく感じました。
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:46:53.58 ID:9SXdKmkJO
うむうむ!
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:48:10.05 ID:A55ZIUfWO
それは誰にも頼まれなかった事、
ぱちぱち、ぱちん。
それは自分で始めた事。
ちょきちょき、ちょき。
それは……
じゃきじゃき、じゃきん。
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:49:24.88 ID:IP/BsXM+0
これ絵本にしたいな
俺は出来ないけど
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:50:12.71 ID:A55ZIUfWO
(……)
(´・ω・`)「……」
(……!)
そしていつしか、
(ねえ……!…!)
(´・ω・`)「……」
無くしたはずの、
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:51:08.85 ID:hqNdyP6m0
おお・・・
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:53:11.67 ID:A55ZIUfWO
(僕はまあるくなりたいんだ!)
(私はハートがいいの!)
(綺麗にしてくれよ!伸び放題でうんざりなんだ!)
無くしたはずの声達が、
(((頼むよ!ショボン!)))
(´;ω;`)「うん、うん……」
帰ってきたのです。
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:54:08.22 ID:4GJvW8zd0
( ;∀;)イイハナシダナー
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:54:30.95 ID:z1fDroeNO
うっ…
224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:55:00.98 ID:8SoZX1o/0
感動なんかしてないんだからっ
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:56:54.36 ID:A55ZIUfWO
それはいつしか忘れていた気持ち、
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
じゃきじゃき、じゃきん。
彼等は話します。
どんな風に変わりたいか。
どんな風になりたいか。
(ショボン、君はどうしたい?)
(´;ω;`)「僕は……」
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:00:50.76 ID:A55ZIUfWO
(´;ω;`)「僕は……」
ずっと庭師として育てられた。
ずっと庭師として生きてきた。
だけどそれがずっと続いてきたのは、
(´;ω;`)「庭師として…生きていたいよ……」
それが本当に好きだったから。
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:03:06.33 ID:A55ZIUfWO
そんな時です。
「な、なんか城が綺麗になってるお!」
「凄いですねー」
「魔法みたいニダ!」
(´;ω;`)「ん……?」
何やら城から声が聞こえました。
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:10:06.71 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「ん?」
(*゚ー゚) 「あら」
<ヽ`∀´>「ニダ」
(´;ω;`)「……人がいる?」
放置されていると思っていた城から、
人が出てきたのです。
(ここの人だよ)
(太った人は王様なんだ)
植物達が教えてくれました。
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:11:43.56 ID:z1fDroeNO
なんだか心が温かくなった
240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:13:18.36 ID:UeSLAfN70
おいどうなってんだ庭師編で一つ出来上がってるぞwwww
比重がwwwwwニダーカワイソスwwww
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:14:09.42 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「これ、君がやったのかお?」
(;´・ω・`)「ええ…まあ……」
( ^ω^)「ふむふむ」
王様は考えました。
( ^ω^)(きっと彼は一流の庭師なんだお)
( ^ω^)(僕が城に引き止めれば彼の雇い主はとっても困るに違いないお!)
( ^ω^)(クックック…ノーとは言わせないお)
( ^ω^)9m 「君!」
(;´・ω・`)「は、はい!」
( ^ω^)9m「ここの庭師になりたまえだお!」
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:15:04.32 ID:UeSLAfN70
王様最高すぎる・・・
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:15:35.91 ID:jVcJQ18OO
なんという…( ;∀;)
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:17:53.28 ID:A55ZIUfWO
「え、いいんですか、やります!」
「え!?あ、もちろんだお!」
「わー凄いですね」
「綺麗な庭ニダ!」
(何かおかしいお……まあいいお……)
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:18:43.70 ID:A55ZIUfWO
その3
庭師の話 終わり
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:21:29.78 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)(ありがたい話しだ、本当に)
(´・ω・`)(でも、だからこそ、)
(´・ω・`)(気になった事がある)
(´-ω-`)(さっき少しだけ王様の心が読めた)
(´-ω-`)(王様、あなたは、)
(´-ω-`)(あなたはどうしてそんなにも……)
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:22:52.69 ID:A55ZIUfWO
(ずっと悲しんでいるのですか?)
その3
庭師の話 今度こそ終わり
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:24:22.66 ID:9SXdKmkJO
ほほう
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:01:39.02 ID:T3Jfa8wP0
このブーンは今のところいいことしてるな
どっから転がって最低になるのかな
それとも考えてることが最低ってだけか
271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:25:46.64 ID:p1LGDam90
<丶`Д´>少し扱いが酷いニダ<丶`∀´>謝罪と賠償を(ry
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:45:56.30 ID:A55ZIUfWO
ある日の事です。
(*゚ー゚)「王様、買い出しに行ってきますね」
( ^ω^)「行ってくるお」
<ヽ`∀´>「王様、キムチの材料買ってくるニダ」
( ^ω^)「行ってくるお」
(´・ω・`)「王様、僕も買い出しに行ってきます」
( ^ω^)「行ってくるお」
283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:50:28.89 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「お城って、もっとこう」
( ^ω^)「買いに行くんじゃなくて」
( ^ω^)「確か商人とかが…」
( ゚ω゚)「そうだお!全然商人とかがこの城きてないお!」
(;^ω^)「ぬかったお!」
(;^ω^)「こうなったら一流の商人を捕まえてコキ使ってやるおおお!」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「と、とりあえず探しに町にいくお」
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:52:11.15 ID:A55ZIUfWO
その4
商人の話
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:56:25.84 ID:A55ZIUfWO
ダイオードは商人です。
西から東、南から北、
注文があればどこへだって行きました。
/ ゚、。 /「はい、ご注文の物を2キロね」
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「いえいえ」
あの町この町、
色々な町でかけられる「ありがとう」がダイオードは大好きでした。
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:02:37.60 ID:A55ZIUfWO
「ダイオードさん!ダイオードさん!」
/ ゚、。 /「ん?」
l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃー」
/ ゚、。 /「こんにちは」
ある日、一人の少女に声をかけられました。
少女はいいます。
l从・∀・ノ!リ人「私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」
/*゚、。 /「照れるな」
l从・∀・ノ!リ人「私も商人になるのじゃ!」
嬉しいことです。
ダイオードはなんだか暖かい気持ちになりました。
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:05:19.38 ID:A55ZIUfWO
/*゚、。 /(笑顔を届ける、か)
帰り道で少女の言葉を思い出します。
その度にダイオードの顔には微笑が浮かびました。
/*゚、。 /(ずっとこんな毎日ならいいな)
そう、ぼんやりと思いました。
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:10:55.79 ID:A55ZIUfWO
けれども不穏な気配がありました。
/ ゚、。 /「槍、ですか」
「ああ槍だ!沢山頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体なんのために…」
「なあに、ちょっと城の警備を強くするだけだよ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
始めは西のお城の注文でした。
ダイオードはその要望に応えます。
それが商人の仕事だから。
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:12:30.83 ID:9SXdKmkJO
ふむ…
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:14:26.48 ID:A55ZIUfWO
次は東のお城です。
/ ゚、。 /「弓矢、ですか?」
「ああ!弓矢さ!とびきり精度の良いものを頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体どうして…」
「なあに!城で狩猟が流行っているだけさ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
何かがおかしい、そうダイオードは思いました。
けれどもダイオードは商人です。
それ以上は、何も言えませんでした。
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:15:49.77 ID:9SXdKmkJO
ふむふむ
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:17:36.81 ID:A55ZIUfWO
北のお城も
「剣を頼む!とびきり切れ味が良いものを!」
南のお城も
「鎧を頼むよ!どんな攻撃にも耐えられるやつをさ!」
みんな、普段とは違いました。
/ ゚、。 /(嫌な気持ちだ……)
ダイオードは不安でいっぱいでした。
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:22:15.42 ID:A55ZIUfWO
けれどもダイオードは商人です。
深入りなんて出来ません。
/ ゚、。 /(きっとこの仕事が終われば)
/ ゚、。 /(いつも通りさ)
そう思いました。
いや、そう信じたかったのです。
ダイオードは荷物を運びます。
西から東、南から北へ
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:26:33.91 ID:A55ZIUfWO
「ありがとう!助かったよ!」
「ありがとう!これで大丈夫だ!」
「ありがとう!百人力だ!」
「ありがとう!これで安心だ!」
西のお城も、東のお城も、
南のお城も、北のお城も、
みんな笑顔で「ありがとう!」といってくれました。
だけど、
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:28:10.77 ID:9SXdKmkJO
ゴクリ
314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:28:50.20 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /(嫌な気分)
その「ありがとう」がダイオードには、
/ ゚、。 /(言葉はおんなじなのに、)
とても、とても、
/ ゚、。 /(二度と、聞きたくない)
嫌な言葉に聞こえたのです。
316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:30:48.26 ID:A55ZIUfWO
そうして迎えたある日の事です。
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:36:14.87 ID:A55ZIUfWO
「大変だよ!大変だよ!」
/;゚、。 /「どうしたんですか一体」
商人仲間が大慌てでダイオードの下へ走って来ました。
息も絶え絶えで辛そうです。
なんとか落ち着かせよう、そう思った時でした。
「戦争だよ!戦争が始まったんだ!」
それはダイオードの視界すら歪めてしまう言葉でした。
327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:40:26.35 ID:A55ZIUfWO
/ ;、。 /「戦争…ですか…」
何でも無い、そう言っていたのに。
その言葉を信じて、いや……信じたかったのに。
「ああ!西も東も南も北も!」
「みんな戦争を始めてしまった!」
/ ;、。 /(わかっていた……)
/ ;、。 /(こうなることを私は……)
ダイオードの目からは、ぽろぽろと涙が落ちていました。
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:45:52.80 ID:A55ZIUfWO
戦争は全てを奪っていきました。
ある少女からは家族を、
(* ー )
またある男からも家族を、
<ヽ ∀ >
みんな奪っていきました。
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:47:42.05 ID:A55ZIUfWO
やがて戦争は終わり、
西からも東からも南からも北からも、
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:49:08.78 ID:A55ZIUfWO
お城は見えなくなりました。
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:53:59.95 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /「……」
焼け落ちた町は復旧の兆しを見せています。
とんてんかんかん、とんてんかん。
とんてんかんかん、とんてんかん。
釘をうち、新しく家を建てる音も聞こえます。
でも、
/ ゚、。 /(誰も笑顔じゃあ…無い……)
みんな悲しそうな顔をしていました。
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:00:16.72 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /(私は……)
その時、いつかの言葉が頭に過ぎりました。
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ)
/ ゚、。 /(笑顔を、届ける……)
/ ゚、。 /(私に出来る事は……)
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:03:41.19 ID:A55ZIUfWO
ダイオードは立ち上がり、動き出しました。
/ ゚、。 /(私は笑顔を、)
/ ゚、。 /(届けたいんだ)
西へ東へ
南から北へ
ありとあらゆる場所へ行きました。
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:07:49.81 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /「これ、注文されてた医療品です」
「おおお!ありがとう!」
そうして色々な場所へ行くうちに、
/ ゚、。 /「ご注文のお水です」
「まあ!ありがとう!助かるわ!」
人々にも笑顔が見えはじめました。
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:13:14.54 ID:A55ZIUfWO
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「どういたしまして」
行く先々で人々の、笑顔が見えるようになったころのことです。
ボロボロだった町も大分復旧していました。
/ ゚、。 /(次の仕事は、)
/ ゚、。 /(ここは……)
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:17:34.10 ID:A55ZIUfWO
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ゚、。 /(あの時の女の子がいた町……)
/ ゚、。 /(思えば私が頑張れたのもあの子の言葉のおかげだ)
思い出すだけで、じんわりとダイオードは心が暖かくなりました。
/*゚、。 /(また、会えるといいな)
ダイオードはウキウキしていました。
あの子になんてお礼を言おう。
私は笑顔を届けられているだろうか?
そんな事を考えました。
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:18:27.27 ID:9SXdKmkJO
む・・・
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:19:16.78 ID:1L2BmVXd0
これは…
362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:25:21.28 ID:A55ZIUfWO
町ではやはり暖かい声がダイオードを迎えてくれました。
(*´_ゝ`)「やあやあどうもダイオードさん!相変わらず美しいね!」
(´<_`;)「兄者…ダイオードさんは男だぞ……」
( ´_ゝ`)
(´<_`;)
(#´_ゝ`)「し、知ってるよ!男に美しいって言ってもいいだろ!」
(´<_`;)「兄者…キモいぞ……」
/;゚、。 /「と、とりあえずご注文の食料です……」
特徴的な兄弟でした。
兄弟は一人を二人に分けたようなうりふたつの外見でした。
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:30:57.46 ID:A55ZIUfWO
(*´_ゝ`)「おお!どうもありがとうございます!」
(´<_` )「ありがとうございますダイオードさん」
/ ゚、。 /「いえいえ」
そうだ、この二人にあの女の子の事を聞いてみよう。
そう、ダイオードは思いました。
特に深い理由などなく、ただ、なんとなく。
/ ゚、。 /「すみません、お二人さん、ちょっと女の子を知りませんか?」
聞いてみたのです。
370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:36:09.08 ID:A55ZIUfWO
( ´_ゝ`)「女の子ですか?」
(´<_` )「兄者に聞けばわかりますよ、リスト作ってるくらいだし」
( ´_ゝ`)「何故知っている……」
(´<_` )「昨日母者が見つけて燃やしてた」
( ´_ゝ`)「嘘だろ……俺のリストが……」
(´<_` )「諦めろ」
/;゚、。 /「あ、あの語尾に、のじゃー、って言ってた女の子なんですが」
( ´_ゝ`)「……ああ」
(´<_` )「妹者か……」
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:36:59.40 ID:WCPOTdO30
母者ww
373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:39:19.06 ID:A55ZIUfWO
( ´_ゝ`)「妹者は俺と弟者の」
(´<_` )「妹でしてね」
兄弟はぽつり、ぽつりと話し始めました。
/;゚、。 /「……」
ダイオードは不安を覚えました。
何か、何か二人の雰囲気が変わったように感じたのです。
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:40:40.90 ID:151SwBgm0
ひぃ
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:42:22.93 ID:z1fDroeNO
うわああ
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:44:20.19 ID:A55ZIUfWO
ダイオードには
「妹者は■■■ね」
「屋根が燃えて■■■■■」
辛い、辛い、
「それの下■■で」
「■■■■■くて」
事実が待っていました。
「■■■しまったんだ」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:45:13.42 ID:1L2BmVXd0
うあああ
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:49:12.03 ID:A55ZIUfWO
気づけばダイオードは泣いていました。
胸が、痛んで、涙が、あふれました。
/ ;、。 /
「あんたは何も悪くないよ」
「ダイオードさんはみんなに笑顔を届けているさ」
泣きじゃくるダイオードを兄弟は励ましました。
あなたは悪くない、ありがとう、と
/ ;、。 /(それでも、それでも私は)
390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:54:50.32 ID:A55ZIUfWO
/ 、 /(自分が許せない……)
/ 、 /(私が、私があの子を、)
/ 、 /(殺してしまったような物だから)
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ;、。 /(君には、笑顔、届けられたのかな?)
392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:56:51.65 ID:4VMoHbsh0
へ、へんだな……眼から墨汁が……
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:12:29.61 ID:4yWK2s590
>>392
変だな
393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:57:21.10 ID:A55ZIUfWO
ダイオードはそれからも、それでも商人を続けました。
「ありがとうねダイオードさん!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
それは贖罪でした。
ごめんなさい、ごめんなさい。
ダイオードの心はいつもそれでいっぱいでした。
399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:01:36.82 ID:IkGv3Ac2O
そうして町が完全に復旧したとき、
/ ゚、。 /(私は……)
/ ゚、。 /(これから何をすればいいのだろう…)
ダイオードには、
/ ゚、。 /(私は……)
何もありませんでした。
生きる目的も、理由も、
ただ、商人という仕事だけが彼にはありました。
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:06:02.35 ID:IkGv3Ac2O
ただ町に行き、
ただ注文を聞いて、
ただその通り商品を運ぶ、
そんな、そんな毎日でした。
商品を受け取る人は笑顔でも、
「ありがとう!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
ダイオードは笑顔ではありませんでした。
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:08:05.37 ID:IkGv3Ac2O
そんな、ある日の事です。
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:14:29.01 ID:IkGv3Ac2O
ダイオードの下へ一人の男がやってきました。
( ^ω^)「君は商人かお!」
/ ゚、。 /「そうですよ」
( ^ω^)「みつけたお!」
( ^ω^)「商人さん商人さん!僕のお城で働いてくれお!」
/ ゚、。 /「嫌です」
( ^ω^)「あ、えと」
/ ゚、。 /「絶対、嫌です」
( ^ω^)
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:15:26.13 ID:AZLPuyCm0
なんてこったい
411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:18:33.30 ID:2I9O1Kkp0
( ゜ω゜)「お断りをお断り」
413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:20:35.89 ID:IkGv3Ac2O
ダイオードはお城が嫌いでした。
大嫌いでした。
/ ゚、。 /「お城があって、領地があって、そんなのがあるから、人と人がバラバラになって」
/ ゚、。 /「そんなんだから」
( ^ω^)「……」
/ 、 /「戦争が…起こったんだ……」
/ 、 /「あの子が、いなくなっちゃったんだ」
ぽつぽつと、
ダイオードの感情がこぼれました。
415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:22:49.95 ID:IkGv3Ac2O
/ 、 /「あの子はなにも、」
/ 、 /「何も……」
/ ;、。 /「悪くなかったのに……」
( ^ω^)「……」
王様はただ、黙ってそれを聞き、
( ^ω^)フー
ひとつ小さく息を吐き、
( ^ω^)「商人さん」
言いました。
417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:23:48.18 ID:UeiTrvnF0
( ^ω^)「とりあえずケツだせお」
419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:26:36.08 ID:xKoAkSNx0
>>417
とりあえず校舎裏に来いや
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:29:25.91 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「それでもお城に来てくれお」
/#゚、。 /「だから私は!」
( ω )「僕は!偉くならなくちゃいけない!」
( ω )「誰よりも!他の奴らなんかより!ずっと!」
( ω )「僕の!僕の目的は!」
/;゚、。 /
( ω )
王様は、ダイオードにそっと耳打ちをしました。
424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:31:00.91 ID:UeiTrvnF0
( ω )「みんなのケツをほることだお」
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:32:27.83 ID:WJAoTXKY0
>>424
とりあえず校舎裏に来いや
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:34:40.56 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「……」
( ^ω^)「……」
/ ゚、。 /「あなたは、」
( ^ω^)「なんだお」
/ ゚、。 /「とても哀れな人だ」
( ^ω^)「なんとでもいえお」
/ ゚、。 /「そんな理由で王様に、偉くなろうと?」
( ^ω^)「そんな、理由じゃないお」
( ^ω^)「それだけ、の理由だお」
/ ゚、。 /「……」
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:39:02.72 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「待っていてください」
そう言うとダイオードはいそいそと支度を始めました。
( ^ω^)「来てくれるのかお!?」
/ ゚、。 /「……あなたは、私と同じですから」
( ^ω^)「来てくれるならなんだっていいお!」
こうして商人は、
王様の下へ。
435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:41:18.14 ID:IkGv3Ac2O
「ただいまだお!商人を連れて来たお!」
「あ、王様、買い出し一年分終わりました」
「キムチも一年分買ったニダ!」
「ハサミも……」
「お!?おおお……」
(私は必要なんだろうか……)
437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:42:37.13 ID:IkGv3Ac2O
その4
商人の話 終わり
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:47:02.91 ID:4yWK2s590
キムチ買ってんじゃねえよ作れよwwwwwwwwwwwwwwwww
526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 20:54:01.91 ID:IkGv3Ac2O
彼は王様になりました。
使用人を見つけました。
コックを見つけました。
庭師を見つけました。
商人を見つけました。
彼は、自分の目標としていた王様になったのです。
531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 20:55:58.74 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「それで?」
( ^ω^)「……」
ξ゚△゚)ξ「あなたの本当の願いは、」
王様が、本当に、本当に、願っていたことは、
ξ゚△゚)ξ「叶ったの?」
( ^ω^)「……まだだお」
未だに叶ってはいませんでした。
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 20:58:08.71 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
こうして魔女と話す事は何回目でしょう。
毎回おんなじ内容です。
「あなたの願いは叶ったの?」
答えはいつも同じでした。
535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:00:17.43 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「ま、どうでもいいけどね」
( ^ω^)「……」
ξ゚△゚)ξ「でもね、」
( ^ω^)「……」
ξ゚△゚)ξ「時間はどんどん近づくわ」
( ^ω^)「わかっているお」
終わりはいつもこの会話。
そうして魔女はどこかへ行ってしまうのです。
538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:08.58 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「……」
王様一人の部屋に、響く音。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
( ω )「……」
王様の、咳込む音でした。
誰にも聞かせていない、音でした。
539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:44.71 ID:d5Ho/GOoO
なんと
540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:57.41 ID:l3dUzwO50
いう
541 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:04:43.72 ID:jq5u4DlB0
ことでしょう・・・
542 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:05:38.90 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「ねえ王様!今日はお皿をピカピカにしたんですよ!」
( ^ω^)「これは凄いお!輝いているお!」
それでも毎日は続きます。
(*゚ー゚) 「今日はお部屋の隅々まで磨いたんですよ!」
( ^ω^)「おおう!滑ってしまいそうだお!」
毎日は、続きます。
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:08:14.87 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「王様!新しいキムチ料理ニダ!」
( ^ω^)「おっお!これは辛くて美味しいお!」
王様はそんな毎日を、
<ヽ`∀´> 「王様!キムチ以外の料理を作ったニダ!」
( ^ω^)「流石我がコックだお!これで僕もより一層偉くなるお!」
いつしか好きになり、
548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:10:36.06 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「どうですか王様」
( ^ω^)「流石ショボンだお。美しい庭だお」
いつしか大切に思うようになり、
(´・ω・`)アイカッチュー
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
いつしか、
550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:12:09.98 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「今日は美味しいお肉ですよ」
( ^ω^)「素晴らしいお!夕食が楽しみだお!」
そんな毎日が、
/ ゚、。 /「まあキムチ……」
( ^ω^)「キムチ……」
何より愛おしく思うようになりました。
552 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:13:19.17 ID:IkGv3Ac2O
でも、
561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:15:04.72 ID:IkGv3Ac2O
大切で
愛おしくて、
かけがえの無いものでも、
563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:16:39.67 ID:IkGv3Ac2O
王様の願いには変わりません。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
( ω )「……」
だから、だから、
だから王様は……
566 :ゴメン「アイカッチュー」はただのパロ:2010/07/06(火) 21:20:21.45 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「おまえら全員クビ」
(*゚ー゚)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ^ω^)「野垂れ死ねバーカ」
そういう道しか選べなかったのです。
568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:21:43.88 ID:l3dUzwO50
なんだとー
571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:22:49.48 ID:IkGv3Ac2O
*****
「しつもんがありまーす」
「なんだい?」
「魔女は伝説だとききました」
「そうだね」
「どうして伝説なのですか?」
「それはね、」
573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:25:11.91 ID:IkGv3Ac2O
「坊やに、魔女は願いを叶えると教えたね」
「はい、教えてもらいました」
「大抵の願いってのはね、」
「はい」
「魔女に頼む必要なんて無いんだ」
「?」
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:30:34.32 ID:IkGv3Ac2O
「地位が欲しい男は魔女を呼ぼうとした」
「……」
「だけど魔女を呼ぶよりも、努力して偉くなる方がずっと簡単だったんだ」
「……」
580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:32:48.46 ID:IkGv3Ac2O
「お金が欲しい男がいた」
「……」
「だけど同じような伝説の錬金術を探すほうが、」
「……」
「ずっとずっと簡単だったんだ」
「……」
「魔女には代償として来世が奪われるからね、みんなそっちを選んだ」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:35:16.93 ID:IkGv3Ac2O
「じゃあ、じゃあどうして王様は魔女を選んだんですか?」
「……世界のどこにもね、」
「……」
「人を生き返らせる伝説はなかった」
「魔女なら?」
「魔女でも無理さ」
「じゃあどうして!」
「魔女はね、自分が無いんだ」
「自分が?」
591 :>>583ゴメン「が」だった:2010/07/06(火) 21:40:17.32 ID:IkGv3Ac2O
「魔女を呼び出すために必要な、悲しみの香辛料、呼び出す者の生き血、」
「……」
「その中にある、気持ちから魔女は、姿を作る、顔も性格も、」
「……」
「魔女の姿がここの文献に無いのはそういう理由なんだ」
「じゃあ、王様は」
「……」
*****
592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:42:12.71 ID:IkGv3Ac2O
その5
王様の話
599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:47:54.85 ID:IkGv3Ac2O
それは彼がまだ、幼かった日の事です。
( ^ω^)「僕は王様になるお!」
ξ*゚△゚)ξ「ふーん」
( ^ω^)「そしたらツンはお妃様だお!」
ξ*゚△゚)ξ「……ありがとう」
( ^ω^)「約束だお!」
ξ*゚△゚)ξ「うん……」
それは子供達の約束、
どこにでもある、小さな約束。
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:51:09.98 ID:IkGv3Ac2O
二人はとても仲良しでした。
ξ*゚△゚)ξ「お花の飾りはこうやって作るの」
( ^ω^)「おおー、ツンは物知りさんだお!」
ξ*゚△゚)ξ「ふ、普通だよ」
( ^ω^)「それでも僕は知らなかったお!だから凄いお!」
ξ*゚△゚)ξ「ありがとう……」
毎日のように二人は遊びました。
二人は毎日を輝くような笑顔で過ごしていました。
606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:53:55.14 ID:IkGv3Ac2O
やがて二人が大人に近づいていって、
関わり方が変わっても、
( ^ω^)「今日はお仕事だお!」
ξ゚△゚)ξ「……気をつけてね」
( ^ω^)「おっおwwwwツンにそう言って貰えるだけで百人力だおwww」
ξ*゚△゚)ξ「バカ……」
二人はとても仲良しでした。
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:55:46.45 ID:IkGv3Ac2O
だけど……そんな日々は続きませんでした。
611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:57:12.89 ID:IkGv3Ac2O
西のお城と、
東のお城と、
南のお城と、
北のお城が、
みんながみんな、
戦争を始めたのです。
615 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:58:02.60 ID:l3dUzwO50
ダイオードの闇
617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:59:59.99 ID:IkGv3Ac2O
二人は離れる事になりました。
男は戦場へ、
( ^ω^)「待っててくれお」
ξ;△;)ξ「絶対…帰って来てね……」
( ^ω^)「もちろんだお!」
彼女を守るために、
戦場へ。
622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:03:38.33 ID:IkGv3Ac2O
殺しました、
何人も何人も、
(# ω )「うおおおおお!!」
ただ、ただ守りたかったから、
ただ、ただ彼女の下へ帰りたかったから、
( ;ω;)「うおおおおお!!!」
その、一心で、
何人も、何人も、
殺しました。
624 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:04:10.42 ID:3CLX2r2UO
お、おかしいな、画面がぼやけるんだけど
627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:05:38.35 ID:IkGv3Ac2O
だけど、だけど、
戦争が終わって、
ようやく、ようやく戦争が終わって、
628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:05:45.44 ID:tjou+UXP0
切ねェ…
630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:07:07.02 ID:IkGv3Ac2O
( ω )「……」
彼が自分の居た場所へ帰った時には、
633 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:11:01.60 ID:IkGv3Ac2O
( ω )「どうして無いんだお……」
( ω )「僕の家も、向かいのおじさんの家も」
( ω )「となりのおばさんの家も、公園も、僕の町も」
( ω )「ツンの、家も……」
( ω )「どうして……」
( ;ω;)「どうして何も無いんだお!!!」
「どうして!!!!!」
636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:12:10.36 ID:IkGv3Ac2O
何も、残ってはいませんでした。
638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:12:39.03 ID:d5Ho/GOoO
むう…
641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:15:48.26 ID:IkGv3Ac2O
「あの村?」
「ああ襲われたんだって?」
「きっとみんな■■ちゃいないよ」
「みんなみんな■■じまった」
「酷いことをするよな」
645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:18:43.24 ID:IkGv3Ac2O
不快な言葉を何度も聞きました。
何度も、何度も、
( ω )「生きてるお」
だけど彼は、
( ω )「きっとツンは生きてるお」
( ω )「死体が無いお、墓が無いお」
(# ω )「だから絶対に生きてるお!」
それを信じようとはしませんでした。
647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:19:49.65 ID:0Z/rEhr/0
死者の思い出に縋る愚か者め…!
とは言えない
648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:20:22.70 ID:IkGv3Ac2O
彼は探しました。
ツンを、大切な人を、
西へ東へ、
南へ北へ、
彼は探しました。
649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:22:03.30 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
( ω )「見つからないお」
西も東も、
( ω )「見つからないお」
南も北も、
(# ω )「どうして見つからないんだお!!!」
どこにも彼女はいませんでした。
651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:24:40.97 ID:IkGv3Ac2O
( ;ω;)「……」
西にも東にも南にも北にも、
どこを旅しても、
彼女はいませんでした。
( ;ω;)「ツン……」
悲しみに沈みそうな、
そんな時でした。
彼がそれを、
思い出したのは。
656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:26:47.15 ID:IkGv3Ac2O
「僕は王様になるお!」
「ふーん」
「そしたらツンはお妃様だお!」
「……ありがとう」
「約束だお!」
「うん……」
それは幼い日の約束。
658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:28:46.52 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「僕は、」
もしも偉くなったら、
もしも王様になったら、
彼女が僕を、
彼女が僕を見つけてくれるかも知れない。
( ^ω^)「王様に、なるお」
もう一度、会えるかも知れない。
664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:33:57.73 ID:IkGv3Ac2O
彼女を探す旅で彼は色々な事を知っていました。
魔法のような事だって、
錬金術だって、
なんだって知っていました。
だけど、
それでも彼は、
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚△゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
魔女を、呼びました。
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:38:09.60 ID:IkGv3Ac2O
もしかしたら、
もしかしたら、彼はわかっていたのかも知れません。
彼女が、
彼女が、もういない事を。
それでも彼は、王様は、
いびつに歪んだ夢を、それだけを信じて、
(; ω )「ガハッ!ガハッ……ツン」
生きてきたのです。
673 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:43:48.13 ID:IkGv3Ac2O
(; ω )「……」
ξ゚△゚)ξ「……」
それはもう何回目かすらわからない会話の時でした。
ξ゚△゚)ξ「このまま、終わる?」
(; ω )「……」
ただ、
ξ゚△゚)ξ「まだ二つ、願いを叶えられるのに……」
(; ω )「……」
今日は少しだけ違いました。
677 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:48:25.30 ID:IkGv3Ac2O
それは彼の記憶が魔女に影響したのかもしれません。
ξ゚△゚)ξ「このままだと、死んじゃうよ?」
( ω )「……」
ξ゚△゚)ξ「ねえ、それでもいいの?」
( ω )「……」
ξ;△;)ξ「ねえったら!」
それは、
まるで、彼女が言うような言葉、
682 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:51:22.90 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
( ω )「……いいんだお」
ξ;△;)ξ「……」
( ω )「もう……いいんだお魔女さん……」
( ω )「ツンは、ツンはきっと、」
王様は、彼は、
( ;ω;)「死んでしまったんだお……」
疲れてしまっていました。
683 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:51:57.75 ID:avSpbj9U0
これはある意味リアルタイムで見たくなかった
685 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:54:19.80 ID:IkGv3Ac2O
ξ;△;)ξ「……」
( ω )「もう叶えられる願いなんて、しらないお」
ξ;△;)ξ「……」
( ω )「……彼等に、」
ξ;△;)ξ「彼等?」
( ^ω^)「僕が、追い出してしまった彼等のために、」
「使ってくれお」
687 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:55:30.87 ID:IkGv3Ac2O
ふたつめの願いは、
家臣達の幸せ
691 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:59:57.30 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「無くしたい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、無くしたい事」
ダイオードは城を追い出されても商人でした。
魔女の存在を知っても、
「ああ、そうだったのか」
と納得するだけでした。
いくら願いでも無条件に幸せには出来ません。
だから、代わりに彼等の、
後悔した事や、
忘れたい記憶を、
無くすことにしたのです。
694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:04:22.97 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
/ ゚、。 /「無いよ」
ξ゚△゚)ξ「無い?」
ダイオードはそれを断りました。
/ ゚、。 /「ああ、私に消したい事なんて無いんだ」
ξ゚△゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「忘れたい過去はあるけどね」
/ ゚、。 /「……でも、それは忘れちゃいけない事だ」
ξ゚△゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「絶対に、忘れちゃいけない事なんだ」
699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:07:03.54 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「そう……」
/ ゚、。 /「ああ、だから他な奴のとこへ行きなよ」
ξ゚△゚)ξ「……わかったわ」
そういって、魔女が別の家臣の下へ行こうとした時です。
/ ゚、。 /「ああ、代わりと言ったらなんだけど」
ダイオードは言いました。
701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:08:14.22 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「王様を幸せにしてやってくれ、彼は私と同じだから」
703 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:10:41.73 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「消したい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、消したい事」
次は庭師のショボンです。
彼もまた、事情を話すと、
「ああ、知ってるよ」、と言いました。
708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:13:21.78 ID:IkGv3Ac2O
でも、
(´・ω・`)「消したい事なんて無いよ」
ξ゚△゚)ξ「……」
ショボンもまた、
消す事を、断りました。
(´・ω・`)「無いんだ、消したい事なんて」
ショボンの両目は、全てを見透かしているようでした。
714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:19:04.14 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「後悔している事はあるけれど」
ξ゚△゚)ξ「……」
(ねえショボン!僕は星がいいなあ!)
(ショボン、四角とかはできないかなあ)
その時、魔女にも、声が聞こえました。
(´・ω・`)「声の大切さに気づけた、だから、いらないよ」
ξ゚△゚)ξ「そう……」
そうして魔女が他の家臣の下へ行こうとした時です。
(´・ω・`)「ああ、代わりに頼みたいんだけど」
ショボンが言いました。
716 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:20:30.08 ID:Dukf1gCT0
なにこのとっても素敵な話
718 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:20:51.80 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「王様を幸せにしておくれ、また声が聞こえたのは彼のおかげみたいな物だから」
723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:26:07.57 ID:IkGv3Ac2O
そうして次はコックです。
「いまさら何しに来たんだよ!」
<ヽ;`∀´> 「ごめんなさいニダ。本当に、すみませんニダ」
だけれど魔女は彼に近づけません。
彼が沢山の人に謝っていたから。
ずっと、ずうっと。
727 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:26:58.17 ID:j+jftkpy0
ニダー改心してやがって泣かせるわ
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:29:18.78 ID:IkGv3Ac2O
「これ、お詫びの料理ニダ……キムチじゃないニダ……」
「いらねえよ!そんなもん!」
そんなやりとりを何回もニダーはしていました。
何回も何回も、
そして、
「……まあ、受け取ってやるよ、二度と盗みなんてするなよ」
<ヽ*`∀´>「ありがとうございますニダ!」
許してくれる人も、
出てきました。
740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:32:27.27 ID:IkGv3Ac2O
そうして、ようやく話せるようになりました。
<ヽ`∀´> 「消したい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、消したい事」
ニダーも魔女の事を聞いても驚きませんでした。
「王様は凄いから何でも出来るニダ」、と言うだけでした。
ただただニコニコしてました。
742 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:32:48.21 ID:u4nM9/Vy0
このきむちはなんだろう~♪
743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:33:08.73 ID:Ej96CjK90
これはほんのキムチですが・・・
744 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:34:33.40 ID:MZzrVB1E0
>742-743
ちょっと表出ろ
747 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:35:44.34 ID:IkGv3Ac2O
そして、
<ヽ`∀´> 「消したい事なんて無いニダ」
ξ゚△゚)ξ「何も?」
<ヽ`∀´> 「なあんにも無いニダ」
ニダーも二人のように、
<ヽ`∀´> 「後悔している事はあるニダ」
<ヽ`∀´> 「でもそれを忘れちゃいけないニダ」
言ったのです。
755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:38:28.00 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「さ!まだまだ謝る人は沢山いるニダ!」
ξ゚△゚)ξ「そう……」
<ヽ`∀´> 「頑張るニダ!」
ξ゚△゚)ξ「……」
そうして魔女がまた別の家臣の下へ行こうとした時です。
<ヽ`∀´> 「あ!もしよければ!」
ニダーが言いました。
756 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:38:43.88 ID:USQ9NXp70
これはいいニダー、いや稀なニダー
759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:39:48.64 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「王様に幸せを!王様はウリを助けてくれたニダ!」
760 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:40:40.16 ID:XvmVw5fW0
何を言うかわかってても涙が・・・
768 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:43:36.02 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「消したい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、消したい事」
最後は使用人のしぃでした。
(*゚ー゚) 「……」
ξ゚△゚)ξ「……」
彼女は、
(*゚ー゚) 「あるよ、消したい事」
ξ゚△゚)ξ「それは、なに?」
(*゚ー゚) 「……」
彼女だけは、
770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:44:41.96 ID:IkGv3Ac2O
「王様と会ってからの記憶を消して欲しいな」
消す事を、願いました。
771 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:45:34.19 ID:u4nM9/Vy0
おい しぃふざけんな
キムチぶっかけるぞ
772 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:46:22.86 ID:VsoKiWkw0
いやいやここは何かあるんだろう
773 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:46:45.71 ID:TAq/Moc70
多分しぃは強い子
774 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:47:13.50 ID:0jOygmei0
予想外
776 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:47:53.74 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「あんな楽しい毎日なんてなかった」
ξ゚△゚)ξ「……」
(*゚ー゚) 「もう、来ない日々なら、消して欲しい」
ξ゚△゚)ξ「……いいの?」
(*゚ー゚) 「うん……」
ξ゚△゚)ξ「……わかった」
(*゚ー゚) 「……」
そうして、魔女が魔法を唱えようとしたときです。
777 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:48:32.52 ID:u4nM9/Vy0
キムチがとんできました。
808 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:02:25.44 ID:AjpHjaWvP
>>777にやられた('A`)
784 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:50:31.30 ID:VsoKiWkw0
>>777
屋上
790 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:52:40.84 ID:IkGv3Ac2O
「……!!!」
ξ;゚△゚)ξ「……!!!!」
無理矢理に口を押さえ付けられました。
ξ;゚△゚)ξ「ちょっと!何するの!」
(*;ー;)「駄目っ!絶対に駄目っ!」
ξ;゚△゚)ξ「あなたが望んだのよ!?」
(*;ー;)「忘れたい!忘れたいけど!」
「それでも毎日は本当に楽しかった!」
801 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:55:48.50 ID:IkGv3Ac2O
ξ;゚△゚)ξ「……」
(*;ー;)「私…楽しかった……本当に…楽しかった……」
ξ;゚△゚)ξ「……」
(*;ー;)「ごめんなさい、わがまま言って」
(*;ー;)「私…やっぱり何も、消したく無い……」
(*;ー;)「忘れたく、ない……」
ξ;゚△゚)ξ「……」
804 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:58:35.12 ID:IkGv3Ac2O
ξ;゚△゚)ξ「じゃあ、何も、望まないのね?」
(*;ー;)「……うん」
ξ;-△-)ξ「……わかったわ」
ああ、またか、
そう思い、城に魔女が戻ろうとした時です。
(*;ー;)「もし、もしよかったら!」
しぃが叫びました。
806 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:00:21.29 ID:zQYqJEL4O
(*;ー;)「王様に幸せを!あの人が拾ってくれたから楽しい日々に会えた!」
807 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:01:51.64 ID:zQYqJEL4O
そうして、
商人と、
庭師と、
コックと、
使用人な願いを抱いて、
魔女は城へ戻りました。
818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:06:43.09 ID:zQYqJEL4O
( ω )「……」
そして、
( ω )(なんだお……)
そして王様の病は治り、
( ω )(なんだか…暖かいお……)
「…!……!!」
( ω )(何か、何か聞こえるお……)
「…様!王様!」
( ω )(みんなの…声?)
そして彼の周りには、
826 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:10:14.76 ID:zQYqJEL4O
(*;ー;)「王様!王様!」
使用人の少女と、
<ヽ*`∀´>「起きたニダ!」
泥棒だったコックと、
(´・ω・`)「よかった……」
心の読める庭師と、
/ ゚、。 /「……」
過去と向き合う商人と、
829 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:10:41.36 ID:LLhp0Y2x0
と、!
832 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:12:09.55 ID:K6Nfaj4PO
と!!!!
836 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:13:51.59 ID:zQYqJEL4O
「本当に、」
彼が聞いた声は、
( ω )(え……)
( ω )「……まさか」
そして、
「本当に王様になったんだ……」
そしてそれは、彼が求め続けていた、
837 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:14:18.20 ID:sWpFsG5E0
画面がキムチでぼやけて見えない
842 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:14:42.56 ID:YneATzJS0
目からキムチが・・・
844 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:15:10.01 ID:zQYqJEL4O
ξ*゚ー゚)ξ「おめでとうブーン」
845 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:15:29.56 ID:WsndourEO
おおっ?
849 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:16:13.43 ID:zQYqJEL4O
彼女の、声でした。
856 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:18:53.14 ID:zQYqJEL4O
そこで王様は目覚めました。
(;゚ω゚)「ツン!」
聞いた、確かに聞いた。
彼女の声を、求めつづけた、
彼女の声を。
(;゚ω゚)「……」
だけど、彼の周りには誰もいませんでした。
あんなにも、あんなにもリアルに、
声が聞こえたのに。
857 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:19:20.64 ID:12/PHnLyO
(´;ω;`)
859 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:19:32.05 ID:fv3C9JSO0
うわああああ
861 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:19:57.45 ID:LLhp0Y2x0
やっぱりそうだよな・・・
863 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:21:57.05 ID:zQYqJEL4O
( ω )「やっぱり……」
嗚呼、何も、何も無いんだ。
僕には、何も、無い。
再び王様が悲しみに染まり始めた時です。
(*゚ー゚) 「王様」
そこに使用人の少女が、いました。
872 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:27:53.35 ID:zQYqJEL4O
( ω )「しぃかお」
(*゚ー゚) 「悲しい、夢を……見たんですか?」
( ω )「……そうだお、悲しい、とても悲しい夢だお」
( ω )「僕に、何も無い事を、実感してしまう……」
( ω )「悲しい…夢だお……」
(*゚ー゚) 「王様」
( ω )「なんだお」
(*゚ー゚) 「私には家族がいません」
(*゚ー゚) 「戦争で失いました」
(*゚ー゚) 「コックのニダーさんも、そうらしいです」
( ω )「……」
876 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:31:52.25 ID:6tW9jfk50
なんでブーン系書く人って文才ある人ばっかなん?
へこむわ
880 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:33:17.56 ID:u1j9AunS0
>>876
ブーン系書く人が天才なのではなく、天才がブーンを選んでるだけの事です
878 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:32:54.16 ID:zQYqJEL4O
(*゚ー゚) 「でも、でも私は、手には、まだ残っている物があります」
( ω )「……」
(*゚ー゚) 「王様、あなたがくれたのです」
(*゚ー゚) 「私だけじゃない……」
(*;ー;)「ニダーさんや、ショボンさんや、きっとダイオードさんだって!」
(*;ー;)「王様がくれた物を持ってるはずです!」
( ω )「……」
(*;ー;)「王様……それでも、あなたには、あなたの手には、」
(*;ー;)「何もありませんか?」
883 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:34:41.10 ID:zQYqJEL4O
ぽたり、と
涙が落ちました。
893 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:39:43.68 ID:zQYqJEL4O
( ;ω;)「……あるお」
( ;ω;)「僕には…沢山の物が、まだ……」
ハラハラと、王様の目からは涙が落ちていました。
泣いて、泣いて
泣いて。
部屋には二人の泣く音だけが響いていました。
それと、
895 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:40:48.31 ID:zQYqJEL4O
<ヽ;`∀´>「王様泣いてるから励ましに入るニダ!」
(;´・ω・`)「やめなよ」
/;゚、。 /「やめといた方が……」
<ヽ;`∀´> 「な、なんで?」
(´・ω・`)/ ゚、。 /「空気を読んで」
部屋の外では不安そうにしている彼等もいました。
904 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:45:34.96 ID:zQYqJEL4O
一番に取り戻したい、無くした物は帰って来ませんでした。
しぃとニダーの家族、
ショボンのチャンス、
ダイオードの出会った少女、
だけど、だけど、
( ;ω;)
(*;ー;)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
彼等には、まだ残っている物もありました。
906 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:46:48.06 ID:zQYqJEL4O
そして
909 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:49:32.37 ID:zQYqJEL4O
ξ゚△゚)ξ「最後の願いが決まった?」
( ^ω^)「そうだお」
家臣が城に帰ってしばらくした日の事です。
魔女と王様はいつもとは違う話をしていました。
ξ゚△゚)ξ「まあいいけど、どんな願い?」
( ^ω^)「それは」
915 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:53:40.10 ID:zQYqJEL4O
*****
「魔女はね、可哀相なんだ」
「魔女がですか?」
「呼び出した者から奪うだけ、」
「……」
「魔女には何もないんだ、何も」
「……王様は、どうしたんですか?」
「それはね」
*****
919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:56:51.54 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)「魔女さん、あなたに」
ξ゚△゚)ξ「私に?」
( ^ω^)「『自分』を作ってあげたいお」
( ^ω^)「それが三つ目の願いだお」
そう、王様が言った時でした。
ξ;゚△゚)ξ「あ……」
魔女を、光が、包んだのです。
926 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:02:25.99 ID:zQYqJEL4O
そして、魔女は、自分を手に入れて、
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ^ω^)「ツンに妹がいたらこんなんだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとう」
( ^ω^)「おっおwwwたいした事ないおwww」
ζ(゚ー゚*ζ「私に頼った人は少ないけど、こんな願いあなたが始めてだよ」
( ^ω^)「おっおwwww」
ζ(゚ー゚*ζ「……お礼に、奪わないであげる」
( ^ω^)「お?」
次の瞬間には、魔女はもうそこにはいませんでした。
934 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:07:17.64 ID:zQYqJEL4O
*****
老人に近い男は子供に童話を話していた。
話しは時期に終わりそうで子供は興奮し、鼻息を荒げ、話しを聞いていた。
「それで!?それから王様達はどうなったんですか?」
「実はなあ、この先はなあ……」
「ええ!?わからないんですか?教えてくださいよ!王様!」
「おっおwwwwすまないおwww」
だってこのお話は、
937 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:08:23.50 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)「僕もよくわからないんだおwwww」
終わっていないのですから。
942 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:10:35.86 ID:zQYqJEL4O
むかしむかしのお話です。
周りの人の事など考えない。
自分のためだけに王様になった男がいました。
だけど、男はみんなに慕われて、
みんなからこう、言われました。
「あの王様は最高だよ!」
945 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:11:28.62 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)は最低な王様になるようです
おしまい
947 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:11:56.07 ID:SrC2DkOO0
オワッター!楽しかったwww乙wwww
949 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:12:06.01 ID:Bv2cq+ec0
すばらしい
951 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:12:11.41 ID:LLhp0Y2x0
タイトルが変わっただと
乙!
973 : ◆fG1I1UcIeI :2010/07/07(水) 01:13:57.28 ID:zQYqJEL4O
その5終わりってやりわすれた…
支援ありがとうございました!駆け足でごめんね!
矛盾いっぱいでごめんね!
疲れたけど投下しててめちゃくちゃ楽しかったよ!
ありがとうございました!
あるところに野望に満ちた男がいました。
( ^ω^)「どいつもコイツもブーン様の肥やしにしてやるお」
やがて野望は暴走し、
( ^ω^)「とりあえず黒魔術だお!」
( ^ω^)「ククク…世界を僕の物にしてやるお!」
禁忌にまで手は及びました。
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:09:50.45 ID:rUXQ5N1BO
壷に幾つかの材料を入れていきます。
ヤモリのしっぽ、
蜘蛛の足、
満月の涙、
夜を溶かしたスープ、
置き去りにした悲しみの香辛料、
最後に男の生き血を少し、たらします
( ^ω^)「さあ!邪悪な魔女さん!僕に力を貸すお!」
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:13:13.78 ID:kzEGPXlt0
おもしろそう
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:13:52.24 ID:rUXQ5N1BO
もくもく、もくもく
壷から煙が立ち込めます。
そして立つのは一人の女性。
ξつ△-)ξ「なによもう……」
男が呼び出した、魔女。
どんな願いも叶え、代償に、
来世を貰う。
そんな伝説の、魔女。
11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:18:44.34 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚△゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
願いを叶えるということ。
それは呪縛、死して逃れられない地獄への道。
( ^ω^)「わかっているお!」
ξ゚△゚)ξ「……」
( ^ω^)「それでも僕はどんな奴よりも偉くなりたいんだお!」
そうして、
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:19:48.68 ID:rUXQ5N1BO
「わかったわ」
願いは始まりました。
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:22:05.49 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)は最低な王様なようです
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:22:19.42 ID:Xu+QrxXMO
王様「の」ようです
じゃね?
16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:26:13.80 ID:rUXQ5N1BO
(*゚ー゚)「……」
人々の足音に掻き消されそうな少女がいた。
純粋そうな瞳、しかしその実、何も見てはいない。
彼女には何も、ない。
(*゚ー゚)「今日はパン屋さんに行こう」
そこならば残飯を貰えるかもしれない。
もしも駄目なら?
その時はその時だ。
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:29:33.79 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)「クックック…」
男は歓喜していた。
手に入れた。力を。
この世で今、なによりも頼りになる力。
財力を。
ξ゚△゚)ξ「三つまでなら聞くけど?」
( ^ω^)「どうしようも無いときに他はたのむお」
ξ゚△゚)ξ「ふうん」
( ^ω^)「お金があればなんだってできるお」
20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:30:35.34 ID:S/qdyvUNO
ふむふむ
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:34:01.90 ID:rUXQ5N1BO
( ^ω^)「王様になるには使用人が必要だお」
金があれば、なんでも出来る。
食べ物が買える。
服が買える。
家が買える。
人が買える。
心だって、買える。
てくてくと町を歩いていく。
何を、買おうか。
23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:40:24.92 ID:rUXQ5N1BO
(*゚ー゚)「どうかパンを頂けないでしょうか?」
(*゚ー゚)「どうにもお腹が空いて仕様が無いのです」
媚びを売るのは慣れている。
始めは四つの時、数では既に数え切れないくらいに売った。
(*゚ー゚)「お願いします」
それでも、
「家無しは店にはいるんじゃない!」
(*゚ー゚)「お願いします」
うまく行かないときは、
(*;ー;)「お願いします」
どうしようもなく惨めになる。
27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:46:23.20 ID:rUXQ5N1BO
とぼとぼと帰路に立つ。
(*゚ー゚)「……」
ああ、死んでしまおうか。
それとも既に死んでいるような物か。
そんな少女にとって、
( ^ω^)「さあさあ!誰か僕に命を買われたい物はいないかお!」
目の前で人々に叫ぶ男は、
(*゚ー゚)「……」
救いのようにも見えた。
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:52:06.33 ID:rUXQ5N1BO
(*゚ー゚)「すみません」
( ^ω^)「なんだお?」
(*゚ー゚)「買われたらどうなってしまうのでしょう」
( ^ω^)「ふふふ…それはとてもひどいことになるんだお!」
(*゚ー゚)「ひどいこと?」
( ^ω^)「そうだおね、まず掃除や洗濯、食事の用意を全てさせるお!」
(*゚ー゚)「それから?」
( ^ω^)「以上!」
(*;ー;)「やります!嗚呼、神様ありがとう!」
(;^ω^)「え!?」
(*゚ー゚)
( ^ω^)
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/04(日) 23:58:39.45 ID:rUXQ5N1BO
まずは一人目。
使用人の少女を男は買いました。
( ^ω^)「え…ありがとうって…え…」
(*゚ー゚)「さあ!何を致しましょうか!」
( ^ω^)「ええ……」
( ^ω^)(もっと買われるって嫌がることな気が……)
(*゚ー゚)「さあ!」
( ^ω^)「えっとじゃあとりあえず、」
(*゚ー゚)「はい!」
( ^ω^)「僕の住んでる小屋掃除で……」
34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:01:26.34 ID:oVKSn6YrO
まず家買えよwww
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:01:42.88 ID:rUXQ5N1BO
「小屋…ですか…?」
「お城が建設に時間がかかるなんて知らなかったんだお……」
「小屋ですね!掃除します!」
「君はなんでそんな元気なんだお……」
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:07:38.23 ID:A55ZIUfWO
まずは一人目。
使用人の少女を男は買いました。
その様子を魔女は見ていました。
遠くからじっと見ていました。
ξ゚△゚)ξ「それであなたの願いは叶うのかしらね」
ξ゚△゚)ξ「時間は追ってくるわよ」
ξ゚△゚)ξ「逃げ切れるかしら」
ξ-△-)ξ「……まぁ、いいか」
「私には関係ないからね」
次の瞬間、彼女はそこには居ませんでした。
41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:10:04.88 ID:A55ZIUfWO
その1 使用人の話
おしまい
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:11:03.13 ID:9SXdKmkJO
つぎつぎ!
43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:15:17.52 ID:A55ZIUfWO
お城が建った時まで時間は進みます。
( ^ω^)「クックック…ついに僕も一国一城の主だお……」
(*゚ー゚)(掃除が大変そう)
<ヽ`∀´>(お城で迷いそうニダ…)
( ^ω^)(迷ったらどうしよう……)
次は先程まで居なかった<ヽ`∀´>のお話です。
彼は男に雇われたコックでした。
45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:16:45.20 ID:dcaDH/np0
ほうほう
47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:21:44.72 ID:A55ZIUfWO
彼の一日は朝食の準備から始まります。
<ヽ`∀´>「朝ごはんはキムチと、」
<ヽ`∀´>「キムチと」
<ヽ`∀´>「キムチニダ!」
(*゚ー゚)「せめて卵ぐらい焼けるようになりましょうね…」
実は彼、全く料理が出来ません。
雇われるまではコソドロでした。
コックなんて縁のない仕事だったのです。
49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:24:54.15 ID:A55ZIUfWO
少女を雇って少しした日の事です。
( ^ω^)「やはり王様にはコックが必要だお!」
(*゚ー゚)「包丁も無いのにですか?」
( ^ω^)
( ^ω^)「必要なんだお!」
男が目指すのは誰よりも上に立つ存在。
自分のイメージを崩すわけにはいきません。
男は町にコックを探しにいきました。
52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:30:31.26 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……たったこれっぽっちニダ」
手の平に硬貨を乗せて数える男がいました。
何日も何ヶ月もその行為を繰り返しました。
何日も何ヶ月も何年も。
数える硬貨はそんな毎日を変えてはくれません。
<ヽ`∀´>「お腹すいたニダ…」
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:34:22.50 ID:A55ZIUfWO
ふらふらといい匂いのする方へ歩きます。
何か買おう。
買って、それを食べて、考えよう。
こんな毎日はどうやったら変わるのか。
<ヽ`∀´>「……」
そんな時です。
<ヽ゚∀゚>「ニダッ!」
急に後ろから首を捕まれました。
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:34:47.10 ID:oVKSn6YrO
しぃが作ればいいんじゃ…
58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:42:55.44 ID:A55ZIUfWO
( ・∀・) 「なあなあオッサン」
<ヽ;`∀´>「ああ…」
( ・∀・) 「泥棒は悪いことなんだよ?わかる?」
<ヽ;`∀´>「あ、ああ……」
( ・∀・) 「わかってるよ。わかってないからするんだ、そうだろ?」
首を掴んだのは盗んだお金の持ち主でした。
(#・∀・)「なんでこんなことするんかなあ!」
ばきり、顔に痛みが走りました。
60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:46:44.22 ID:A55ZIUfWO
何度も殴られました。
何度も蹴られました。
男、ニダーは謝るばかりです。
(#・∀・)「謝るくらいならなんでやるんかなあ!」
<ヽ ∀ >「ごめんなさい、ごめんなさい」
悪い事なのは知っています。
人に迷惑がかかるのも知っています。
それでも彼にはそれしかなかったのです。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:52:29.10 ID:A55ZIUfWO
辞められるなら辞めています。
別の道があるならば、そちらへと。
でも、無い。
<ヽ-∀->「……」
他に道があったなら。
そんな事を思いながら道端にニダーは倒れていました。
こんな思いも一回や二回じゃありません。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:55:54.51 ID:9SXdKmkJO
むう…
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 00:59:01.01 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「コックはいないかおー」
男はコックを探します。
自分の、自分だけのイメージの王になるために。
人々に聞いて回ります。
( ^ω^)「コックにならないかお?」
しかし男の格好はみずぼらしくは無くても、極々普通。
そんな格好の男の誘いに乗るものは誰もいませんでした。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:03:05.34 ID:A55ZIUfWO
「コックはいませんかおー」
「どこかにコックはいませんかおー」
そんな声が聞こえます。
仕事の募集は稀にある事です。
だけれどニダーにそんな技術はありません。
<ヽ`∀´>「……」
目を覚ましても、そこでその声を聞くだけでした。
74 :ニダー終わったら一旦終わるよ:2010/07/05(月) 01:10:02.34 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……」
いつからそうして居たのでしょう。
小一時間たったころです。
(;^ω^)「全然見つからないお…」
ふらふらと歩く男が見えました。
<ヽ`∀´>(まだやってるニダ……)
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:16:18.64 ID:A55ZIUfWO
(;^ω^)「こんなことならしぃにコックも兼任で……」
(;^ω^)「いやっ!コックが作った物を使用人が運んで王様の場所まで持ってくるのが理想系だお!」
(;^ω^)「この町にコックはいないのかお……」
( ^ω^)
( ^ω^)「……閃いたお」
( ^ω^)「どなたか!どなたか!」
( ^ω^)「コックになりたい人はいませんかお!」
<ヽ;`∀´>「……」
そんな馬鹿な。
遠くで聞いていたニダーは呆れます。
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:23:04.84 ID:A55ZIUfWO
思わず近づいて聞きます。
<ヽ;`∀´>「ちょっといいニダか?」
( ^ω^)「なんだお?」
<ヽ;`∀´>「なんでそんなわけのわからない事を…」
( ^ω^)「わけがわからないなんて事はないお、最終的にコックが手に入ればいいんだお」
( ^ω^)「一刻も早く王様になるんだお!」
<ヽ;`∀´>(そのためコックは必要なのかニダ……)
( ^ω^)「何なら君でもいいお!」
<ヽ;`∀´>「えっ」
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:28:45.96 ID:A55ZIUfWO
(*゚ー゚)「あ、お帰りなさい」
( ^ω^)「しぃ!みてくれお!」
<ヽ;`∀´>「……」
(*゚ー゚)「コックさんですか?」
( ^ω^)「そう!コック(未来の)だお!」
<ヽ;`∀´>(大丈夫…ニダ…?)
不安に満ちた始まりでした。
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:30:44.25 ID:A55ZIUfWO
「得意料理はなんなんですか?」
「……キムチニダ」
「始めて聞く料理だお……」
「きっと凄い料理ですね……」
<ヽ;`∀´>(不安ニダ……)
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 01:32:17.85 ID:A55ZIUfWO
その2
コックの話 終わり
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 02:05:46.60 ID:8SoZX1o/0
この空気好き
122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:31:23.76 ID:A55ZIUfWO
ちょきちょき、ちょき。
(私はハートの形に切ってほしい)
ぱちぱち、ぱちん
(僕は綺麗に切り揃えて欲しいんだ、そのままの姿がいいんだよ)
123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:34:49.42 ID:A55ZIUfWO
「わかってる、わかってるよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(ありがとう)(こんな風になりたかったんだ!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:36:40.32 ID:A55ZIUfWO
僕は心を読めた。
人や、花や、木々の
どんな風に切れば木々が喜ぶかだって知っていた。
128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:38:12.43 ID:A55ZIUfWO
嗚呼、だけど、
あなたの、あなたのためならば、
その3
庭師の話
130 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:42:51.72 ID:A55ZIUfWO
ショボンは心が読めました、
彼は庭師の息子に生まれ、
いつしか毎日仕事に励むようになりました。
(´・ω・`)「どうしたいのさ」
(星にしておくれよ、あの空に浮かぶ星に)
(´・ω・`)「わかったよ」
じゃきじゃき、じゃきん
(わあ嬉しいな!ありがとうショボン!)
(´・ω・`)「どういたしまして」
131 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:43:41.99 ID:9SXdKmkJO
ふむふむ
132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:46:35.84 ID:A55ZIUfWO
植物の心を聞いて、切っていくと、
不思議と景色に彼等は溶け込んで、
世界を彩ってくれました。
「やあ!これは綺麗な庭だ!」
「きっと良い庭師がいるんだろうね!」
そんな声がよく聞こえてきました。
(*´・ω・`)(嬉しいな…)
ショボンもまんざらではありませんでした。
136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:49:39.74 ID:A55ZIUfWO
ある日の事です。
ショボンはある良家の家に雇われました。
ショボンの腕を見込まれて、の事でした。
(;´・ω・`)(緊張するな……)
そこで彼は、
137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:51:01.07 ID:apvleEQQ0
衣服を脱ぎ捨て産まれたままの姿になったのです。
138 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:52:35.87 ID:7pj10kEI0
>>137
おいこらww
143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:56:27.69 ID:r/oQkczQ0
>>137
あまりにも不意打ちすぎてむしろ褒め称えたくなったwwwwwwww
141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:53:45.23 ID:UeSLAfN70
何でだよwwwwwwwwwwwwって突っ込もうとしたらお前誰だよwwwwwwwwwwwww
142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:53:53.62 ID:A55ZIUfWO
「紹介しておこうか、こちらが娘のクーだ」
川 ゚ -゚)「よろしく」
(*´・ω・`)「あ、よろしくお願いします」
(*´・ω・`)(綺麗な人だな)
始めての恋をしました。
144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 17:57:07.94 ID:A55ZIUfWO
しかし所詮、彼は庭師。
身分違いの恋に夢見る事など彼には出来ませんでした。
(´・ω・`)「どうする?」
(私はシルエットが三角形になるようにしてほしいな!)
(´・ω・`)「はいはい」
ちょきちょき、ぱちん
いつものように庭の手入れをしていた日の事です。
145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:02:22.96 ID:A55ZIUfWO
(綺麗な庭だな)
(;´・ω・`)(あ、)
声が、聞こえました。
それはこの家の、
川 ゚ -゚) 「……」
お嬢様の心の声でした。
146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:06:22.24 ID:A55ZIUfWO
ショボンは恋い焦がれました。
嗚呼、どうしたらあの人に見てもらえるだろう。
嗚呼、どうしたらあの人の心に触れられるだろう。
毎日、そんな事ばかり考えていました。
ちょきちょき、ちょき……
(-@∀@)「どうしたショボン?元気ないぞ?」
(´・ω・`)「いや、ちょっと疲れただけだよ、大丈夫」
仲間の庭師にもそんな事を言われてしまいました。
148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:10:37.96 ID:A55ZIUfWO
ある日、思いきってショボンはお嬢様に尋ねました。
午後の、彼女が庭でお茶をするときに勇気を出して。
(´・ω・`)「お嬢様」
川 ゚ -゚) 「ん?」
(´・ω・`)「お嬢様は、その、どのような庭がお好きですか?」
川 ゚ -゚) 「?」
川 ゚ -゚) 「私は今の庭が好きだぞ?」
(´・ω・`)「そうですか」
会話はそれだけ、ただそれだけでした。
でも、
149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:13:53.86 ID:A55ZIUfWO
(この庭は好きだ)
(しいて言うなら、)
(私が好きな庭は……)
(こんな……)
(それで……)
その会話の中で、
お嬢様の心を覗きました。
どんな庭が好きなのか、
それをショボンは理解したのです。
152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:17:47.33 ID:A55ZIUfWO
あなたが望むならそうしよう。
ちょきちょき、ちょき。
あなたがそれが好きならば、
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが少しでも喜んでくれるなら、
じゃきじゃき、じゃきん。
例えそれが報われない思いでも、
155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:20:50.70 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
(待ってくれ!なんでそんな形に!)
じゃきじゃき、じゃきん。
(´・ω・`)「……」
(私はハートの形がいいの!どうして!?)
ぱちぱち、ぱちん。
あなたが、あなたが望むなら。
ショボンは植物達の声を無視し続けました。
163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:35:33.57 ID:A55ZIUfWO
ショボンは心を読まなくても優秀な技術を持っていました。
じゃきじゃき、じゃきん。
ぱちぱち、ぱちん。
(´・ω・`)(お嬢様の好みはこんな庭なんだな)
少し、心が痛みました。
植物達の声を無視して、勝手に切っていく事は、
まるで暴力を振るっているようでした。
164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:38:11.60 ID:A55ZIUfWO
やがて、
(頼むよ!どうして急に!)
彼には、
(聞いて……!いるん……!!)
ショボンには、
(……!……!!)
何も、
(…………)
何も、
165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:40:24.23 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「静かだ……」
(´-ω-`)「とても、とても」
(´-ω-`)「押し潰されそうなくらい」
心の声が聞こえなくなりました。
167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:42:08.91 ID:9SXdKmkJO
(´;ω;`)
169 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:44:38.44 ID:A55ZIUfWO
やがて時が経ち、
お嬢様が結婚することになりました。
(´-ω-`)「……」
わかっていました、報われない、
元から叶わぬ恋なのです。
でも、一つだけ、一つだけショボンは望んでいました。
171 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:49:13.01 ID:A55ZIUfWO
結婚式では雇われている者たちが皆でお嬢様に贈り物をするのです。
コックは料理を、
使用人たちは職人に美しいネックレスを頼んだそうです。
そして、
そして庭師は、
「ひとつ、何か植物のオブジェを作ろうじゃないか!」
これがショボンの目標でした。
174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:53:34.86 ID:A55ZIUfWO
オブジェは庭師が全員で作ります。
ただ、それを先導するリーダーは一人です。
長い間仕えました。
長い間庭の手入れをしてきました。
長い間お嬢様の望む庭を作ってきました。
(´・ω・`)(リーダーは、僕だ……)
ショボンはそう信じていました。
それで、それで僕の恋は報われる。
179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 18:59:14.79 ID:A55ZIUfWO
でも、
「オブジェを作る、リーダーは」
その願いは、
「アサピーだ」
(*-@∀@)「本当ですか!?」
「ああ、君だ」
(*-@∀@)「頑張ります!」
水泡に消えました。
180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:01:47.09 ID:A55ZIUfWO
(;´・ω・`)「……え?」
誰よりもお嬢様の好みを理解した。
誰よりもお嬢様好みの庭にした。
ずっとずっと、
たくさんの声を無視してまで、
(;´・ω・`)「……」
ショボンは呆然と立ち尽くすだけでした。
183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:03:27.80 ID:jVcJQ18OO
ショボン… 。・゚・(ノД`)・゚・。
186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:04:10.02 ID:ZeD7i64n0
(´・ω・`)
187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:06:57.45 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
夜に一人で庭の木々を見ていた時です。
とても懐かしい、彼等の声が聞こえてきました。
(アサピーは望んだように切ってくれたよ)
(私達の声は聞こえなかったけどね)
(彼は私達を見てくれていたよ)
いやだ、聞きたくない。
ショボンは耳を塞いでうずくまりました。
ずっと、ずっと。
190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:12:04.35 ID:A55ZIUfWO
あなたのために切っていた。
あなたのために声を聞かなくなった。
あなたの望みを叶えたくて、
叶えたくて、
(´;ω;`)「……」
しくしくとショボンは泣くだけでした。
192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:14:02.59 ID:9SXdKmkJO
おうふ
194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:15:47.06 ID:A55ZIUfWO
結婚式の時です。
お嬢様と目が合いました。
川 ゚ -゚)
(´・ω・`)
とても透き通った目で、
ショボンには見つめる事など出来ず、
(;´・ω・`)「……」
思わず俯いてしまいました。
まるで、
まるでお嬢様の目が、
195 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:16:39.05 ID:A55ZIUfWO
「あの時の庭は素敵だったのに」
と、語りかけてくるようで、
196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:22:05.31 ID:jVcJQ18OO
報われねえ…
199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:25:04.84 ID:A55ZIUfWO
それからショボンは腑抜けてしまいました。
何をしてもぼんやりとして、
仕事にも身が入らなくなりました。
そして、
(´・ω・`)「さようなら……」
「さようなら」
ショボンは庭師を、
解雇されてしまったのです。
202 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:26:55.47 ID:ZeD7i64n0
(´;ω;`)
203 :すみませんなんか回線?が重いです:2010/07/05(月) 19:34:58.30 ID:A55ZIUfWO
小さい時から庭師の仕事だけを教えられてきました。
ただそれだけをやってきました。
それ以外の仕事なんて知りません。
色々な家の庭師になりました。
色々な家の要望に応えてきました。
「いまいちだなぁ……」
(´・ω・`)「……」
「他の人のがいいや」
いくら望みに応えても……いや、応えようとすればするほど、
ショボンからは魅力の無い物ばかり生まれました。
204 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:38:03.55 ID:A55ZIUfWO
いつしかショボンはふらふらと、
ふらふらとふらふらと、
あてもなく、旅をするようになりました。
目的も何も、何も残っていないのに。
206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:41:18.41 ID:A55ZIUfWO
そんな毎日を何年も繰り返したある日の事です。
(;´・ω・`)「うわぁ……」
とても、とても汚いお城を見つけました。
城のあちらこちらにツタが張り、
木々は伸び放題。
ちっとも手入れがされていないようでした。
(;´・ω・`)「これはひどい」
208 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:45:36.85 ID:A55ZIUfWO
(;´・ω・`)「……」
それは体に染み付いていたのかも知れません。
気がつけばショボンはハサミを手に持っていました。
伸び放題の木々をすこしづつ切り始めます。
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
(;´・ω・`)「……」
何も考えず、ただ思うがままに切って行きます。
ショボンはそれをとても懐かしく感じました。
210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:46:53.58 ID:9SXdKmkJO
うむうむ!
212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:48:10.05 ID:A55ZIUfWO
それは誰にも頼まれなかった事、
ぱちぱち、ぱちん。
それは自分で始めた事。
ちょきちょき、ちょき。
それは……
じゃきじゃき、じゃきん。
214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:49:24.88 ID:IP/BsXM+0
これ絵本にしたいな
俺は出来ないけど
215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:50:12.71 ID:A55ZIUfWO
(……)
(´・ω・`)「……」
(……!)
そしていつしか、
(ねえ……!…!)
(´・ω・`)「……」
無くしたはずの、
216 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:51:08.85 ID:hqNdyP6m0
おお・・・
218 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:53:11.67 ID:A55ZIUfWO
(僕はまあるくなりたいんだ!)
(私はハートがいいの!)
(綺麗にしてくれよ!伸び放題でうんざりなんだ!)
無くしたはずの声達が、
(((頼むよ!ショボン!)))
(´;ω;`)「うん、うん……」
帰ってきたのです。
219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:54:08.22 ID:4GJvW8zd0
( ;∀;)イイハナシダナー
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:54:30.95 ID:z1fDroeNO
うっ…
224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:55:00.98 ID:8SoZX1o/0
感動なんかしてないんだからっ
226 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 19:56:54.36 ID:A55ZIUfWO
それはいつしか忘れていた気持ち、
ちょきちょき、ちょき。
ぱちぱち、ぱちん。
じゃきじゃき、じゃきん。
彼等は話します。
どんな風に変わりたいか。
どんな風になりたいか。
(ショボン、君はどうしたい?)
(´;ω;`)「僕は……」
233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:00:50.76 ID:A55ZIUfWO
(´;ω;`)「僕は……」
ずっと庭師として育てられた。
ずっと庭師として生きてきた。
だけどそれがずっと続いてきたのは、
(´;ω;`)「庭師として…生きていたいよ……」
それが本当に好きだったから。
235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:03:06.33 ID:A55ZIUfWO
そんな時です。
「な、なんか城が綺麗になってるお!」
「凄いですねー」
「魔法みたいニダ!」
(´;ω;`)「ん……?」
何やら城から声が聞こえました。
237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:10:06.71 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「ん?」
(*゚ー゚) 「あら」
<ヽ`∀´>「ニダ」
(´;ω;`)「……人がいる?」
放置されていると思っていた城から、
人が出てきたのです。
(ここの人だよ)
(太った人は王様なんだ)
植物達が教えてくれました。
238 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:11:43.56 ID:z1fDroeNO
なんだか心が温かくなった
240 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:13:18.36 ID:UeSLAfN70
おいどうなってんだ庭師編で一つ出来上がってるぞwwww
比重がwwwwwニダーカワイソスwwww
241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:14:09.42 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「これ、君がやったのかお?」
(;´・ω・`)「ええ…まあ……」
( ^ω^)「ふむふむ」
王様は考えました。
( ^ω^)(きっと彼は一流の庭師なんだお)
( ^ω^)(僕が城に引き止めれば彼の雇い主はとっても困るに違いないお!)
( ^ω^)(クックック…ノーとは言わせないお)
( ^ω^)9m 「君!」
(;´・ω・`)「は、はい!」
( ^ω^)9m「ここの庭師になりたまえだお!」
242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:15:04.32 ID:UeSLAfN70
王様最高すぎる・・・
243 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:15:35.91 ID:jVcJQ18OO
なんという…( ;∀;)
247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:17:53.28 ID:A55ZIUfWO
「え、いいんですか、やります!」
「え!?あ、もちろんだお!」
「わー凄いですね」
「綺麗な庭ニダ!」
(何かおかしいお……まあいいお……)
248 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:18:43.70 ID:A55ZIUfWO
その3
庭師の話 終わり
250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:21:29.78 ID:A55ZIUfWO
(´・ω・`)「……」
(´・ω・`)(ありがたい話しだ、本当に)
(´・ω・`)(でも、だからこそ、)
(´・ω・`)(気になった事がある)
(´-ω-`)(さっき少しだけ王様の心が読めた)
(´-ω-`)(王様、あなたは、)
(´-ω-`)(あなたはどうしてそんなにも……)
252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:22:52.69 ID:A55ZIUfWO
(ずっと悲しんでいるのですか?)
その3
庭師の話 今度こそ終わり
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 20:24:22.66 ID:9SXdKmkJO
ほほう
266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:01:39.02 ID:T3Jfa8wP0
このブーンは今のところいいことしてるな
どっから転がって最低になるのかな
それとも考えてることが最低ってだけか
271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:25:46.64 ID:p1LGDam90
<丶`Д´>少し扱いが酷いニダ<丶`∀´>謝罪と賠償を(ry
278 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:45:56.30 ID:A55ZIUfWO
ある日の事です。
(*゚ー゚)「王様、買い出しに行ってきますね」
( ^ω^)「行ってくるお」
<ヽ`∀´>「王様、キムチの材料買ってくるニダ」
( ^ω^)「行ってくるお」
(´・ω・`)「王様、僕も買い出しに行ってきます」
( ^ω^)「行ってくるお」
283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:50:28.89 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「お城って、もっとこう」
( ^ω^)「買いに行くんじゃなくて」
( ^ω^)「確か商人とかが…」
( ゚ω゚)「そうだお!全然商人とかがこの城きてないお!」
(;^ω^)「ぬかったお!」
(;^ω^)「こうなったら一流の商人を捕まえてコキ使ってやるおおお!」
(;^ω^)「……」
(;^ω^)「と、とりあえず探しに町にいくお」
285 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:52:11.15 ID:A55ZIUfWO
その4
商人の話
288 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 21:56:25.84 ID:A55ZIUfWO
ダイオードは商人です。
西から東、南から北、
注文があればどこへだって行きました。
/ ゚、。 /「はい、ご注文の物を2キロね」
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「いえいえ」
あの町この町、
色々な町でかけられる「ありがとう」がダイオードは大好きでした。
290 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:02:37.60 ID:A55ZIUfWO
「ダイオードさん!ダイオードさん!」
/ ゚、。 /「ん?」
l从・∀・ノ!リ人「こんにちはなのじゃー」
/ ゚、。 /「こんにちは」
ある日、一人の少女に声をかけられました。
少女はいいます。
l从・∀・ノ!リ人「私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」
/*゚、。 /「照れるな」
l从・∀・ノ!リ人「私も商人になるのじゃ!」
嬉しいことです。
ダイオードはなんだか暖かい気持ちになりました。
291 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:05:19.38 ID:A55ZIUfWO
/*゚、。 /(笑顔を届ける、か)
帰り道で少女の言葉を思い出します。
その度にダイオードの顔には微笑が浮かびました。
/*゚、。 /(ずっとこんな毎日ならいいな)
そう、ぼんやりと思いました。
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:10:55.79 ID:A55ZIUfWO
けれども不穏な気配がありました。
/ ゚、。 /「槍、ですか」
「ああ槍だ!沢山頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体なんのために…」
「なあに、ちょっと城の警備を強くするだけだよ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
始めは西のお城の注文でした。
ダイオードはその要望に応えます。
それが商人の仕事だから。
298 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:12:30.83 ID:9SXdKmkJO
ふむ…
300 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:14:26.48 ID:A55ZIUfWO
次は東のお城です。
/ ゚、。 /「弓矢、ですか?」
「ああ!弓矢さ!とびきり精度の良いものを頼むよ!」
/ ゚、。 /「一体どうして…」
「なあに!城で狩猟が流行っているだけさ!」
/ ゚、。 /「……そうですか」
何かがおかしい、そうダイオードは思いました。
けれどもダイオードは商人です。
それ以上は、何も言えませんでした。
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:15:49.77 ID:9SXdKmkJO
ふむふむ
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:17:36.81 ID:A55ZIUfWO
北のお城も
「剣を頼む!とびきり切れ味が良いものを!」
南のお城も
「鎧を頼むよ!どんな攻撃にも耐えられるやつをさ!」
みんな、普段とは違いました。
/ ゚、。 /(嫌な気持ちだ……)
ダイオードは不安でいっぱいでした。
307 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:22:15.42 ID:A55ZIUfWO
けれどもダイオードは商人です。
深入りなんて出来ません。
/ ゚、。 /(きっとこの仕事が終われば)
/ ゚、。 /(いつも通りさ)
そう思いました。
いや、そう信じたかったのです。
ダイオードは荷物を運びます。
西から東、南から北へ
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:26:33.91 ID:A55ZIUfWO
「ありがとう!助かったよ!」
「ありがとう!これで大丈夫だ!」
「ありがとう!百人力だ!」
「ありがとう!これで安心だ!」
西のお城も、東のお城も、
南のお城も、北のお城も、
みんな笑顔で「ありがとう!」といってくれました。
だけど、
313 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:28:10.77 ID:9SXdKmkJO
ゴクリ
314 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:28:50.20 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /(嫌な気分)
その「ありがとう」がダイオードには、
/ ゚、。 /(言葉はおんなじなのに、)
とても、とても、
/ ゚、。 /(二度と、聞きたくない)
嫌な言葉に聞こえたのです。
316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:30:48.26 ID:A55ZIUfWO
そうして迎えたある日の事です。
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:36:14.87 ID:A55ZIUfWO
「大変だよ!大変だよ!」
/;゚、。 /「どうしたんですか一体」
商人仲間が大慌てでダイオードの下へ走って来ました。
息も絶え絶えで辛そうです。
なんとか落ち着かせよう、そう思った時でした。
「戦争だよ!戦争が始まったんだ!」
それはダイオードの視界すら歪めてしまう言葉でした。
327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:40:26.35 ID:A55ZIUfWO
/ ;、。 /「戦争…ですか…」
何でも無い、そう言っていたのに。
その言葉を信じて、いや……信じたかったのに。
「ああ!西も東も南も北も!」
「みんな戦争を始めてしまった!」
/ ;、。 /(わかっていた……)
/ ;、。 /(こうなることを私は……)
ダイオードの目からは、ぽろぽろと涙が落ちていました。
330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:45:52.80 ID:A55ZIUfWO
戦争は全てを奪っていきました。
ある少女からは家族を、
(* ー )
またある男からも家族を、
<ヽ ∀ >
みんな奪っていきました。
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:47:42.05 ID:A55ZIUfWO
やがて戦争は終わり、
西からも東からも南からも北からも、
335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:49:08.78 ID:A55ZIUfWO
お城は見えなくなりました。
339 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 22:53:59.95 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /「……」
焼け落ちた町は復旧の兆しを見せています。
とんてんかんかん、とんてんかん。
とんてんかんかん、とんてんかん。
釘をうち、新しく家を建てる音も聞こえます。
でも、
/ ゚、。 /(誰も笑顔じゃあ…無い……)
みんな悲しそうな顔をしていました。
344 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:00:16.72 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /(私は……)
その時、いつかの言葉が頭に過ぎりました。
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ)
/ ゚、。 /(笑顔を、届ける……)
/ ゚、。 /(私に出来る事は……)
347 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:03:41.19 ID:A55ZIUfWO
ダイオードは立ち上がり、動き出しました。
/ ゚、。 /(私は笑顔を、)
/ ゚、。 /(届けたいんだ)
西へ東へ
南から北へ
ありとあらゆる場所へ行きました。
351 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:07:49.81 ID:A55ZIUfWO
/ ゚、。 /「これ、注文されてた医療品です」
「おおお!ありがとう!」
そうして色々な場所へ行くうちに、
/ ゚、。 /「ご注文のお水です」
「まあ!ありがとう!助かるわ!」
人々にも笑顔が見えはじめました。
352 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:13:14.54 ID:A55ZIUfWO
「ありがとう商人さん!」
/*゚、。 /「どういたしまして」
行く先々で人々の、笑顔が見えるようになったころのことです。
ボロボロだった町も大分復旧していました。
/ ゚、。 /(次の仕事は、)
/ ゚、。 /(ここは……)
356 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:17:34.10 ID:A55ZIUfWO
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ゚、。 /(あの時の女の子がいた町……)
/ ゚、。 /(思えば私が頑張れたのもあの子の言葉のおかげだ)
思い出すだけで、じんわりとダイオードは心が暖かくなりました。
/*゚、。 /(また、会えるといいな)
ダイオードはウキウキしていました。
あの子になんてお礼を言おう。
私は笑顔を届けられているだろうか?
そんな事を考えました。
357 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:18:27.27 ID:9SXdKmkJO
む・・・
358 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:19:16.78 ID:1L2BmVXd0
これは…
362 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:25:21.28 ID:A55ZIUfWO
町ではやはり暖かい声がダイオードを迎えてくれました。
(*´_ゝ`)「やあやあどうもダイオードさん!相変わらず美しいね!」
(´<_`;)「兄者…ダイオードさんは男だぞ……」
( ´_ゝ`)
(´<_`;)
(#´_ゝ`)「し、知ってるよ!男に美しいって言ってもいいだろ!」
(´<_`;)「兄者…キモいぞ……」
/;゚、。 /「と、とりあえずご注文の食料です……」
特徴的な兄弟でした。
兄弟は一人を二人に分けたようなうりふたつの外見でした。
366 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:30:57.46 ID:A55ZIUfWO
(*´_ゝ`)「おお!どうもありがとうございます!」
(´<_` )「ありがとうございますダイオードさん」
/ ゚、。 /「いえいえ」
そうだ、この二人にあの女の子の事を聞いてみよう。
そう、ダイオードは思いました。
特に深い理由などなく、ただ、なんとなく。
/ ゚、。 /「すみません、お二人さん、ちょっと女の子を知りませんか?」
聞いてみたのです。
370 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:36:09.08 ID:A55ZIUfWO
( ´_ゝ`)「女の子ですか?」
(´<_` )「兄者に聞けばわかりますよ、リスト作ってるくらいだし」
( ´_ゝ`)「何故知っている……」
(´<_` )「昨日母者が見つけて燃やしてた」
( ´_ゝ`)「嘘だろ……俺のリストが……」
(´<_` )「諦めろ」
/;゚、。 /「あ、あの語尾に、のじゃー、って言ってた女の子なんですが」
( ´_ゝ`)「……ああ」
(´<_` )「妹者か……」
371 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:36:59.40 ID:WCPOTdO30
母者ww
373 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:39:19.06 ID:A55ZIUfWO
( ´_ゝ`)「妹者は俺と弟者の」
(´<_` )「妹でしてね」
兄弟はぽつり、ぽつりと話し始めました。
/;゚、。 /「……」
ダイオードは不安を覚えました。
何か、何か二人の雰囲気が変わったように感じたのです。
375 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:40:40.90 ID:151SwBgm0
ひぃ
377 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:42:22.93 ID:z1fDroeNO
うわああ
378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:44:20.19 ID:A55ZIUfWO
ダイオードには
「妹者は■■■ね」
「屋根が燃えて■■■■■」
辛い、辛い、
「それの下■■で」
「■■■■■くて」
事実が待っていました。
「■■■しまったんだ」
380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:45:13.42 ID:1L2BmVXd0
うあああ
385 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:49:12.03 ID:A55ZIUfWO
気づけばダイオードは泣いていました。
胸が、痛んで、涙が、あふれました。
/ ;、。 /
「あんたは何も悪くないよ」
「ダイオードさんはみんなに笑顔を届けているさ」
泣きじゃくるダイオードを兄弟は励ましました。
あなたは悪くない、ありがとう、と
/ ;、。 /(それでも、それでも私は)
390 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:54:50.32 ID:A55ZIUfWO
/ 、 /(自分が許せない……)
/ 、 /(私が、私があの子を、)
/ 、 /(殺してしまったような物だから)
(私もダイオードさんみたいに笑顔を届けたいのじゃ!」)
/ ;、。 /(君には、笑顔、届けられたのかな?)
392 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:56:51.65 ID:4VMoHbsh0
へ、へんだな……眼から墨汁が……
406 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:12:29.61 ID:4yWK2s590
>>392
変だな
393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/05(月) 23:57:21.10 ID:A55ZIUfWO
ダイオードはそれからも、それでも商人を続けました。
「ありがとうねダイオードさん!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
それは贖罪でした。
ごめんなさい、ごめんなさい。
ダイオードの心はいつもそれでいっぱいでした。
399 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:01:36.82 ID:IkGv3Ac2O
そうして町が完全に復旧したとき、
/ ゚、。 /(私は……)
/ ゚、。 /(これから何をすればいいのだろう…)
ダイオードには、
/ ゚、。 /(私は……)
何もありませんでした。
生きる目的も、理由も、
ただ、商人という仕事だけが彼にはありました。
401 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:06:02.35 ID:IkGv3Ac2O
ただ町に行き、
ただ注文を聞いて、
ただその通り商品を運ぶ、
そんな、そんな毎日でした。
商品を受け取る人は笑顔でも、
「ありがとう!」
/ ゚、。 /「いえいえ」
ダイオードは笑顔ではありませんでした。
402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:08:05.37 ID:IkGv3Ac2O
そんな、ある日の事です。
407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:14:29.01 ID:IkGv3Ac2O
ダイオードの下へ一人の男がやってきました。
( ^ω^)「君は商人かお!」
/ ゚、。 /「そうですよ」
( ^ω^)「みつけたお!」
( ^ω^)「商人さん商人さん!僕のお城で働いてくれお!」
/ ゚、。 /「嫌です」
( ^ω^)「あ、えと」
/ ゚、。 /「絶対、嫌です」
( ^ω^)
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:15:26.13 ID:AZLPuyCm0
なんてこったい
411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:18:33.30 ID:2I9O1Kkp0
( ゜ω゜)「お断りをお断り」
413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:20:35.89 ID:IkGv3Ac2O
ダイオードはお城が嫌いでした。
大嫌いでした。
/ ゚、。 /「お城があって、領地があって、そんなのがあるから、人と人がバラバラになって」
/ ゚、。 /「そんなんだから」
( ^ω^)「……」
/ 、 /「戦争が…起こったんだ……」
/ 、 /「あの子が、いなくなっちゃったんだ」
ぽつぽつと、
ダイオードの感情がこぼれました。
415 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:22:49.95 ID:IkGv3Ac2O
/ 、 /「あの子はなにも、」
/ 、 /「何も……」
/ ;、。 /「悪くなかったのに……」
( ^ω^)「……」
王様はただ、黙ってそれを聞き、
( ^ω^)フー
ひとつ小さく息を吐き、
( ^ω^)「商人さん」
言いました。
417 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:23:48.18 ID:UeiTrvnF0
( ^ω^)「とりあえずケツだせお」
419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:26:36.08 ID:xKoAkSNx0
>>417
とりあえず校舎裏に来いや
422 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:29:25.91 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「それでもお城に来てくれお」
/#゚、。 /「だから私は!」
( ω )「僕は!偉くならなくちゃいけない!」
( ω )「誰よりも!他の奴らなんかより!ずっと!」
( ω )「僕の!僕の目的は!」
/;゚、。 /
( ω )
王様は、ダイオードにそっと耳打ちをしました。
424 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:31:00.91 ID:UeiTrvnF0
( ω )「みんなのケツをほることだお」
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:32:27.83 ID:WJAoTXKY0
>>424
とりあえず校舎裏に来いや
428 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:34:40.56 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「……」
( ^ω^)「……」
/ ゚、。 /「あなたは、」
( ^ω^)「なんだお」
/ ゚、。 /「とても哀れな人だ」
( ^ω^)「なんとでもいえお」
/ ゚、。 /「そんな理由で王様に、偉くなろうと?」
( ^ω^)「そんな、理由じゃないお」
( ^ω^)「それだけ、の理由だお」
/ ゚、。 /「……」
432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:39:02.72 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「待っていてください」
そう言うとダイオードはいそいそと支度を始めました。
( ^ω^)「来てくれるのかお!?」
/ ゚、。 /「……あなたは、私と同じですから」
( ^ω^)「来てくれるならなんだっていいお!」
こうして商人は、
王様の下へ。
435 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:41:18.14 ID:IkGv3Ac2O
「ただいまだお!商人を連れて来たお!」
「あ、王様、買い出し一年分終わりました」
「キムチも一年分買ったニダ!」
「ハサミも……」
「お!?おおお……」
(私は必要なんだろうか……)
437 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:42:37.13 ID:IkGv3Ac2O
その4
商人の話 終わり
442 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 00:47:02.91 ID:4yWK2s590
キムチ買ってんじゃねえよ作れよwwwwwwwwwwwwwwwww
526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 20:54:01.91 ID:IkGv3Ac2O
彼は王様になりました。
使用人を見つけました。
コックを見つけました。
庭師を見つけました。
商人を見つけました。
彼は、自分の目標としていた王様になったのです。
531 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 20:55:58.74 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「それで?」
( ^ω^)「……」
ξ゚△゚)ξ「あなたの本当の願いは、」
王様が、本当に、本当に、願っていたことは、
ξ゚△゚)ξ「叶ったの?」
( ^ω^)「……まだだお」
未だに叶ってはいませんでした。
532 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 20:58:08.71 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「……」
( ^ω^)「……」
こうして魔女と話す事は何回目でしょう。
毎回おんなじ内容です。
「あなたの願いは叶ったの?」
答えはいつも同じでした。
535 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:00:17.43 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「ま、どうでもいいけどね」
( ^ω^)「……」
ξ゚△゚)ξ「でもね、」
( ^ω^)「……」
ξ゚△゚)ξ「時間はどんどん近づくわ」
( ^ω^)「わかっているお」
終わりはいつもこの会話。
そうして魔女はどこかへ行ってしまうのです。
538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:08.58 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「……」
王様一人の部屋に、響く音。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
( ω )「……」
王様の、咳込む音でした。
誰にも聞かせていない、音でした。
539 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:44.71 ID:d5Ho/GOoO
なんと
540 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:03:57.41 ID:l3dUzwO50
いう
541 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:04:43.72 ID:jq5u4DlB0
ことでしょう・・・
542 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:05:38.90 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「ねえ王様!今日はお皿をピカピカにしたんですよ!」
( ^ω^)「これは凄いお!輝いているお!」
それでも毎日は続きます。
(*゚ー゚) 「今日はお部屋の隅々まで磨いたんですよ!」
( ^ω^)「おおう!滑ってしまいそうだお!」
毎日は、続きます。
545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:08:14.87 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「王様!新しいキムチ料理ニダ!」
( ^ω^)「おっお!これは辛くて美味しいお!」
王様はそんな毎日を、
<ヽ`∀´> 「王様!キムチ以外の料理を作ったニダ!」
( ^ω^)「流石我がコックだお!これで僕もより一層偉くなるお!」
いつしか好きになり、
548 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:10:36.06 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「どうですか王様」
( ^ω^)「流石ショボンだお。美しい庭だお」
いつしか大切に思うようになり、
(´・ω・`)アイカッチュー
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
いつしか、
550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:12:09.98 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「今日は美味しいお肉ですよ」
( ^ω^)「素晴らしいお!夕食が楽しみだお!」
そんな毎日が、
/ ゚、。 /「まあキムチ……」
( ^ω^)「キムチ……」
何より愛おしく思うようになりました。
552 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:13:19.17 ID:IkGv3Ac2O
でも、
561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:15:04.72 ID:IkGv3Ac2O
大切で
愛おしくて、
かけがえの無いものでも、
563 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:16:39.67 ID:IkGv3Ac2O
王様の願いには変わりません。
コンコン、げほげほ、
コンコン、げほげほ、
( ω )「……」
だから、だから、
だから王様は……
566 :ゴメン「アイカッチュー」はただのパロ:2010/07/06(火) 21:20:21.45 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「おまえら全員クビ」
(*゚ー゚)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ^ω^)「野垂れ死ねバーカ」
そういう道しか選べなかったのです。
568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:21:43.88 ID:l3dUzwO50
なんだとー
571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:22:49.48 ID:IkGv3Ac2O
*****
「しつもんがありまーす」
「なんだい?」
「魔女は伝説だとききました」
「そうだね」
「どうして伝説なのですか?」
「それはね、」
573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:25:11.91 ID:IkGv3Ac2O
「坊やに、魔女は願いを叶えると教えたね」
「はい、教えてもらいました」
「大抵の願いってのはね、」
「はい」
「魔女に頼む必要なんて無いんだ」
「?」
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:30:34.32 ID:IkGv3Ac2O
「地位が欲しい男は魔女を呼ぼうとした」
「……」
「だけど魔女を呼ぶよりも、努力して偉くなる方がずっと簡単だったんだ」
「……」
580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:32:48.46 ID:IkGv3Ac2O
「お金が欲しい男がいた」
「……」
「だけど同じような伝説の錬金術を探すほうが、」
「……」
「ずっとずっと簡単だったんだ」
「……」
「魔女には代償として来世が奪われるからね、みんなそっちを選んだ」
586 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:35:16.93 ID:IkGv3Ac2O
「じゃあ、じゃあどうして王様は魔女を選んだんですか?」
「……世界のどこにもね、」
「……」
「人を生き返らせる伝説はなかった」
「魔女なら?」
「魔女でも無理さ」
「じゃあどうして!」
「魔女はね、自分が無いんだ」
「自分が?」
591 :>>583ゴメン「が」だった:2010/07/06(火) 21:40:17.32 ID:IkGv3Ac2O
「魔女を呼び出すために必要な、悲しみの香辛料、呼び出す者の生き血、」
「……」
「その中にある、気持ちから魔女は、姿を作る、顔も性格も、」
「……」
「魔女の姿がここの文献に無いのはそういう理由なんだ」
「じゃあ、王様は」
「……」
*****
592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:42:12.71 ID:IkGv3Ac2O
その5
王様の話
599 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:47:54.85 ID:IkGv3Ac2O
それは彼がまだ、幼かった日の事です。
( ^ω^)「僕は王様になるお!」
ξ*゚△゚)ξ「ふーん」
( ^ω^)「そしたらツンはお妃様だお!」
ξ*゚△゚)ξ「……ありがとう」
( ^ω^)「約束だお!」
ξ*゚△゚)ξ「うん……」
それは子供達の約束、
どこにでもある、小さな約束。
603 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:51:09.98 ID:IkGv3Ac2O
二人はとても仲良しでした。
ξ*゚△゚)ξ「お花の飾りはこうやって作るの」
( ^ω^)「おおー、ツンは物知りさんだお!」
ξ*゚△゚)ξ「ふ、普通だよ」
( ^ω^)「それでも僕は知らなかったお!だから凄いお!」
ξ*゚△゚)ξ「ありがとう……」
毎日のように二人は遊びました。
二人は毎日を輝くような笑顔で過ごしていました。
606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:53:55.14 ID:IkGv3Ac2O
やがて二人が大人に近づいていって、
関わり方が変わっても、
( ^ω^)「今日はお仕事だお!」
ξ゚△゚)ξ「……気をつけてね」
( ^ω^)「おっおwwwwツンにそう言って貰えるだけで百人力だおwww」
ξ*゚△゚)ξ「バカ……」
二人はとても仲良しでした。
607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:55:46.45 ID:IkGv3Ac2O
だけど……そんな日々は続きませんでした。
611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:57:12.89 ID:IkGv3Ac2O
西のお城と、
東のお城と、
南のお城と、
北のお城が、
みんながみんな、
戦争を始めたのです。
615 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:58:02.60 ID:l3dUzwO50
ダイオードの闇
617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 21:59:59.99 ID:IkGv3Ac2O
二人は離れる事になりました。
男は戦場へ、
( ^ω^)「待っててくれお」
ξ;△;)ξ「絶対…帰って来てね……」
( ^ω^)「もちろんだお!」
彼女を守るために、
戦場へ。
622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:03:38.33 ID:IkGv3Ac2O
殺しました、
何人も何人も、
(# ω )「うおおおおお!!」
ただ、ただ守りたかったから、
ただ、ただ彼女の下へ帰りたかったから、
( ;ω;)「うおおおおお!!!」
その、一心で、
何人も、何人も、
殺しました。
624 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:04:10.42 ID:3CLX2r2UO
お、おかしいな、画面がぼやけるんだけど
627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:05:38.35 ID:IkGv3Ac2O
だけど、だけど、
戦争が終わって、
ようやく、ようやく戦争が終わって、
628 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:05:45.44 ID:tjou+UXP0
切ねェ…
630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:07:07.02 ID:IkGv3Ac2O
( ω )「……」
彼が自分の居た場所へ帰った時には、
633 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:11:01.60 ID:IkGv3Ac2O
( ω )「どうして無いんだお……」
( ω )「僕の家も、向かいのおじさんの家も」
( ω )「となりのおばさんの家も、公園も、僕の町も」
( ω )「ツンの、家も……」
( ω )「どうして……」
( ;ω;)「どうして何も無いんだお!!!」
「どうして!!!!!」
636 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:12:10.36 ID:IkGv3Ac2O
何も、残ってはいませんでした。
638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:12:39.03 ID:d5Ho/GOoO
むう…
641 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:15:48.26 ID:IkGv3Ac2O
「あの村?」
「ああ襲われたんだって?」
「きっとみんな■■ちゃいないよ」
「みんなみんな■■じまった」
「酷いことをするよな」
645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:18:43.24 ID:IkGv3Ac2O
不快な言葉を何度も聞きました。
何度も、何度も、
( ω )「生きてるお」
だけど彼は、
( ω )「きっとツンは生きてるお」
( ω )「死体が無いお、墓が無いお」
(# ω )「だから絶対に生きてるお!」
それを信じようとはしませんでした。
647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:19:49.65 ID:0Z/rEhr/0
死者の思い出に縋る愚か者め…!
とは言えない
648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:20:22.70 ID:IkGv3Ac2O
彼は探しました。
ツンを、大切な人を、
西へ東へ、
南へ北へ、
彼は探しました。
649 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:22:03.30 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
( ω )「見つからないお」
西も東も、
( ω )「見つからないお」
南も北も、
(# ω )「どうして見つからないんだお!!!」
どこにも彼女はいませんでした。
651 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:24:40.97 ID:IkGv3Ac2O
( ;ω;)「……」
西にも東にも南にも北にも、
どこを旅しても、
彼女はいませんでした。
( ;ω;)「ツン……」
悲しみに沈みそうな、
そんな時でした。
彼がそれを、
思い出したのは。
656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:26:47.15 ID:IkGv3Ac2O
「僕は王様になるお!」
「ふーん」
「そしたらツンはお妃様だお!」
「……ありがとう」
「約束だお!」
「うん……」
それは幼い日の約束。
658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:28:46.52 ID:IkGv3Ac2O
( ^ω^)「僕は、」
もしも偉くなったら、
もしも王様になったら、
彼女が僕を、
彼女が僕を見つけてくれるかも知れない。
( ^ω^)「王様に、なるお」
もう一度、会えるかも知れない。
664 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:33:57.73 ID:IkGv3Ac2O
彼女を探す旅で彼は色々な事を知っていました。
魔法のような事だって、
錬金術だって、
なんだって知っていました。
だけど、
それでも彼は、
( ^ω^)「へいへい!魔女さん!願いを叶えてくれお!」
ξ゚△゚)ξ「……いいけど、わかっているの?」
魔女を、呼びました。
667 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:38:09.60 ID:IkGv3Ac2O
もしかしたら、
もしかしたら、彼はわかっていたのかも知れません。
彼女が、
彼女が、もういない事を。
それでも彼は、王様は、
いびつに歪んだ夢を、それだけを信じて、
(; ω )「ガハッ!ガハッ……ツン」
生きてきたのです。
673 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:43:48.13 ID:IkGv3Ac2O
(; ω )「……」
ξ゚△゚)ξ「……」
それはもう何回目かすらわからない会話の時でした。
ξ゚△゚)ξ「このまま、終わる?」
(; ω )「……」
ただ、
ξ゚△゚)ξ「まだ二つ、願いを叶えられるのに……」
(; ω )「……」
今日は少しだけ違いました。
677 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:48:25.30 ID:IkGv3Ac2O
それは彼の記憶が魔女に影響したのかもしれません。
ξ゚△゚)ξ「このままだと、死んじゃうよ?」
( ω )「……」
ξ゚△゚)ξ「ねえ、それでもいいの?」
( ω )「……」
ξ;△;)ξ「ねえったら!」
それは、
まるで、彼女が言うような言葉、
682 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:51:22.90 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
( ω )「……いいんだお」
ξ;△;)ξ「……」
( ω )「もう……いいんだお魔女さん……」
( ω )「ツンは、ツンはきっと、」
王様は、彼は、
( ;ω;)「死んでしまったんだお……」
疲れてしまっていました。
683 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:51:57.75 ID:avSpbj9U0
これはある意味リアルタイムで見たくなかった
685 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:54:19.80 ID:IkGv3Ac2O
ξ;△;)ξ「……」
( ω )「もう叶えられる願いなんて、しらないお」
ξ;△;)ξ「……」
( ω )「……彼等に、」
ξ;△;)ξ「彼等?」
( ^ω^)「僕が、追い出してしまった彼等のために、」
「使ってくれお」
687 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:55:30.87 ID:IkGv3Ac2O
ふたつめの願いは、
家臣達の幸せ
691 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 22:59:57.30 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「無くしたい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、無くしたい事」
ダイオードは城を追い出されても商人でした。
魔女の存在を知っても、
「ああ、そうだったのか」
と納得するだけでした。
いくら願いでも無条件に幸せには出来ません。
だから、代わりに彼等の、
後悔した事や、
忘れたい記憶を、
無くすことにしたのです。
694 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:04:22.97 ID:IkGv3Ac2O
だけど、
/ ゚、。 /「無いよ」
ξ゚△゚)ξ「無い?」
ダイオードはそれを断りました。
/ ゚、。 /「ああ、私に消したい事なんて無いんだ」
ξ゚△゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「忘れたい過去はあるけどね」
/ ゚、。 /「……でも、それは忘れちゃいけない事だ」
ξ゚△゚)ξ「……」
/ ゚、。 /「絶対に、忘れちゃいけない事なんだ」
699 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:07:03.54 ID:IkGv3Ac2O
ξ゚△゚)ξ「そう……」
/ ゚、。 /「ああ、だから他な奴のとこへ行きなよ」
ξ゚△゚)ξ「……わかったわ」
そういって、魔女が別の家臣の下へ行こうとした時です。
/ ゚、。 /「ああ、代わりと言ったらなんだけど」
ダイオードは言いました。
701 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:08:14.22 ID:IkGv3Ac2O
/ ゚、。 /「王様を幸せにしてやってくれ、彼は私と同じだから」
703 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:10:41.73 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「消したい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、消したい事」
次は庭師のショボンです。
彼もまた、事情を話すと、
「ああ、知ってるよ」、と言いました。
708 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:13:21.78 ID:IkGv3Ac2O
でも、
(´・ω・`)「消したい事なんて無いよ」
ξ゚△゚)ξ「……」
ショボンもまた、
消す事を、断りました。
(´・ω・`)「無いんだ、消したい事なんて」
ショボンの両目は、全てを見透かしているようでした。
714 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:19:04.14 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「後悔している事はあるけれど」
ξ゚△゚)ξ「……」
(ねえショボン!僕は星がいいなあ!)
(ショボン、四角とかはできないかなあ)
その時、魔女にも、声が聞こえました。
(´・ω・`)「声の大切さに気づけた、だから、いらないよ」
ξ゚△゚)ξ「そう……」
そうして魔女が他の家臣の下へ行こうとした時です。
(´・ω・`)「ああ、代わりに頼みたいんだけど」
ショボンが言いました。
716 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:20:30.08 ID:Dukf1gCT0
なにこのとっても素敵な話
718 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:20:51.80 ID:IkGv3Ac2O
(´・ω・`)「王様を幸せにしておくれ、また声が聞こえたのは彼のおかげみたいな物だから」
723 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:26:07.57 ID:IkGv3Ac2O
そうして次はコックです。
「いまさら何しに来たんだよ!」
<ヽ;`∀´> 「ごめんなさいニダ。本当に、すみませんニダ」
だけれど魔女は彼に近づけません。
彼が沢山の人に謝っていたから。
ずっと、ずうっと。
727 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:26:58.17 ID:j+jftkpy0
ニダー改心してやがって泣かせるわ
729 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:29:18.78 ID:IkGv3Ac2O
「これ、お詫びの料理ニダ……キムチじゃないニダ……」
「いらねえよ!そんなもん!」
そんなやりとりを何回もニダーはしていました。
何回も何回も、
そして、
「……まあ、受け取ってやるよ、二度と盗みなんてするなよ」
<ヽ*`∀´>「ありがとうございますニダ!」
許してくれる人も、
出てきました。
740 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:32:27.27 ID:IkGv3Ac2O
そうして、ようやく話せるようになりました。
<ヽ`∀´> 「消したい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、消したい事」
ニダーも魔女の事を聞いても驚きませんでした。
「王様は凄いから何でも出来るニダ」、と言うだけでした。
ただただニコニコしてました。
742 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:32:48.21 ID:u4nM9/Vy0
このきむちはなんだろう~♪
743 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:33:08.73 ID:Ej96CjK90
これはほんのキムチですが・・・
744 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:34:33.40 ID:MZzrVB1E0
>742-743
ちょっと表出ろ
747 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:35:44.34 ID:IkGv3Ac2O
そして、
<ヽ`∀´> 「消したい事なんて無いニダ」
ξ゚△゚)ξ「何も?」
<ヽ`∀´> 「なあんにも無いニダ」
ニダーも二人のように、
<ヽ`∀´> 「後悔している事はあるニダ」
<ヽ`∀´> 「でもそれを忘れちゃいけないニダ」
言ったのです。
755 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:38:28.00 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「さ!まだまだ謝る人は沢山いるニダ!」
ξ゚△゚)ξ「そう……」
<ヽ`∀´> 「頑張るニダ!」
ξ゚△゚)ξ「……」
そうして魔女がまた別の家臣の下へ行こうとした時です。
<ヽ`∀´> 「あ!もしよければ!」
ニダーが言いました。
756 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:38:43.88 ID:USQ9NXp70
これはいいニダー、いや稀なニダー
759 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:39:48.64 ID:IkGv3Ac2O
<ヽ`∀´> 「王様に幸せを!王様はウリを助けてくれたニダ!」
760 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:40:40.16 ID:XvmVw5fW0
何を言うかわかってても涙が・・・
768 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:43:36.02 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「消したい事?」
ξ゚△゚)ξ「そう、消したい事」
最後は使用人のしぃでした。
(*゚ー゚) 「……」
ξ゚△゚)ξ「……」
彼女は、
(*゚ー゚) 「あるよ、消したい事」
ξ゚△゚)ξ「それは、なに?」
(*゚ー゚) 「……」
彼女だけは、
770 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:44:41.96 ID:IkGv3Ac2O
「王様と会ってからの記憶を消して欲しいな」
消す事を、願いました。
771 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:45:34.19 ID:u4nM9/Vy0
おい しぃふざけんな
キムチぶっかけるぞ
772 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:46:22.86 ID:VsoKiWkw0
いやいやここは何かあるんだろう
773 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:46:45.71 ID:TAq/Moc70
多分しぃは強い子
774 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:47:13.50 ID:0jOygmei0
予想外
776 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:47:53.74 ID:IkGv3Ac2O
(*゚ー゚) 「あんな楽しい毎日なんてなかった」
ξ゚△゚)ξ「……」
(*゚ー゚) 「もう、来ない日々なら、消して欲しい」
ξ゚△゚)ξ「……いいの?」
(*゚ー゚) 「うん……」
ξ゚△゚)ξ「……わかった」
(*゚ー゚) 「……」
そうして、魔女が魔法を唱えようとしたときです。
777 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:48:32.52 ID:u4nM9/Vy0
キムチがとんできました。
808 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:02:25.44 ID:AjpHjaWvP
>>777にやられた('A`)
784 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:50:31.30 ID:VsoKiWkw0
>>777
屋上
790 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:52:40.84 ID:IkGv3Ac2O
「……!!!」
ξ;゚△゚)ξ「……!!!!」
無理矢理に口を押さえ付けられました。
ξ;゚△゚)ξ「ちょっと!何するの!」
(*;ー;)「駄目っ!絶対に駄目っ!」
ξ;゚△゚)ξ「あなたが望んだのよ!?」
(*;ー;)「忘れたい!忘れたいけど!」
「それでも毎日は本当に楽しかった!」
801 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:55:48.50 ID:IkGv3Ac2O
ξ;゚△゚)ξ「……」
(*;ー;)「私…楽しかった……本当に…楽しかった……」
ξ;゚△゚)ξ「……」
(*;ー;)「ごめんなさい、わがまま言って」
(*;ー;)「私…やっぱり何も、消したく無い……」
(*;ー;)「忘れたく、ない……」
ξ;゚△゚)ξ「……」
804 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/06(火) 23:58:35.12 ID:IkGv3Ac2O
ξ;゚△゚)ξ「じゃあ、何も、望まないのね?」
(*;ー;)「……うん」
ξ;-△-)ξ「……わかったわ」
ああ、またか、
そう思い、城に魔女が戻ろうとした時です。
(*;ー;)「もし、もしよかったら!」
しぃが叫びました。
806 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:00:21.29 ID:zQYqJEL4O
(*;ー;)「王様に幸せを!あの人が拾ってくれたから楽しい日々に会えた!」
807 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:01:51.64 ID:zQYqJEL4O
そうして、
商人と、
庭師と、
コックと、
使用人な願いを抱いて、
魔女は城へ戻りました。
818 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:06:43.09 ID:zQYqJEL4O
( ω )「……」
そして、
( ω )(なんだお……)
そして王様の病は治り、
( ω )(なんだか…暖かいお……)
「…!……!!」
( ω )(何か、何か聞こえるお……)
「…様!王様!」
( ω )(みんなの…声?)
そして彼の周りには、
826 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:10:14.76 ID:zQYqJEL4O
(*;ー;)「王様!王様!」
使用人の少女と、
<ヽ*`∀´>「起きたニダ!」
泥棒だったコックと、
(´・ω・`)「よかった……」
心の読める庭師と、
/ ゚、。 /「……」
過去と向き合う商人と、
829 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:10:41.36 ID:LLhp0Y2x0
と、!
832 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:12:09.55 ID:K6Nfaj4PO
と!!!!
836 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:13:51.59 ID:zQYqJEL4O
「本当に、」
彼が聞いた声は、
( ω )(え……)
( ω )「……まさか」
そして、
「本当に王様になったんだ……」
そしてそれは、彼が求め続けていた、
837 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:14:18.20 ID:sWpFsG5E0
画面がキムチでぼやけて見えない
842 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:14:42.56 ID:YneATzJS0
目からキムチが・・・
844 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:15:10.01 ID:zQYqJEL4O
ξ*゚ー゚)ξ「おめでとうブーン」
845 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:15:29.56 ID:WsndourEO
おおっ?
849 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:16:13.43 ID:zQYqJEL4O
彼女の、声でした。
856 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:18:53.14 ID:zQYqJEL4O
そこで王様は目覚めました。
(;゚ω゚)「ツン!」
聞いた、確かに聞いた。
彼女の声を、求めつづけた、
彼女の声を。
(;゚ω゚)「……」
だけど、彼の周りには誰もいませんでした。
あんなにも、あんなにもリアルに、
声が聞こえたのに。
857 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:19:20.64 ID:12/PHnLyO
(´;ω;`)
859 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:19:32.05 ID:fv3C9JSO0
うわああああ
861 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:19:57.45 ID:LLhp0Y2x0
やっぱりそうだよな・・・
863 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:21:57.05 ID:zQYqJEL4O
( ω )「やっぱり……」
嗚呼、何も、何も無いんだ。
僕には、何も、無い。
再び王様が悲しみに染まり始めた時です。
(*゚ー゚) 「王様」
そこに使用人の少女が、いました。
872 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:27:53.35 ID:zQYqJEL4O
( ω )「しぃかお」
(*゚ー゚) 「悲しい、夢を……見たんですか?」
( ω )「……そうだお、悲しい、とても悲しい夢だお」
( ω )「僕に、何も無い事を、実感してしまう……」
( ω )「悲しい…夢だお……」
(*゚ー゚) 「王様」
( ω )「なんだお」
(*゚ー゚) 「私には家族がいません」
(*゚ー゚) 「戦争で失いました」
(*゚ー゚) 「コックのニダーさんも、そうらしいです」
( ω )「……」
876 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:31:52.25 ID:6tW9jfk50
なんでブーン系書く人って文才ある人ばっかなん?
へこむわ
880 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:33:17.56 ID:u1j9AunS0
>>876
ブーン系書く人が天才なのではなく、天才がブーンを選んでるだけの事です
878 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:32:54.16 ID:zQYqJEL4O
(*゚ー゚) 「でも、でも私は、手には、まだ残っている物があります」
( ω )「……」
(*゚ー゚) 「王様、あなたがくれたのです」
(*゚ー゚) 「私だけじゃない……」
(*;ー;)「ニダーさんや、ショボンさんや、きっとダイオードさんだって!」
(*;ー;)「王様がくれた物を持ってるはずです!」
( ω )「……」
(*;ー;)「王様……それでも、あなたには、あなたの手には、」
(*;ー;)「何もありませんか?」
883 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:34:41.10 ID:zQYqJEL4O
ぽたり、と
涙が落ちました。
893 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:39:43.68 ID:zQYqJEL4O
( ;ω;)「……あるお」
( ;ω;)「僕には…沢山の物が、まだ……」
ハラハラと、王様の目からは涙が落ちていました。
泣いて、泣いて
泣いて。
部屋には二人の泣く音だけが響いていました。
それと、
895 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:40:48.31 ID:zQYqJEL4O
<ヽ;`∀´>「王様泣いてるから励ましに入るニダ!」
(;´・ω・`)「やめなよ」
/;゚、。 /「やめといた方が……」
<ヽ;`∀´> 「な、なんで?」
(´・ω・`)/ ゚、。 /「空気を読んで」
部屋の外では不安そうにしている彼等もいました。
904 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:45:34.96 ID:zQYqJEL4O
一番に取り戻したい、無くした物は帰って来ませんでした。
しぃとニダーの家族、
ショボンのチャンス、
ダイオードの出会った少女、
だけど、だけど、
( ;ω;)
(*;ー;)
<ヽ`∀´>
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
彼等には、まだ残っている物もありました。
906 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:46:48.06 ID:zQYqJEL4O
そして
909 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:49:32.37 ID:zQYqJEL4O
ξ゚△゚)ξ「最後の願いが決まった?」
( ^ω^)「そうだお」
家臣が城に帰ってしばらくした日の事です。
魔女と王様はいつもとは違う話をしていました。
ξ゚△゚)ξ「まあいいけど、どんな願い?」
( ^ω^)「それは」
915 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:53:40.10 ID:zQYqJEL4O
*****
「魔女はね、可哀相なんだ」
「魔女がですか?」
「呼び出した者から奪うだけ、」
「……」
「魔女には何もないんだ、何も」
「……王様は、どうしたんですか?」
「それはね」
*****
919 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 00:56:51.54 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)「魔女さん、あなたに」
ξ゚△゚)ξ「私に?」
( ^ω^)「『自分』を作ってあげたいお」
( ^ω^)「それが三つ目の願いだお」
そう、王様が言った時でした。
ξ;゚△゚)ξ「あ……」
魔女を、光が、包んだのです。
926 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:02:25.99 ID:zQYqJEL4O
そして、魔女は、自分を手に入れて、
ζ(゚ー゚*ζ「……」
( ^ω^)「ツンに妹がいたらこんなんだおね」
ζ(゚ー゚*ζ「……ありがとう」
( ^ω^)「おっおwwwたいした事ないおwww」
ζ(゚ー゚*ζ「私に頼った人は少ないけど、こんな願いあなたが始めてだよ」
( ^ω^)「おっおwwww」
ζ(゚ー゚*ζ「……お礼に、奪わないであげる」
( ^ω^)「お?」
次の瞬間には、魔女はもうそこにはいませんでした。
934 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:07:17.64 ID:zQYqJEL4O
*****
老人に近い男は子供に童話を話していた。
話しは時期に終わりそうで子供は興奮し、鼻息を荒げ、話しを聞いていた。
「それで!?それから王様達はどうなったんですか?」
「実はなあ、この先はなあ……」
「ええ!?わからないんですか?教えてくださいよ!王様!」
「おっおwwwwすまないおwww」
だってこのお話は、
937 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:08:23.50 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)「僕もよくわからないんだおwwww」
終わっていないのですから。
942 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:10:35.86 ID:zQYqJEL4O
むかしむかしのお話です。
周りの人の事など考えない。
自分のためだけに王様になった男がいました。
だけど、男はみんなに慕われて、
みんなからこう、言われました。
「あの王様は最高だよ!」
945 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:11:28.62 ID:zQYqJEL4O
( ^ω^)は最低な王様になるようです
おしまい
947 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:11:56.07 ID:SrC2DkOO0
オワッター!楽しかったwww乙wwww
949 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:12:06.01 ID:Bv2cq+ec0
すばらしい
951 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/07(水) 01:12:11.41 ID:LLhp0Y2x0
タイトルが変わっただと
乙!
973 : ◆fG1I1UcIeI :2010/07/07(水) 01:13:57.28 ID:zQYqJEL4O
その5終わりってやりわすれた…
支援ありがとうございました!駆け足でごめんね!
矛盾いっぱいでごめんね!
疲れたけど投下しててめちゃくちゃ楽しかったよ!
ありがとうございました!
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ッウ....
ないた!!!
非常に読みやすい文章だった。
普通に短い感じだったけど
絵本で読んでみたくなった
ただ残念なのがその4「ダイオードはいそいそと支度を始めました」ってとこ
いいとこなのに明らかに誤用でちょい興醒めした
なんかバンプ思い出した
感動した!
上手だった
いい話をありがとう
感動をありがとう
いいはなしだなー
※33同意
orbital periodの絵本思い出した
文章で泣けたの初めてだもん。
そうなるとどうだろ
やっぱりこの手の作品はキャラ補正入るからねー
実際に投稿する時ブーンのままじゃ無理っしょ
俺も泣いたけどw
ラノベが好きな奴は泣けるかもな。
ところで?の部分って鼻と口じゃないのか
文字化けだとは思わんかったぞ
マジ感動
「おめでとう、ブーン」
「ツン!」の流れで決壊した。
あと全然関係ないがガン×ソード最終回思い出した。
こういうの、弱い。失われた何かとか、大切な約束とか。
たびたびあるフェイクの書き込みに吹きまくった。
凄い面白かった。定期的に面白い作品をよまさせてくれるここにも感謝する。
なんてナチュラルなフェイク混ぜてんだゴラwwwww
個人的にショボーンが一番好き
フェイクが自然すぎてわろた
ありがとうよ畜生が
これは良かったなぁ
シンプルなのにくっきりと脳内再生されるお。
しょっぱい汁が止まらない
でも泣いた
32歳童貞無職の夏…
最低じゃなくて最高じゃねえか!
絵本化しろよマジで
後悔はしたいし忘れたいけど、忘れちゃだめなんだよな。。。。
今、PCから読み直したけど素晴らしい話だった!
あと、途中の乱入は反則すぎるwww
アレのせいで電車ん中で笑ってしまったジャマイカwwww
ええ話や、ええ話やな~
たまにこんな感動を味わえるから、人生はやめられないんだ。
そうでもなくて安心した
イイハナシダナーに相応しい創作をありがとう
俺も明日から本気出すよ
なければ絵本にすればいいのに
もし絵本になったら三冊は買ってしまいそうだ…
こんな作品をよくもまぁ最後まで読めますね。
でも、良いことですよ。何にでも感動出来るってことはね。
横槍がなかったら多分微妙だったかも
なかなかの力作
絵本になればいいのに
絵本になったら買うw
でもいい話だった
悔しい時、悲しい時は涙は沢山流したのにね
読み直したのは初めてだった。ジワッと来た。まとめの人もありがと。
皮肉ってる俺カッコイイってか
夏厨はさっさと寝ろよ
そうじゃないなら回線切って首吊って死んでろ
SSにしちゃ確かに良作だが、本気で絵本や短編を書いてるやつは、もっともっと遥かに凄いよ。
こんなんじゃまだまだ。
やるじゃん
いや、今は他の絵本や短編の話なんてどうでもいいですから(汗)
この話がイイって言ってるのに、なんで他の絵本や短編との比較をするのか。
馬鹿だし空気嫁ないしでどうしようもないな
温かいお話だ
ところでダイオードの顔がイマイチわからんw
ナナメになってるのか
いやいや、絵本や短編の話なんてどうでもいいんなら、「絵本にしたら絶対売れる!」とか、別に文芸作品と類比しなくてもいいでしょ。
そんなファンタジーを言ってるやつがあまりにも多いから、ちょっと現実的な認識を書いておいただけ。
2chのSSとしては良いんじゃないか。俺も最後までちゃんと読んだよ。
オレもっとすごいヤツ知ってるもん!そんなの全然だもん!!
低学年によくいる負けず嫌いの小学生ですね、わかります。
名作だから要チェック
こういう絵本欲しいな
その認識が間違ってるってのか? その事実を認められないってのは、相当な偏見を持ってるんじゃないか。あるいは、大勢に反する発言をしたってことが許せないのか?
いずれにせよ、そういう非生産的な島国根性はとっとと捨てちまえよ、前時代的クソジャップ。
泣いた 確かに良い話だけど何故泣いたのだろう
きっと純真とか何かを取り戻せたのかもしれない・・・
認識がどうとかより先にマナーを考えろよ。
SS系で久しぶりに真面目に読んでしまった。
ハム管これで☆5カテゴリじゃねーのは納得できねぇぞw
泣いた
久々に涙した
このスレのニダーを見習えよ。
お前らのやっている事の方が非生産的だろ?客観的に考えろよ。
お前はこのスレのニダーを読んで正直な心を学ぶ必要があると思う。ってゆーかもう、知れ。
著作権とか発生すんのかな。
とにかく素晴らしいです。
内容を濃くして、全ての大人に向けて書かせていただきたい。
書かせて下さい。もう書いてます7月から。
久々にハム速GJ
感動した泣いた(TдT)
管理人さんもっとブーン系まとめてくだしあ><
どうしてくれるんだお
ギャグ系を期待してたら
まさかのシリアス系だとは…
(´;ω;`)いい話ダナー
恋空とはなんだったのか
最高だったw
本を書かせてほしいお
泣けて
温かくて
良い話だった
いい話だったよ。
ありがとう!!!
普段泣かない俺が泣いてしまったよ
リズム感とか絶妙だし
ありがちな設定・・・カンケーない
いい作品だぁ 感動した
ありがとう ハム速さん
小説で出すには薄っぺらいけど、
さりげなく戦争の悲惨さを訴えてるあたり、
2chネタとか手直しして絵本にしたらすごくいいと思うよ。
まぁ売れるかは絵にもよるのかもしれないけど。
なんで1か月以上遅れた今になって投稿するんだろ。
色んな想いを込めて書いた話なんだろうなって読みながら所々伝わってきた
自分の日常の振る舞いとかについて何となく振り返ってみたり、考えてみたりしていた
速報……?
途中の乱入クソワロタwwwwww
何だコレ名作すぎるだろ…。
このキャラだこそ味があるのかもしれないけど、普通のキャラに置き換えて世に出して欲しいな…。
そのぐらい面白かった。
誰か漫画家しないかな
何だコレ名作すぎるだろ…。
このキャラだこそ味があるのかもしれないけど、普通のキャラに置き換えて世に出して欲しいな…。
そのぐらい面白かった。
誰か漫画化しないかな
久しぶりにこんなに優しい気持ちになった
これは一つの完成形かも知れない。
是非本にして欲しい!
マジで冗談じゃねーよ。。家臣ども最高だ。。
よかった。いい話だった!!
ありがとう!!
子供とかに読ませるとかなり良いかかもな
絵本にせずとも、頭の中で鮮明にそのシーンが絵本のように映し出されたよ。
主、本当にお疲れ様です
ギャグ系の話だと思ったのにww
良いプロットだった(^ω^)
何か童話っぽい雰囲気がかなりいい
これはどう見ても☆5つだろ・・?1個付け忘れてるぜ・・・
何度泣いたか・・ここまでボロ泣きしちまうとは。。。
賠償と謝罪を請(ry
久しぶりにいい話だった、心がほんわかしたよ
ニダ→盗人→韓国
みたいな感じで、国を擬人化して進めるのかと思った。
楽しめた!乙です!
「悪いことしてるつもりがうっかり良いことしている王様の話」で
終わると思ったら(´;ω;`)
ホント感動した
泣けるトコも最低だあぁ!
最低な内容を期待した俺自身が最低だあぁ(泣)
絵本化いいね。
1ヶ月前とかどうとか書いてる人もいるけど、私は始めて読んだので
ここでまとめてくれなかったら読めなかったかもしれないし
感謝してます♪
ちょっとうるっときたぜ
絵本に出来るよマジで
なんか引き込まれた
ショボンが特に良かった
おそらく普通の本(とか絵本)ではさほど泣けない気がする
上手く言葉では言い表せないんだけど
感覚的には「電車男」とかに近い感じ
感動した!
本にしろ!
こういう素直ないい話ってんは最近少ないよな。
前置きとか裏設定とか分かりにくいのが多い。
面白かった。乙
そして泣いた
一気に廃れたよな
五年前辺りは溢れかえってなかったか
なんでツン......
ツンを生き返らせろよー(ノ△T)
ブーンは王様になったんだよ。お妃様になるんだろー(;_;)
ありがとう。感動しました。
ショボン好きだ
これはいいものだ
いい話だった!!>>1GJ!!
読み聞かせたい
やべぇ胸が詰まる死にそう
いつも泣いた、とか簡単に言ってるヤツを「ふーん」とかって思ってたのに胸がつまって涙がちょっと出た。
ちょっとずつ出た。
感動というより、素敵だなって思って…ブーンで初めて泣いた。
マジ泣けた。
本当にいい話だった!
シンプルで飾りすぎない文章も読みやすい。
泣いた。また何か書いてほしいな。
ハム速だってパクりだってなんだっていいじゃない、
いい話まとめてあるんだからさ
なんとなく暖かい気分になった
引き込もうとしてるのはわかるがそれに萎えた
どうしてくれる
実によかった
ショボンは心が読めました。ブーンの心も読めました。ブーンが繰り返される日常に愛おしさを感じていたことも…
(´・ω・`)「愛か」って言う…
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
ショボンは心が読めました。ブーンの心も読めました。ブーンが繰り返される日常に愛おしさを感じていたことも…
(´・ω・`)「愛か」って言う…
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
ショボンは心が読めました。ブーンの心も読めました。ブーンが繰り返される日常に愛おしさを感じていたことも…
(´・ω・`)「愛か」って言う…
(;^ω^)「ん?」
(´・ω・`)「いえ、なんでもないです」
いつかvipにうpってもいいかお?( ^ω^)
しかし叩かれるの覚悟で言うが、携帯小説(笑)を嘲ってる奴らがブーン系SSを読んで文才ある(笑)とか言ってるのに違和感を感じるわ
笑ってしまったが…w
いい話でジーンってきたよ ありがとう
文章力がなくても見せ方・内容がうまけりゃ感動できる
要するに自由に想像出来るか出来ないか
うう~…よかったぁ~
優しい気持ちでいっぱいになれた。
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