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岩国基地「米軍支援に十分な港湾」 流出の報告書に掲載

2010年8月18日

 滑走路が東へ1キロ移設された米軍岩国基地(岩国市)について、米軍が1999年の段階で、移設事業による港湾施設拡充後の貨物取り扱い能力を試算していたことが分かった。民間告発サイト「ウィキリークス」に、米軍輸送部門の内部報告書が掲載されていたといい、「米軍の海上輸送作戦を支援するに十分な能力を持つ港湾になる」と分析している。

 久米慶典県議(共産)が入手・分析し、17日に明らかにした。「世界の海上港湾の軍事分析 2002」と題する報告書で、1999年6月付。世界各地の港湾施設の貨物取扱可能量などを調査した内容で、日本国内では岩国のほか、八戸(青森県)、佐世保(長崎県)、米軍弾薬庫がある秋月や広(いずれも広島県)などの掲載があった。

 これによると、岩国の従来の埠頭(ふとう)では水深6メートルで小型のバージ船しか使用できなかったが、移設後は水深15メートルの埠頭と多目的岸壁、広さ約1万8千平方メートルの荷さばき場を備え、貨物処理能力が大幅に向上すると指摘。シミュレーションの結果、貨物取扱可能量は1日約1万8千トンになると試算している。

 久米県議によれば、この規模は国内の中堅港湾に匹敵するという。久米県議は「報告書の図面を見る限り、これらの施設はその通りに完成しているとみられる。米軍は沖合移設事業を奇貨(きか)とし、岩国基地に海上輸送作戦の拠点機能を付け加えたことが明らかになった」と批判した。

 ウィキリークスは、各国の機密や企業の秘密情報を暴露する民間ウェブサイト。先月、アフガニスタン駐留米軍の大量の機密文書を暴露して世界中の注目を集めた。

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