ヒル氏「北朝鮮よりイラクが楽」　外交官引退前に会見

　【ワシントン共同】北朝鮮核問題をめぐる６カ国協議の米首席代表を務めたヒル駐イラク大使が１７日、今月末の外交官引退を前に国務省で記者会見した。会見後、記者団に「イラクは核爆弾を持っていない。これはいいことで、イラクの方が（北朝鮮担当よりも）楽だったかもしれない」と、北朝鮮核問題の複雑さを振り返った。

　ヒル氏は「北朝鮮に改革を求めることはできない。それは体制崩壊を求めることになり、北朝鮮の未来がどうなるか分からない」と指摘。一方で「イラクの未来は見える」と述べ、大使としてかかわったイラクの復興が順調に進んでいると自賛した。

　また自らの今後については「もう６カ国（シックスパーティー）協議はやらない、（送別）パーティーをやるだけだ」と冗談を飛ばした。ヒル氏は、３３年間に及んだ外交官人生に今月末で終止符を打ち、デンバー大（コロラド州）の国際研究大学院長に就任する。