次期監督選考が難航し、苦い表情を浮かべる大仁副会長=JFAハウスで
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日本サッカー協会の大仁邦弥副会長(65)は16日、難航している日本代表監督の後任人事について、「ここまで延びるのは予想外だった」と当初の見通しが甘かったことを認め、近日中の契約合意は厳しいことを明らかにした。原博実技術委員長が元ポルト監督のビクトル・フェルナンデス氏(49)を筆頭候補として最終交渉に入っているが、契約年数や年俸面などがネックになっているとみられ、来月のパラグアイ戦に向け、代行監督の人選に本格着手する。
大仁副会長はテレビカメラの放列の前で苦渋の表情を浮かべ、同じ言葉を何度も繰り返した。
「(パラグアイ戦に)まだ何とか間に合うと思っている」「できるだけ早く決めたい」
前日15日夜に渡欧中の原委員長から「遅れて申し訳ない」と連絡があったという。詰め切れない状況に関して「(詳細は)言えません」としたが、契約年数や年俸面などで隔たりがあるとみられ、「なかなか合意に至らず、もう少し時間がかかる」と近日中の決定は困難との見方を示した。
来月のパラグアイ、グアテマラ戦を前に今月30日から合宿を予定しており、メンバー発表の時期に関して、同副会長は「現状では25、26日」と説明した。
ただ、交渉が遅れ、日程ばかりが迫ってくるがタイムリミットは設けず、「間に合わないからといってあきらめるとか、本当に良い監督なら1試合、2試合は(新監督不在でも)やむを得ない感じは持っている。妥協はしない」と、有力人物の招聘(しょうへい)に向け選考と交渉を最優先にする方針をあらためて強調した。
この日の昼食幹部会で、同副会長は小倉会長らに具体名は伏せた上で現状を報告した。代行監督の可能性について「あり得るが、まだ話はしていない」としながら、交渉過程を見極めながらすでに代行人事にも着手。新生日本代表のリベンジマッチを前に、後任人事はまだまだ長引きそうだ。 (松岡祐司)
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