“古豪”かちわりの逆襲　甲子園　氷溶かす熱戦　ペットボトルに売り上げ猛追

(産経新聞)

　連日熱戦が続く夏の甲子園大会。炎天下の応援スタンドでも半世紀以上の歴史を持つ名物「かちわり氷」と、発売から１０年余りの「凍らせたペットボトルの水」が、売り上げでしのぎを削る“熱戦”を繰り広げている。最近は「冷凍ペットボトル水」が扱いやすさなどから、袋入りの「かちわり氷」を圧倒していたが、今夏は猛烈な暑さと、今年から甲子園球場が販売に力を入れる伝統のかちわりが善戦している。

　かちわり氷は、約２０センチ四方のポリ袋に氷を入れて２００円。原則的に夏の高校野球期間のみ販売される。５３年前に球場近くのすし店主が売り始め、１日１万５千袋以上売れていた時期もある。

　冷凍ペットボトル水は１１年前から販売。５００ミリリットルのペットボトル入りの名水を凍らせて、かちわり氷と同じ２００円で夏限定で売り出したところ、ふたをすれば氷水が漏れないなどの扱いやすさが人気で、１日平均５〜６千本を売り上げるようになった。これに伴い、かちわり氷の売り上げは１日４〜５千袋程度にまで減っていた。

　しかし、甲子園球場は今夏から、「全国から応援に来る人たちに『夏の名物かちわり氷』を知ってもらいたい」と、売り子だけだった販売を冷凍ペットボトルと同様、球場内の売店にも拡大するなど伝統のかちわりの後押しをはじめた。

　その結果、大会初日（７日）はかちわり氷の売り上げが約６千袋に到達。冷凍ペットボトルを約１割上回った。８日以降の売り上げは未集計だが、球場の担当者は「まだ冷凍ペットボトルの方が多いが、かちわり氷も食らいついている。最終的な売り上げはかなり縮まるのではないか」としている。かちわり氷の売り子の男性（２０）は「競合する商品だけど、晴天が続いて両方とも売れればいい」と期待していた。

　◆猛暑日続く予報　気象台「水分補給を」

　１６日の大阪の気温は午前８時にすでに３０度を突破、予想最高気温は３５度となっている。大阪管区気象台によると、関西地方は今週中、広く高気圧に覆われるため晴れの日が多く、大阪の最高気温は３５〜３６度で、猛暑日が続く予報となっている。最低気温も２７〜２８度と熱帯夜が続く見通し。

　気温の高い日は２７日ころまで続きそうで、気象台では「甲子園球場などでは照り返しでさらに気温が上がる。座って観戦しているだけでも熱中症になる危険があるので、帽子などで直射日光をさえぎり、水分をしっかり補給することが大事」と注意を呼びかけている。