「呼び出し」着物広告、秋場所から再開

　大相撲本場所で力士名を呼び上げる「呼び出し」の着物の背中に名前を入れるスポンサーで、かまぼこなどの水産練り商品を販売する「鈴廣」（本社・神奈川県小田原市）が、秋場所（９月１２日初日・両国国技館）から広告の掲出を再開することが１６日、分かった。同社関係者が「９月場所からの復帰は決定しました」と明言した。

　着物広告は７社あるが、不祥事を受け名古屋場所は全社が掲出中止。１９４９年に初めて着物にスポンサー名が入って以来、絶えることのなかった広告がなくなり、異例の無地の着物だった。復帰を明言するのは「鈴廣」が初めて。同社関係者は「ある程度（改革への）道も見えてきたし、相撲界を盛り上げたい気持ち」と説明した。

　また、日本相撲協会が自ら動いたことも大きかった。今月上旬に陸奥広報部長（元大関・霧島）と八角広報部副部長（元横綱・北勝海）が、謝罪を辞退した「永谷園」をのぞく６社に対し、謝罪行脚。遠くは石川・七尾市まで赴いた。「鈴廣」関係者は「謝罪にいらして下さったことも（復帰理由の）ひとつです」と話した。