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新日落城…小島、初の外敵「G1」V

 「新日本・G1クライマックス」(15日、両国国技館)

 新日本がついに落城した。20年目を迎えた真夏の祭典「G1クライマックス」は、全日本を退団して参戦してきた小島聡(39)が棚橋弘至(33)を優勝決定戦で破って初優勝を飾った。外敵としては史上初めてG1を制覇した小島は、真壁刀義(37)が保持するIWGPヘビー級王座への挑戦を高らかに宣言。10・11両国国技館大会での挑戦が濃厚になった。

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 外敵・小島を阻止する最後のとりで・棚橋‐そんな構図を壊したのは、1万1000人のファンだった。小島が棚橋を左のラリアートで撃墜すると、会場は小島コール一色に。右ラリアートをかわして突っ込んできた棚橋を右ラリアートで撃沈すると、コールは大歓声に変わった。当初はブーイングも飛ばした古巣のファンは結局、小島を熱狂的に受け入れた。

 上半期はどん底だった。F4は解散、浜亮太に3冠王座を奪われ、チャンピオンカーニバルは予選敗退。5月いっぱいで全日本を退団し、6月2日に左ヒジを手術した。たった1人で乗り込んだG1にはレスラーとしての復活と優勝という「忘れ物」が懸かっていたが、見事に両方ともモノにしてみせた。

 復帰後「行っちゃうぞバカヤロー!」を封印していた小島だが「真壁のベルト、取っちゃうぞバカヤロー!」と宣言。今秋のビッグマッチとしては9・26神戸大会と10・11両国大会が決定しているが、この日、ゼロワンの田中将斗が真壁を急襲して挑戦を表明。神戸で真壁‐田中が行われ、その勝者に小島が挑戦する流れになりそうだ。

 受け入れてくれた古巣のファンに向かってリング上から「ありがとうございました!」と感謝し、小島は今G1で初めて笑った。会見では「遊びに来たわけじゃねえんだ。絶対に笑顔なんか見せねえぞ!」と強がったが、この男には深刻な表情よりも笑顔が似合う。

(2010年8月15日)
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