台湾のプロ野球八百長事件で、賭博罪と詐欺罪で起訴され、懲役1年6月を求刑された元阪神投手の中込伸被告の判決公判が17日、台北県土城市の板橋地方法院(裁判所)で開かれ、懲役1年8月、執行猶予4年の有罪判決が言い渡された。執行猶予の条件は180万台湾元(約480万円)の支払い。
中込被告は出廷しなかった。7月の公判では、生活に困っている日本の妻子のため早期帰国を望むとし、執行猶予付きの判決と海外への渡航制限解除を裁判官に求め、起訴事実すべてを認めた。
だが、判決で裁判官は渡航制限を解除しなかった。同法院の報道官は「八百長事件(の処理)が未確定であることを考慮し、当面は海外渡航制限を解除しない」と、判決が確定していないことを理由に挙げた。
判決によると、台湾プロ野球リーグの球団「兄弟」の投手コーチや監督を務めていた中込被告は、賭博グループの要求に応じ、2008年4月〜09年9月の5試合で八百長に協力する投手を登板させるなどし、計150万台湾元を受け取った。
同法院報道官によると、台湾の刑事裁判では、検察側求刑は裁判官への助言程度の意味合いで、判決では求刑を超える刑期を言い渡すケースがあるという。(共同)