韓日の大学生、京都で「共同歴史体験」発起式

「不幸な歴史を理解し合い、友情はぐくむ契機に」

 「過去の不幸な歴史を共に認識しながら、理解し合い、友情をはぐくむ契機になればと思います」

 韓国と日本の大学生たちが両国にゆかりの遺跡などを共に調べ、過去を振り返り、平和と友好の韓日関係を模索する…。北東アジア歴史財団(鄭在貞〈チョン・ジェジョン〉理事長) 主催で16日から21日まで開催される「新しい韓日関係を築くための韓日大学生共同歴史体験」だ。今回は公募や推薦などで選ばれた韓日両国の大学生・大学院生各10人ずつ、計20人が参加した。

 16日午後5時、京都・烏丸のホテルで行われた発起式で、両国の大学生らは初めこそぎこちなくよそよそしい様子だったが、すぐに明るい表情であいさつを交わし始めた。イ・ジェヒョンさん(24)=仁済大=は「日本人の友人と歴史について討論すると重いムードになるのでは、という心配もあるが、楽な気持ちでそれぞれ違う見方を語りながら、歴史での和解へ一歩、歩み寄る機会にしたい」と言った。山田亜矢子さん(22)=西南大=は「韓国で生まれ、1945年まで暮らした女性からいろいろと話を聞いた。日本人がかつて、韓国人に悪いことをたくさんしたということを知り、ショックだったが、この機会に韓国人学生と友情を分かち合い、理解と関心の幅を広げたい」と語った。

 「共同歴史体験」に参加した大学生らは、16日から18日までは日本、19日から21日までは韓国の歴史的遺跡を訪れる。日本では壬辰倭乱(文禄・慶長の役)にゆかりのある京都市の耳塚、尹東柱(ユン・ドンジュ)の詩碑、伊藤博文の出生地である山口県光市、日清講和条約(下関条約)が結ばれた同県下関市などを見学する。そして、18日夜に釜関フェリーで玄界灘を渡り韓国入り、草梁倭館や西生浦倭城、韓日経済協力により建設された浦項総合製鉄所(ポスコ)、三・一独立運動時に日本による虐殺があった華城・堤岩里教会、ソウル・徳寿宮、孝昌公園墓地などを回る。学生たちは各地で学者・専門家から詳しい説明を聞き、釜関フェリー上とソウルでシンポジウムを2回行う。

 同財団の鄭在貞理事長は開会のあいさつで「若い大学生たちが両国の歴史にまつわる遺跡を訪れ、両国が過去2000年間、深く広い関係を結んできたことや、今後も友好的に過ごしていくべきであることに気付くよう願っている」と述べた。また、京都造形芸術大学の仲尾宏教授は「日本による韓国強制併合は戦争と差別につながり、アジアだけでも2000万人以上の犠牲をもたらした。こうした過去の歴史をしっかりと認識し、そこから教訓を導き出すことこそ、未来を生きる若い世代の任務」と語った。

16日、京都・烏丸のホテルで、「新しい韓日関係を築くための韓日大学生共同歴史体験」発起式が行われた。写真は、二人一組になり手でハートの形を作る両国の大学生参加者たち。/写真=朱完中(チュ・ワンジュン)記者

京都=李漢洙(イ・ハンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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