日韓のアーティストたちが江戸時代の朝鮮通信使のルートをたどる交流プロジェクト「続・朝鮮通信使2010」が16日、福山市鞆町に到着した。迎賓館となった福禅寺対潮楼(たいちょうろう)をはじめ太田家住宅や沼名前神社を訪ね、潮待ちの港に残る通信使の足跡に触れた。
6日にソウルを出発し、下関や下蒲刈島を経て到着。一行は作家や写真家ら20〜50代の16人。両国のサッカー代表のチームカラーである赤と青を混ぜた紫の衣装をまとい、旗を掲げて練り歩いた。
岡山、香川県を舞台に今年始まった「瀬戸内国際芸術祭」の一環で、歴史的建造物と芸術を融合させたまちづくりに取り組む「バンクアート1929」(横浜市)が企画。異文化が交わり、歴史を刻んだ軌跡をたどる。各地のまちづくりの取り組みとも連携する。
「各地の有力な藩が通信使をもてなした江戸期は地方の時代だった」と池田修代表(53)。10年かけてネットワークを築き、2019年に500人規模の通信使を実現する。
17〜21日は高松市を拠点に芸術祭会場の島を訪ね、8月末に新潟県で旅を終える。
【写真説明】旗を揚げて鞆港に上陸した「続・朝鮮通信使」メンバー
|