胴体発見した土偶、1年後の同じ日に頭部発見


 胴体が見つかった日の1年後に頭が発見された土偶

 松島湾に面した宮城県東松島市の縄文時代の里浜貝塚。ここで出土した土偶の不思議な発見のいきさつがひそかに注目を集めている。

 胴体が見つかったちょうど1年後の同じ日に、頭の部分が現れたのだ。

 それぞれ体験学習に訪れていた小学生が発見した。奥松島縄文村歴史資料館の菅原弘樹副館長は
 「土偶が『頭を見つけて』と子供たちに訴えたのかもしれません。一生懸命探した私たち大人にその声は届かなかったようです」
と話している。

 土偶は約2500年前、縄文時代の終わりに作られたもので、高さは約10センチ。肩をいからせた胴体にカエルのような頭を乗せている。

 2008年5月1日に、同市立浜市小学校の児童が頭部のない状態で地表から偶然、拾い上げた。首の部分の割れ口が比較的新しかったことから、菅原さんや資料館のスタッフが「近くに頭があるに違いない」と1年かけて捜索したが見つからなかった。

 ところが、昨年5月1日、同じ場所で富谷町立東向陽台小学校の女児が「これはなんですか」と言いながら駆け寄ってきた。菅原さんがのぞき込むと手の中に三角形の土偶の顔があった。「もしかして」と思い、1年前の胴体と合わせてみると見事ピッタリ一致した。

 「奇跡の再会」(菅原さん)を果たした土偶は接合され、資料館で展示されている。


[ 2010年2月13日 (読売新聞)



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