レーダーに不審な小型船2隻
K10034096411_1008171920_1008171936
最新ニュースはNHKニューストップへ
※ すべての機能を利用するには、JavaScriptを有効にしてください。

レーダーに不審な小型船2隻

8月17日 19時20分

先月、中東のホルムズ海峡で商船三井の原油タンカーが何らかの衝撃を受けて破損した問題で、タンカーのレーダーには不審な小型船が2隻映っていたことが新たにわかりました。2隻ともタンカーの周辺で行動していましたが、衝撃が起こった直前には1隻の姿しか映っておらず、国土交通省でさらに分析を進めています。

中東のホルムズ海峡では、先月28日、日本に向かっていた商船三井の原油タンカーが何らかの衝撃を受け、船体の右側の後ろの部分が大きく壊れて乗組員1人がけがをしました。国土交通省などによりますと、タンカーに搭載されたレーダーには、周辺で不審な動きをする小型の船がとらえられていて、この小型船がタンカーに接近したあと、高速で遠ざかった直後に衝撃が起きていたことから、国土交通省はタンカーがこの小型船から攻撃を受けた可能性もあるとみています。この小型船は当初、タンカーの後ろを追うように航行したあと、前方に回り込んで旋回するなどしていましたが、この時間帯にさらにもう1隻の不審な小型船が断続的にレーダーに映っていたことが新たにわかりました。2隻の小型船ともタンカーの周辺で行動していましたが、衝撃が起こる直前には、このうち1隻の姿は確認できず、残る1隻が高速で遠ざかる姿だけが映っていたということです。レーダーにはタンカーや小型船以外にも複数の船舶が映っていましたが、2隻の小型船については船名や航行の目的などが特定されていないということで、国土交通省は2隻の詳しい動向や、どこの船なのか、さらに分析を進めています。ホルムズ海峡は、海賊被害が多く発生しているソマリア沖のアデン湾とは直線距離でおよそ2000キロ離れた、アラビア半島をはさんだ反対側に位置しています。中東から原油を運ぶタンカーが通過する世界的にも重要な海峡で、日本へ運ばれる原油の80%以上が通過してます。国内の海運会社などで作る日本船主協会によりますと、去年1年間にホルムズ海峡を通過した日本関係の船舶はおよそ3400隻で、このうち、原油タンカーはおよそ1400隻に上っていました。しかし、近年、外部から攻撃を受けるなどのトラブルは起きておらず、船会社の間では、安全な海域だと認識されていました。